2015/12/31

Je vous souhaite une bonne année!!!


 この1年も毎日、ブログを書きました。なんと今日で660回目。読んでいただいているみなさん、いつもありがとうございます。改めて回数を知るとけっこうすごいなと思ったりして。。まだまだ続けま〜す。来年もよろしくお願いします!

 ”Je vous souhaite une bonne année!!!”

2015/12/30

パリオペラ座


 あまり公にしていないけれど、私はけっこう”Miel”(ミエル)『はちみつ』が好きである。ニュージーランド産が有名な『コムハニー』にハマった時期もあるし、瀬戸内の『レモンはちみつ』もおいしいけれど、フランスで食べるはちみつが一番好きだ。パリには有名店も何店かあるけれど、はちみつはMarchéでもスーパーでもどこのでも美味しい。何か濃さが違うような気がする。はちみつがおいしいフランスでは、はちみつで作られたお菓子もたくさんあって美味しい。

 食べる物だけではない。はちみつで作られたきれいになるものもフランスにはたくさんある。石鹸とかリップクリームとか、はちみつ製品は人気があるらしい。いわゆる、オーガニックコスメだ。冬には特にはちみつ製品のものが出回る。

 甘いからなのか、私も冬になるとはちみつが食べたくなったり。。フランスではちみつ買ってきたいな。スーツケースの中で瓶が割れると大変なことになるけれど。。次はパリオペラ座のはちみつも食べてみたい。

 

2015/12/29

Canelé


 
  今日、Canelé 『カヌレ』をいただき、久しぶりに食べた。そういえば何年か前に日本でブームになったカヌレ。それでカヌレを知ったか、知ってたけど食べたことなかったか、もしくは食べたことすら覚えてなかったか、その頃それくらいの存在だったカヌレ。流行りに乗るまい、と思ったけれど、食べてみるとやはり美味。フランスのお菓子で美味しくないものなんてあるのだろうか。

  カヌレは元々、ボルドーの焼き菓子。正式な名前は”Cannelés de Bordeaux"(カヌレ ドゥ ボルドー)。パリのPâtisserie『パティスリー』やBoulangerie 『ブランジュリー』にも普通に並んでいる。そう、クロワッサンやパンオゥショコラのようにどこにでもあるもののように鎮座している。
  しかし、以前はここまでの存在感はなかった。日本で流行ったことでパリでも存在感をアピールできた感も。。

  さて、やっぱり美味しくて食べやすいカヌレ。危うく、息子が全部食べそうだった。

2015/12/28

クリーム



 フランス人は顔につけるクリームや顔に吹き付けるローションスプレーが手放せない。夏でも乾燥が激しいのに、冬なんてどんなに保湿しても追いつかない。クリームなんてこれでもか、というくらいたっぷりと顔に塗りたくる。日本でこれをやったら、ベタベタすぎて困るけれど。。ローションスプレーもすぐ手の届くところに置いていて、いつでも顔に吹き付けられるようにしている。

 日本人は乾燥するからと、リップクリームやハンドクリームを持ち歩く人が多い。フランス人も自分のお気に入りのクリームをバッグに入れていて、ハンドクリームや時にはリップクリーム代わりに塗りたくる。確かにフランス人の好きなオーガニックの化粧品ならどんなふうにでも使えるものもあるから、それ1本でも大丈夫。とにかく、乾くと塗る、乾くと塗るを繰り返す。乾燥を何よりも嫌うフランス人、クリーム消費量はかなりすごいはず。。

2015/12/27

ポチのこと


 さて、今日もポチのこと。パリのアパートの中庭で拾ったとき、やせ細って汚れていた。アパートの住人たちにかわいがってもらっていたから、かわいそうな感じはなかったけれど、誰もいなくなるとさみしそうな顔をするのを見て、連れて帰ろうと思ったのだ。元々、人なつこくて、部屋で一緒に暮らし始めても何も困ることはなかった。ずいぶん前から一緒に暮らしていたかのようなそんな落ち着きようだった。

 ほどなくして、ポチが痒そうにしている姿を見かけた。蚤だ。薬をつけても蚤用シャンプーで洗っても全然減る兆しがなく、結局ヒマを見つけては潰す作業に明け暮れた。それはそれは地味な作業でどこまでやったのか、いつ終わるのかが読めず、途方に暮れた。唯一の救いはポチがイライラすることなく、時々痒そうにしてカリカリと掻いている姿がかわいかったこと。後ろ足で顔の辺りを掻こうとするのだけれど、太りすぎていて全く足が届かない。でも、掻きたいのに掻けないのはかわいそうだから代わりに掻いてあげると、足だけは宙で動いていて、自分で掻いてるかのように気持ちよさそうにするのだ。それがかわいくて仕方なかった。
 その年、パリでネコの蚤が流行っていたらしいけど、ポチの忍耐と地道な作業であっという間に蚤はいなくなり、ほっとしたな。

2015/12/26

bonhomme


 今年の冬はあったかい、と毎年12月に言っている。たぶん、寒さの本番は1月、2月だから、12月はまだ冬本番ではないのだ。毎年、ちょうど受験のある頃に雪が降り、電車が止まったり、いろんな支障が出る。どうにかならないものだろうか、と毎年思うのは私だけではないはず。。

 パリも大雪とまではいかないけれど、雪が降る。北海道とほぼ同じ緯度にあるフランスだけど、冬の寒さが厳しいわりに雪はあまり降らないな、という印象。たまに雪が降ると近所の子どもたちが作った雪だるまが道のあちらこちらにいたりして。フランス語で雪だるまは”bonhomme de neige”(ボノム ドゥ ネージュ)。本来”bonhomme”は『男、やつ』っていう意味。親しみを込めてこう呼ぶのだろう。『雪だるま』よりは何かいい。そしてなぜかフランスで作られる『雪だるま』の鼻はにんじんが刺さっている。何か愛嬌があっていいな。

2015/12/25

飲み頃のシャンパーニュ


 さて、昨日持って来てくれたシャンパーニュ。冷やす時間を調整して飲み頃になるまで待ち、美味しいものを出してくれた。仕事で何本も開けて慣れているからか、さすが音ひとつさせずに見事に栓を抜く。そして、抜いたコルクのにおいを嗅ぐことによって発酵しすぎてないか、飲み頃なのかがわかるらしい。そして、ワインのようにテイスティングする。

 シャンパーニュはフランスの北東部の”Champagne”(シャンパーニュ)地方で作られたものをそう呼ぶ。シャンパーニュ地方のシャンパーニュと言うのは少々ややこしい。フランス人はワインと同じくらいシャンパーニュが大好き。いや、それ以上かもしれない。日常的な飲み物がワインなら、特別な飲み物がシャンパーニュ。お祝いや大切な日に飲むと一段テンションが上がる、そんな特別なお酒。
 ノルマンディーやブルターニュ地方のシードルも発泡酒でかなり好きだけれど、度数が全然違う。シードルは2%〜5%くらいだけど、シャンパーニュは11%以上。そもそもシードルはりんごからできていて、シャンパーニュはぶどう。フランス人にとって、シードルはジュースでシャンパーニュはお酒なのだ。だから同じように飲むのは危険なシャンパーニュ。

2015/12/24

Joyeux Noel


 今日はクリスマスイヴだ。息子もサンタさんにお手紙を書くような年齢はとうの昔に過ぎ去ってしまった。男子だからか、さほど欲しいものもなく、ここ数年、クリスマスは淡々としている。まぁ、こんなもんだ。

 さて、今夜はフランスから友達夫婦がやって来た。初めてパリを訪れたときに家に招待してくれて、中華料理店にも連れて行ってくれた。その頃、2歳くらいだった上の子は今、日本で仕事している。ふたりは見ず知らずの私にやさしくしてくれて、知らぬ土地で心強かったし、ほんとにうれしかった。その付き合いはずっと続き、今に至るわけだ。友達んちは男の子ふたり。行くたびに遊んでくれたり、面倒をみてくれて息子にとっても気心知れたお兄ちゃんという感じだ。
 ちょっと片付けの合間に開いてしまったアルバムにも、そんなほのぼのするような姿が写し出されていて見入ってしまう。そして、そんな話で大盛り上がりになり、でもずいぶん昔のことすぎてみんなの記憶が一致しなかったりして。。そのうち、日本で働く上の子がシャンパンを持って現れ、しばらくしたらこの家族に会わせてくれたお兄ちゃんが現れたり。。今日はいつもと違うクリスマスになった。

2015/12/23

Navet


 年末は何かと忙しい。仕事もそうだけど、あれも片付けなきゃ、あ〜、宅急便が来た〜とか、何だかバタバタする。寒いから身体もテキパキと動きにくいのかも。。特に朝なんて何度も目覚ましを止め、何度寝でもできてしまう。寒いから〜、と言っても零度を下回るわけでもなく、まだ真冬でもないのだけれど。。

 パリに暮らしている頃のことだ。ある年の年末は、ほんとに凍えるかと思ったくらいの寒さだった。マイナス20℃とかそんな感じだった。経験したことのない寒さ。雪も降っているから体感温度はもっとだったと思う。パリの冬は厳しいけれど、ここまでの寒さは初めてだった。
 
 フランスの寒い冬には“Pot-au-feu”(ポトフ)。肉と野菜をとろ火で煮込んだ料理のことだ。”Pot”は『鍋』という意味で”feu”は火だから、『火にかけた鍋』という意味になる。味がしっかり出たスープと肉や野菜は別皿に盛る。同じ鍋で作ったのに別々で食すなんて。。肉と野菜はマスタードを付けながらだから、ちょっとおでんぽい。でも残ったスープにごはんとチーズを入れてリゾットにしたりするのは、ちょっと鍋っぽい。あ〜、書いてたら何だか食べたくなってきた。。
 フランス人に日本の冬の代表料理を聞かれて「鍋だよ」って言うと「え〜、Navet?」と言われる。”Navet”(ナベ)とは野菜の『かぶ』って意味。ここから『鍋』についてお決まりの説明が始まる。

 

 


 

2015/12/22

映像


 フランスって何だかズルい。何でもない何気ない風景も絵になってしまう。何がどう違うのか。。説明できないけれど、とにかくハッとすることがたくさんある。

 たぶん、ひとつには物を大事にするってことが関係があると思う。物を大事にするからいつの間にか物が育って、それがその光景に馴染んでいくからハッとするんじゃないかな、と。。意図して置かれた物よりも何気なく置かれた物、それが絵になる。そして、それがフランスなのだ。

 それはフランス映画にも通じているなといつも思う。その何気ない風景は映画のシーンに出てくる、そのままだ。どちらが先なのかわからないけれど。。そのシーンを撮るために作り上げているのか、それともその風景があったから映像に収められているのか。そんなことを考えながらフランスの写真を見ていると、映像が浮かんでくる。それがフランス。

2015/12/21

サイズ


 フランス人はどこにでもすぐ座る。石で作られたフランスの町は座りやすいのだ。そうだからというわけではないかもしれないけれど、フランス人は座りやすい格好のパンツ姿の人を多く見かける。

 フランス人の友人が日本にやって来るとよく言う。日本で洋服を買って帰りたいけれどサイズがなくてむずかしいんだよね、と。。確かに長身の人も多く、がたいのいい人も多い。顔も頭も小さくてバランスのいい人も多いからそんなふうには思えない。太っているとかそういうことじゃなくて、とにかくみんな、しっかりとした体型なのだ。背が小さければそうでもないんだけど、大きい人はパンツはまず合うサイズがないらしい。だからなのか、せっかく日本に来ているのに、フランスでも買える”H&M”とか”ZARA”とかで買い物している。欲しいけれど仕方がないのだ。確かに、逆も言える。私たち日本人があちらで洋服を買うのはサイズが大きすぎて選べないのとおんなじだ。だからパリに暮らしている頃、古着屋さんで合うサイズのものを探したり、子どもサイズを買ったりしていた。
 
 さて、フランス人の友達が日本にやって来たとき、どこに洋服を買いに連れて行ってあげれば喜ぶんだろう。。いいとこ、ないかな。

2015/12/20

ショートカット



 パリに暮らしている頃、ほとんど今と変わらない感じで仕事をしていた。休みも決めず、時間も決めていない。完全予約制で旅行に出かけるときは長期のお休みを取る。今のようにメールとかできなかったのにどんなふうに休みを伝えていたんだろう。 
 今とちょっと違っていたのは出張もしていたこと。初めての人は紹介でなければ受けないとか、何人以上でなければ別料金を頂くとかいろいろあった。でもずいぶん前のことで記憶が曖昧だ。でもひとつ紐解いていくと次々と記憶が蘇る。   
 つい先日もパリに暮らしている人の話になった。何だか聞き覚えのある名前。でもパリ時代のお客さまかどうかは定かではない。でも、しばらく経つとふと思い出してくる。アパートまでの道のり、仕事道具が入ったかばんを置いた床、いつも変わらないショートカット、かわいい男の子の笑顔。きっとそうだ。懐かしいな。

2015/12/19

洗濯のルール


 昨日に続いて、洗濯話。フランスは湿度が低いから、あっという間に洗濯物が乾く。パリは外に洗濯物を干してはいけないから、乾燥機にかけるか部屋の中に干すしかない。
ほんとにあっという間に乾くから、旅先でも下着くらいは手洗いする人も多いはず。そんな具合だから、友人宅に泊まる私たちは荷物を減らすため、あまり服を持って行かない。なので、いつもいつもひっきりなしに洗濯している気がする。

 パリの拠点、Marieの家は郊外の一軒家だったから庭もある。そこにも洗濯物は干さない、どんなに天気がよくっても、だ。そんなルールを破って、私たちはテラスの椅子や木々の枝にこっそり洗濯物を干していた。。もちろん、外から見えないようにだけど。。どんなことがあっても、フランス人の友人たちは外には干さず、衣類が縮んでも乾燥機にかける。
 でも、田舎の家にはピーンと張られたロープにびっしりと洗濯物が干されている。これだったら衣類も縮まなくっていいよね。

2015/12/18

コインランドリー


 フランスの好きな風景のひとつ、コインランドリー。最近は日本でも見られるようになったけれど昔はそんなに見かけなかったし、使ったこともなかった。一般的にフランスの”Studio”(ステュディオ)のような小さなアパートには洗濯機を置くスペースがない。しかも洗濯置き場はキッチンの流しの下にあるから置けても小さい洗濯機だ。

 最初のアパートは友人とシェアしていたからけっこう広く、洗濯機も置いていた。その後の住まいにはスペースがなく、仕方なくコインランドリーや手洗いで過ごしていたのだけど、小さくてもやっぱりないよりはあったほうがいい。
 最後に暮らした”30, rue keller”のアパートにも洗濯機はなかった。今、よく考えたらラバボは大きく、深かった。あれって、もしかして手洗いがしやすいようにと考えられてたんじゃないかなと思う。そこではあまり大物でないものを日々洗っていた。一日でもサボろうものなら洗うものも二倍になるから、なるだけ毎日洗うようにしていた。
 この大きなラバボの横にはトイレがあり、私が洗濯を始めるとトイレの蓋の上で愛猫ポチが待ち構えていた。私が洗濯物に目が行き、一瞬でも気を緩めたら背中に乗ってくるのだ。あの巨体が背中に乗り、タイミングが悪いと滑り落ちて背中は痛いし、ポチはびっくりだし。。洗濯って痛い。。

2015/12/17

色とりどりのスーパー


 フランスのスーパーで大きな大きなタッパーに入ったグミを見たときは、ちょっとびっ
くりした。グミ好きの息子でもさすがに欲しいと言わないくらいの大きさだったけれど、子どものいるお家におみやげとして持って行くために、友人はけっこう買っていた。実際、何度ももらったりもしてこんな身体に悪そうなもの。。と思いつつ、その色とりどりのグミに惹かれるのは私だけではないはず。。

 フランスのスーパーには見た目、ちょっと身体に悪そうなお菓子がたくさんある。でも反対にこのお菓子ってば身体に優しそう、ってものも多く、フランス人ママには人気があるらしい。以前は専門店に行かなければ買えなかったBIOのものも、今は普通に身体に悪そうなお菓子と一緒に並んでいる。そりゃ、身体によさそうなものを選びたいけれど、子どもたちは色のいっぱい付いたチョコやらカロリーの高そうなものが大好きだ。ポテトチップスは大袋でなければ気が済まないし、一枚がでっかいチョコチップクッキーなんて一気に数枚平らげる。クリスマスの頃になるとなぜか色とりどりのフランスのスーパーがやけに懐かしい。

2015/12/16

クリスマスの風物詩


 もうすぐクリスマス。これと言って思い入れもないし、特別なことはしないけれどケーキとチキンくらいは食べる。息子が小さい頃はあっと驚くようにと、こっそりほしいものを聞き出し、サンタクロースのフリをして枕元に置いておくというのが恒例だった。いつの間にか、サンタクロースのほんとの正体を知ってしまい、そんなサプライズもできなくなってしまったけど。。クリスマスの一番の楽しみはこれだったのに。。

 フランスのクリスマスも同じ。子どもたちはプレゼントを心待ちにしている。そして、やっぱりすごいのはパリの街のイルミネーション。シャンゼリゼの大通りや街のあちこちに飾られた電飾がきれいだ。パリの町全体が明るく灯るこの時期はクリスマスに思い入れのない私でもきれいだなと思う。そして、12月に入るとあちこちで見かける”Marché de Noel”(マルシェ ドゥ ノエル)『クリスマス市』がクリスマスの風物詩だ。町中でクリスマスソングが流れるのが日本のクリスマスの風物詩?
 

2015/12/15

教会の椅子


 昨日に引き続き、並んでいるものシリーズ。カフェに積まれた椅子の列は何だか好きなもののひとつ。フランスのあちこちで見かける日常の光景だけど、日常なのにカフェが閉まっているときだけに見られる非日常な感じが好きだ。そして、よく見れば椅子だって少しずつ違っていて、そんな色のグラデーションや柄の重なりが好きなのかもしれない。

 フランスでたまに訪れる教会。教会の椅子がずらりと並べられていて、1脚くらい持って行っていいよって言ってくれないかなぁ、と思うくらい椅子が並んでいる。我が家にもあるけれどフランスから持って帰ったものではなく、日本でまぁまぁ高い値段で買ったもの。こんな光景を見ると、一体なぜ、そんなふうに売っちゃったりしてるんだろうと真剣に考えてみたりして。。
 ま、とにかくフランスの街の至るところに並んでいるものは日本のどこかに売られていて、今は当たり前だけどやっぱり何だかなぁ、とも思う。

2015/12/14

並んだもの


 フランスの至る所で見かけるきちんと並んだもの。気づくと目に入り、そして何だか気になる。例えば、カフェに積み上げられた椅子。例えば、店先に並ぶConfiture(コンフィチュール)の瓶。例えば、乾かすために置かれた漁港の網かご。大雑把な人が多いフランス人。でも、こだわるところにはとことんこだわるフランス人らしい。そんなところに焦点を置いて街を見回すと案外おもしろい。

 でも、わざと並べないこだわりもある。例えば、玄関先に無造作に置かれた靴の山。例えば、キッチンの棚に入った調味料。いつも同じ場所に置いてあるんだけど、だけど、きちんと並んでるわけではなく、きっと取りやすい場所に置いてるだけのことなんだと思う。それに本棚の本だって、置けるスペースがあるのにわざと方々に並べたり、立てかけたり。。意図しているのか、していないのかはわからないけれど。。そのバランス加減がおもしろい。
  

2015/12/13

Saignant


  フランス人は肉食だ。毎日、肉でもきっと大丈夫だと思う。そして味よりもたぶん、焼き方にこだわりを持っている。フランス人はもちろん”Saignant”(セニャン)『レア』が大好き。よく焼いた”Bien cuit”(ビヤン キュイ)なんて以ての外だ。

  フランス人の友達の家でも有無も言わさず、レアが出てくる。たまに焼き方を聞いてくれることもあり、息子が小さい頃は「じゃ、ちょっとだけよく焼いて」と言ってはみるものの、やっぱり出てくるのはいつも通りのレア。まっ、美味しいからいいんだけど、ね。

  正真正銘、レア好きのフランス人。フランスでは”Saignant”以外はメニューに書かれていないレストランもある。これ、ほんと。

2015/12/12

Marché


 今はおしゃれなお店やカフェが建ち並ぶ北マレ。以前は特におしゃれな店もなく、どちらかとういうと治安の悪い界隈だった。友人の家に行くと帰りの夜道はちょっと怖い、そんなところだった。

 でも最近は、パリ滞在中に何度か訪れる。立ち寄りたい本屋さんがあるし、新しいお店もどんどんできている。そして、常設マルシェ”Marché des Enfants Rouges”『マルシェ デ ザンファン ルージュ』も楽しい。パリで一番古いマルシェにはイタリアン、クスクス、和食などの屋台が並び、いつも混み合っているらしい。
 でもいつも、夏に訪れるとヴァカンスで閉まっている屋台も多い。私が暮らしていた頃の北マレは別にこれと言って何もなく、だからわざわざ行く用事もなかったし、しかも、そもそもマルシェは近所に行くのが普通なのだ。野菜や果物の重い荷物を持って帰るのだから、そんなに遠くまでは行かない。というわけで、ここ『マルシェ デ ザンファン ルージュ』に初めて訪れたのは、北マレがおしゃれ界隈になり始めた頃の雑誌取材のためだった。マルシェって暮らしている人にとってみれば生活のためのところ。いいマルシェだからといって、パリ中のマルシェに行ったことがあるわけではない、うん。

2015/12/11

お煎餅


 毎年、元旦に思う。家族全員、お雑煮が好きだから一年中作って食べよう、と。お餅は夏の暑い時期以外は常備してある。でも、お雑煮はお正月に食べるものって思ってしまい、他の食べ方をしてしまう。ま、どんな食べ方でもお餅はおいしいんだけど。。

 フランス人はお餅が苦手な人が多い。あの噛み切れない伸びる感じがイヤみたいだ。それに味がないから、どこがおいしいのかわからないと口を揃えてみんな言う。確かに私たちは慣れているからそうは思わないけれど、味はないし、他にはない食感だよなぁ。
 
 こんなに日本食が流行っているけれど、お餅は流行りそうな気配がない。ラーメンやうどんを啜ることができないフランス人にはお餅を噛みちぎる技を身につけるのもむずかしいのかもしれない。
 ただ、同じ材料で作られたお煎餅はけっこう人気があって、お土産に持って行くと喜ばれる。でも、硬いお煎餅は、何でも細かく手で千切って食べるフランス人にとって、かなりむずかしい食べものらしい。だからなのか、一口で簡単に食べられる柿ピーもフランス人のお気に入り。
 

2015/12/10

裸でタダ


 フランスのセールってほんとにすごい。ものすごい勢いで服やら靴を奪い合って、そして始まる試着タイム。試着室でもない売り場の隅っこを陣取って、あれよあれよという間に着替えて行く。最近は注意されることも多くなってきって、だんだんとそんな姿を見ることも減ってきたけれど、でもそれでも、ぱぱっと大胆に試着している人を見かける。

 パリに暮らしている頃、Solde(ソルド)にわざわざ出かけた記憶がない。お金をあまり使いたくなかったっていうのもあるし、フランス人に混じって打ち勝つ勇気はまったくなかったからだ。だけど、たまたまソルドに遭遇して、案の定みんなのすごさにタジタジとなる。。そんなことも多々あった。

 パリの或るショップのソルドの初日。裸で来てくれたお客様に着れるだけの洋服をプレゼントするって、そんなサービスを打ち出している店があった。映像でも流れていたけれど、これはさすがにムリだ。。洋服がタダでもらえたらうれしいけれど、店の前で開店を待つ間も裸だし、走って店内に入るときも裸。テレビで自分の裸が流れることもあるし、そんなの絶対ムリだ〜。。でも、そんなことも平気でやっちゃうフランス人。ある意味、尊敬するな。あっ、ちなみに下は履いてるよっ。

2015/12/09

郷に入れば郷に従え?


 人種が違えば肌や髪の色が違うように、生まれた国によって動物だって容姿は違うはずだ。パリジャンだった愛猫ポチはかなり大きくて日本のネコより手脚が長かった。太っていたけれど、しっぽも長くて歩く姿はけっこう凛々しかった。やっぱりちょっと違うよね〜と、その歩く姿を見ながら思ったものだ。

 フランスの店先や通りで出会う犬たちもやっぱりフランス人の雰囲気を持っている。何がどう違うかって説明するのは難しいけれど、何かフランス人なのだ。
 Marieの家で飼われていたDominoはまさしくフランス人。いつでも気ままで人に媚は売らず、外で獲物を仕留めて持って帰ってきては「ほら、どう〜」と言わんばかりに得意顔だった。あれ、そんなの日本のネコだっておんなじよ、と言われそうだけど。。いや〜、ちょっと違うんだよね〜。
 でも、パリで暮らしていた頃はどこから見てもパリジャンだったポチもいつの間にか、日本人の顔になってきてたなぁ。郷に入れば郷に従え、ですな。

2015/12/08

Isabelleの実家


 昨日のブログの庭は、友達 Isabelleの実家の庭。庭っていうか、草原というか、とにかく広い。初めて訪れた時、冗談かと思ったくらいの広さでびっくりした。でも、最近ちょっと心配していたことがあって、でも今のところ大丈夫そうで安心している。Isabelleのママが昨年亡くなってしまい、もしかすると売りに出すんじゃないかと思ってたから。。
以前、Isabelleがよく言っていた。「ママがいなくなったら、あの家は維持できないと思うからきっと売ることになるわ」と。。日本と同じく、相続税を払うのはかなり大変で、あんな大きな家とプール、テニスコートまである広大な実家を維持するのは、ほんとに大変だと懇々と語っていた。そりゃあ、そうだな、と納得もした。

 でも今のところ、売りに出すこともなく、休みのたびに兄妹たちが集まってワイワイやっていると聞いてホッとしている。私たちも何度も訪れて過ごしているところだから、最近は行けていないけれど、もう二度と行けなくなるのはやっぱりさみしいから、ずっとあってほしいと願う。

 さて、はじめて実家の話をやんわり聞いた時、Isabelleに「お金持ちなのね〜」と言うと、ふふふと否定しなかった。でも「田舎だからよ〜。土地も安いから」いやいや、ほんとに大きすぎてスゴすぎるから〜。。

2015/12/07

髪を切る


 フランス人は猫っ毛でクセ毛の人が多い。まっすぐの髪の人ってほとんどいない。だからフランス人の美容師はアジア人に多い硬い髪の毛を切るのを嫌がり、「日本人の髪を切るとハサミの刃が折れる〜」なんて冗談なのか本気なのかわからないようなことを言っていた。

 フランス人は美容室に通う人もいるけれど、自分でちょこっと切ったりする人もいる。クセのある髪の毛はザクザクと適当に切っても形になりやすいのだ。そういった感覚はとっても優れていて、頭の形が綺麗に見えるように器用に切っていく。でも、やっぱり大雑把でもあるから洗面台で切った後、切った髪の毛はそのまんまだったり。。
 
 フランス滞在中、時間の余裕がある時、時々、友人や子どもたちの髪を切ってあげることがある。ただ、自分のハサミ等は持ち合わせていなくて、紙用のハサミでいいからと全然切れないハサミで切ることもしばしば。。それに片付けも楽だからと庭で切る。外で髪を切るのって開放的で気持ちがいいけど、「風で飛んで行っちゃうからそのままでいいわよ」とやっぱり片付けはしない。何かどこまでも自由でそれもいい。

 
 
 

2015/12/06

Rose



  フランスの若手のモデルや女優の雑誌インタビューを見てみる。愛用している化粧水やクリームが薬局で購入できる安価のものだったりする。人それぞれ肌の状態や合う、合わないなど効果についても様々だけど、リアル感のある答えが何だかうれしくなる。若い人たちの持っている化粧品はほんとのほんとにこんなものがほとんどなのだ。

  私がたまに行くウチの近所の雑貨店の化粧品コーナーには、フランスの薬局に並んでいる化粧品がいっぱいあって楽しい。もちろん、フランスで買うよりもずいぶん高いから選ぶのにも慎重になるけれど、でもいろいろ試してみる。何度も試すうちにふと思う。フランス人は”Rose”『ローズ』の匂いが好きだな、と。確かに落ち着くし、万人受けするのかなって思うけど。匂いを気にすれば気にするほどローズだらけだ。匂いが気になってどれがどれだかわからなくなってくるけど。。でもやっぱり、懐かしくって落ち着く。

2015/12/05

パリはコンパクト


 パリはとってもコンパクトな街だ。あの中にぎゅっといろんなものが詰まっていて、いいなぁといつも思う。パリ市内だと交通機関も便利だし、歩きでもどこまででも歩けそうな気がする。

 パリは地下鉄が南北東西、あちらこちらに延びていて、ちょっと歩けばすぐにメトロの入り口が見えてくる。私が暮らしていた”Rue Keller”の最寄り駅はBastille(バスティーユ)だったけれど、歩ける場所に線の違う駅がいくつかあり、行く場所によっては乗り換えが楽になるように二駅分ほど歩いてでも違う駅まで行って、乗ったりしていた。でも、パリの地下鉄の二駅分なんて、東京の一駅分の距離にも満たないくらいだから、たいしたことではない。
 場所によっては最寄り駅がそこでも、駅の中が広く複雑で出るまでに時間がかかり、実は隣駅で降りて歩いた方が早い、なんてこともある。よく行き慣れた場所だとそうやって簡単に行ける方法をみんな知っている。
 
 パリ市内はどこまででも同一料金。1週間、もしくは1ヶ月使える定期、昔は ”Carte Orange"(カルト オランジュ)、今はICカード”Navigo”(ナヴィゴ)に変わっても、これ一枚でどこまででも行ける。バスに乗っても同じ料金だから、何度もバスを乗り継いで目的地に行くバスの達人もいる。とにかく、パリ市内、同じ料金っていいなぁ。
 

2015/12/04

バルベス


 18区のBarbès(バルベス)と言えば、アフリカ人が集う街。メトロは地上へ抜け、気持ちよく改札口を出ると、ちょっと柄が悪そうに見える人たちがうろちょろしていて慣れない観光客は一瞬、ギョッとするかもしれない。安物の店 ”TATI”(タチ)がずらっと並び、行き交う人々は早足で歩いている。ちょっと北に行けば、観光客の集まるサクレクールもすぐそこ。でもここは別世界だ。
でもこの界隈は私にとってはずせないところ。よく通った古着屋もあるし、美容の問屋、布地街もある。なんだ、楽しそう〜、と思いそうだけど、とにかくバルベス駅は慣れていてもやや緊張する駅なのだ。

 そんなバルベス駅前にできたらしい”Brasserie Barbès”(ブラッスリー バルベス)。二階の店内から高架の上を走る地下鉄が見える大きなガラス張りの窓があり、見晴らしもよさそうだ。バーも併設されていて、流行りのデトックスジュースも人気らしい。
 写真をみる限り、なんともまあ、バルベスらしからぬ、お洒落な雰囲気。こんなところができて、駅界隈にたむろしている、ちょっと柄が悪そうに見える人たちはどんなふうに思ってるのかしらん。興味津々。。

2015/12/03

Petit Pan


 パリは子ども向けのお店がたくさんあって、しかも大人も楽しめる、そんなお店も多い。息子が小さい頃は洋服やおもちゃを探しに行っていたけれど、だんだん大きくなってくると、自分のためのものを探すために行っていた。パリの子ども向けのお店は大人でもじゅうぶん楽しめるものがたくさんあるのだ。雑貨やオブジェなどインテリアのアクセントになるもの、それに子ども用サイズでも着れるものがあったりするから、ときには試着して買ったりもする。子ども用だけど『こどもこども』していないというか、店内も商品も遊び心がある。

 日本でも人気の”Bonton”(ボントン)もそうだ。ちょっとしたものがかわいい。トートバッグや缶バッジ、昔の文房具のレプリカなど、大人でも欲しくなるものが並んでいる。
 3区にある”Petit Pan”(プティ パン)も楽しくなる、そんなお店。ちょっとキッチュでカラフルな店内は一度訪れると、また行きたくなってしまう。布地もたくさんあり、もの作りが好きな人にも喜ばれるお店。ちょうど雑誌の取材で突撃訪問したとき、お店の人にあからさまにイヤな顔をされ、まぁ、アポを取っていなかったから仕方がないんだけど。。でも結局、「いいわよ、パパッと撮っちゃって」と撮らせてくれたいい人。今度、行ったらまた覗いてみよう。

2015/12/02


 急にふと、思い出した。。パリに暮らしている頃、Elianeの友人が髪の毛を切りに来てくれた。はじめはおしゃべりしながら楽しくしていたけれど、突然、ほんとに突然、彼女が泣き出した。。切っている途中だったから、ヘアスタイルが気に入らないとか、あれ、切り過ぎたとか? その理由を聞くと「ちょっと思い出しただけ。。」と言う。帰りは笑顔になっていたけれど、やっぱり気になる。すぐにElianeに電話を入れる。すると、彼女も気にしていたようでElianeに連絡したらしい。「彼女、どうしたの?」「何ってわけでもなく、でも髪をすっきり切ったら、いろいろ思い出したみたい」って。。ほんとの理由はわからずじまい。。

 フランス人って、案外涙もろく、悲しいときはもちろん、感激したときにもついポロってくる。そう、私たちが運動会で子どもが走ったり、合唱コンクールで感極まってグッとくるような感じをフランス人も感じるのだ。これじゃあ、あまりにもひどい言い方だけど。。友達と話をしていて、いつの間にかふたりして泣いていた、なんてこともしょっちゅう。。

 そして、久しぶりの再会で泣き、別れのときには号泣。。次に会うことを考えてたら、また泣けてきた。。

2015/12/01

12月


 早くも12月、師走だ。何だか師走と聞いただけで急に忙しない。日本の12月は仕事やら忘年会やら、家の大掃除にお正月準備とやっぱり忙しい。

 フランスでは年末の大掃除ってない。人によっては日頃の掃除もままならない感じだけど、でも日本のように湿度が高いわけでもないからか、水回りがめちゃくちゃ汚いってこともない。キッチンに換気扇もあるけれど、換気のできる窓もあるから汚れにくい気も。。ただ、油汚れはけっこうあって、でもあんまり気にしない。どちらかというとマメに掃除するでもなく、けっこう汚れてから掃除するのが普通だ。でも、それを年末にしようってことにはならない。
 フランス人にとって年末は楽しいヴァカンス。夏前にはヴァカンスの話、今頃の時期には冬のお休みの話でもちきりだ。フランスの友人からは「クリスマスを一緒に過ごそうよ〜」と再三誘いを受けるけれど、何だかやっぱり忙しなくて、それに冬休みは短いから息子は冬にはフランスを訪れたことがない。
 でも、日本で暮らすフランス人の友達とクリスマスパーティーを何度かやったことがある。お決まりのターキーにクリスマスケーキ、それに子どもにだけじゃなく、一人一人にプレゼントが用意されている。音楽をガンガンかけて、飲めや踊れや、まさしくどんちゃん騒ぎ。。フランス人とのパーティーは羽目がはずせて、元気になるから冬にフランスもいいなぁ。