2014/09/29

Calvados


 日本には漬けるという、おいしい習慣がある。漬物、梅干し、らっきょう。ものによっては何十年も漬け込んで、深い味を楽しむ。フランスにもピクルスとかあるけど、日本で言うところの浅漬けだ。毎日、糠を混ぜたり、そんなことができるのは日本人ならではかなと思う。
 
 フランス人が年月をかけて楽しむのが、Calvados(カルヴァドス)。ノルマンディー、カルヴァドス地方のりんごで作られた、シードルを蒸留したお酒。ワインを蒸留して作ったものがブランデー、カルヴァドス地方で2年以内のシードルを蒸留して作られたものだけが、カルヴァドスと呼ばれる。度数が40度もあり、少しずつ、小さなグラスに入れて飲む。
 さて、フランス人はこのカルヴァドスを大切に戸棚に寝かせている。飲み頃は10年くらいらしいけど、20年、30年、さらに50年ものとかも大切にしまってある。とにかく、コクがあって甘みも強く、飲んだらぐっすり眠れそうなお酒。これを戸棚から出してくれるフランス人の顔は、大切な宝箱を開ける子供のようでかわいい。大切な年代物のカルヴァドス、味わって飲まなきゃ。

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