2014/09/01

Patrickのタルティーヌ


 フランスで食べた、一番おいしいものは? と聞かれても。。ほんとに困る。大好きなものばかりで、一番は到底、決められっこない。でも、朝食べるタルティーヌは10本指、ううん、5本指に入る。

 バゲットにバターとジャムを塗るだけ。たったこれだけのことなのに、朝一番にこれを食べると元気が出る。
 バターはスーパーで買っただけの、どこのものだっておいしい。フランス人の友達の家の冷蔵庫には、包装紙に包まれたままのバターが堂々と入っている。時折、深々とバターナイフが刺さったままのバターが。
 ある時、バゲットにバターを塗っているとMarieの旦那、Patrickにこう言われた。「バターはこう塗るもんだよ」と。バターナイフを、バターの表面を滑らせるように動かし、バターを削ぎ取るのだ、まるでカンナで木の表面を削るように。何度やってみても、Patrickのようにうまくできない。Patrickは、まるで職人のように薄くバターを削り取る。この方法でバターを塗ると、まんべんなく塗れて、ほんとにひと味違う。バターケースに入っていると、この職人技はできない。包装紙のまま、そして時々ナイフが刺さっているバターが、私の中のフランスのおいしいバターだ。そして、Patrickのタルティーヌが一番、おいしそうに見える。

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