2015/07/31

ニセブランド


 パリではメトロから地上に出ると、出口付近に人がたむろしていて、あまりの光景にぎょっとしてしまうことがある。別に危害を加えようとしているワケではないし、何か言っているけれど、何も私ひとりだけに言っているんじゃなく、気にしなくていいんだけど、目が合ってしまうと、何かやばっと思ってしまう。
 でもそこで声をかけてる人がみな怪しいワケではなく、ただのちょっとした勧誘だったり、タバコやニセブランドを売ってるだけだったり。。まぁ、怪しいと言えば怪しいけど。。この光景は私の中でパリを感じさせる、お気に入りのひとつ。何かおしゃれ感に包まれてない、普段のパリが感じられるから。。
 
 さて、このニセブランド、精巧に出来ているというより、どちらかと言うとニセものってわかる類のものばかりだ。財布やベルトが多く、誰が買うのか。。と思いきや、買う人がいるのだからびっくりだ。自分で使うのか、それともおみやげなのか。どちらにせよ、興味本位に立ち止まってはいけません。通り過ぎれば追いかけてはこないから。日本語をしゃべってきても無視しましょう。まぁ、イヤなら断ればいいだけだけどね。

2015/07/30

外出禁止令


 日本ってすごいなぁ、と思うことは多々あるけれど、つくづくすごいなって思うのは落とし物を届けてくれることだろうか。スリや置き引きが多発するパリ。もし現金が落ちていたら、いやー、仮に名前が書いてあったとしても、ほぼ間違いなく出てくることない。もし届けられていたりしたら、それはもう奇跡だ。でもフランス人も悪さする人ばっかりではないはず。でも運悪く、悪い人がそれを見つけてしまうんだろうな。。もちろん、日本でも運悪く出てこない場合だってある。

 パリに暮らしている頃、誰もが知っているブランドの社長夫人がお客さまだった。マダムは日本人だったのだけど、気さくで面倒見のよい人だった。生活ぶりや住んでいるところは私とは全く違っていたけれど、気取ったところもなく、ある意味普通の人だった。でも、やっぱり持っているものや身につけているものも違うし、佇まいが何か『お金持ってます』って感じだったのかもしれない。パリでは出かける度にスリに遭うし、旅行へ行くと荷物がなくなったり、置き引きにあったり。。挙げ句、日本でも電車でスリに遭うこと何度も。どこへ行ってもどこにいても、こんな感じだったらしい。こんなに安全な日本ですら、こんな目に遭うなら他の国に行けっこない。そんなマダム、パリではフランス人の旦那さんから一部の界隈以外は外出禁止令が出ていた。私だったらもちろんイヤだけど、こわいことが起こるのもイヤだし、マダムにとってはそれでよかったのかも。

2015/07/29

等間隔


 フランスの港にはいつもたくさんの船やヨットが停まっている。等間隔に並ぶ船は芸術的で見事だ。沖に出る姿はほとんど見たことがないのだけれど、囲まれている船はどうやってそこから出るのだろう、といつも不思議に思う。

 フランス人は無駄な空間が嫌いなのだろうか。船だけではなく、道に停められた縦列駐車を見ても一目瞭然だ。あまりにも有名な話だから説明するまでもないけれど、隙間のない一台分のスペースに前後の車を押しながら、ぶつけながら駐車する光景はあまりにも巧みな技ですごいの一言。
 暮らしていた頃、よく車に乗っていたけれど、一台分しかないスペースに駐車する勇気はなかったから、駐車できるところをぐるぐると探す羽目になった。正直、ちょっとやってみたかった気はするけれど。。いや、待てよ、あんな駐車の仕方、みんなレンタカーでもやっちゃうのかな。。あれ、そもそもぶつけたら弁償してくださいね、って言われたことあったっけ? 保険は入ってたかもしれないけど、事故以外はぶつけても大丈夫なんじゃないの、もしかして。。なーんてわけないか。いや、フランスならあり得るかも。うーん、でもやっぱりちょっと勇気がない。。

2015/07/28

お風呂時間


  ブルターニュ地方のPlougasnou(プルガノー)に行くと、いつも泊まるところがある。何度かブログにも書いているMarie-FranceのChambre d'hôte (シャンブル ドット)だ。雑誌のエディターをやっていたMarie-Franceのやっているここは、とにかくステキで居心地がよい。ほとんど友達のような付き合いだったから余計にそう感じていたのかもしれない。日本から行く人たちにもぜひ、おすすめしたいくらいだ。

 ある年、プルガノーを訪れることになり、当然のごとくMarie-Franceに電話を入れてみた。でも連日予約が入っており、部屋が取れなかった。そりゃ、そうだ。2部屋しかないうえにヴァカンス時期なのだ。ギリギリにしか予定を決めない私たち。。早めに予約すればよかった、と後悔しつつも、キャンセルが出ることを期待しつつ、宿を探した。すると近くに最近できたばかりのシャンブル ドットがあると言う。期待と不安を抱えながら訪れると。。こんな小さな村にやって来た謎の日本人を訝しげに見ているマダム。もちろん、やさしく話しかけてはくれるけれど、何となく感じるんだよなぁ。
 
 さて、その夜、友人宅でおおいに飲んで騒いで、ちょっと遅めにシャンブル ドットに着いた。次の日も早く動き出したいし、夜のうちにお風呂に入っておこうってことになった。フランスでのお風呂時間は気をつけなければいけないのはわかっている。でも、シャンブル ドットとはいえホテルだし、一応お客様だし。。でも、気にしながら静かに入ったのに翌朝マダムに笑顔でチクリと言われた。「朝、入ればよかったのに」と。。あ〜、Marie-Franceのとこに今すぐ泊まりたいなぁ。

2015/07/27

Roscoff


 ブルターニュ地方の ”Île de batz”(イル ド バ) へ行くためにはフェリーに乗るのだけど、私たちは”Roscoff”(ロスコフ)という小さな町の港から出発した。フランス語にはない、ちょっと変わった地名は岬を意味する”ros”(ロス)と”goff”という人名を合わせたBreton(ブルトン)語らしい。ここには船に乗るためだけに訪れたので、滞在時間はほんの少ししかなかったのだけど、ロスコフの町のシンボルは玉ねぎだってことを聞いた。ロスコフでは玉ねぎが作られ、昔々、玉ねぎ行商人のジョニーがここからブルターニュの他の町やイギリスに行商したことが由来になっているらしい。“La maison des Johnniies et de l'Oignon Rose de Roscoff"(ラ メゾン デ ジョニー エ ドゥ ロニオン ローズ ドゥ ロスコフ)『ジョニーとロスコフの玉ねぎの家』と呼ばれる博物館もあり、8月には『玉ねぎ祭り』が催されるそうだ。

 ということで、私たちが訪れたのも8月だったからか、町中玉ねぎだらけ。まさか、ここまで玉ねぎが有名だってことは知らなかったので、あらま、そんなに好きなのね、ぐらいにしか思わなかったけれど、本気の町のシンボルだったのだ。そしてまた、これがかわいくって様になっているんだから憎らしい。今度はフェリーに乗るためでなく、このお祭りも見てみたい。謎の『玉ねぎ博物館』も。。興味あるなぁ。

2015/07/26

長いアプローチ


 いつも思う。四六時中、人で賑わっている観光地にはそこに普通に暮らす人々もいて、イヤだなぁと思うことがたくさんあるんじゃないかなと。。でもそれを楽しめたらそれはそれで何か楽しいのかな。

 昨日も書いた”Île de batz”(イル ド バ)は小さな島だから、住宅のある細い路地裏でも観光客が歩いているのが普通だ。夏の間だけとはいえ、住人はちょっとうんざりだろうなと思う。でもそれを逆に楽しめたら、それはそれで楽しいだろうな。ある家では庭いっぱいに人形が飾ってあって、そんな趣味は全くないんだけど、あらま、すごいなと思ってしまう。たぶん、観光している人に楽しんでもらうためなのだろう。

 この島には何カ所か、海水浴の出来る浜辺があって、私たちが行った浜辺までは木のアプローチが続いていたけれど、きっとそれも自然にできたものではなくて、誰かの仕掛けだと思う。長いそのアプローチを歩いていると海に向かって行くワクワクする気持ちでテンションが上がる。こちら側と同じ空間ではなく、そこを抜けたら違った世界に行くような、そんな感覚だ。
 フランス人はそんな演出がとても上手だと思う。何もお金をかけるだけが楽しさを作り出すんじゃないな、とそう思うことがよくある。ステキなことだ。

2015/07/25

Île de batz


 私は瀬戸内の海に近い所で育った。海というよりも山側だけどほんのちょっと行けば、そこはもう海。暮らしている頃はあまり思ったことがなかったけれど何ともまぁ、贅沢な大自然のなかで生活してたんだなぁと思う。でもここだけの話、大人になるまで瀬戸内海に浮かぶ島に行ったことがなかった。今でこそ、橋が次々とつながり悠々と島まで行けるようになったけれど、あの頃は本数の少ないフェリーで行くしかなく、さして用事のない島に行く人はあまりいなかった。島は友達が住むところって感じだったかなぁ。

 フランスにもたくさんの島があり、夏にはヴァカンスを楽しむ人で溢れている。私たちが遊びに行った”Île de batz”(イル ド バ)はブルターニュ地方の島。海水浴に訪れる人々が多くやって来る。ハイキングコースがあったり、レンタサイクルがあったり、家族でも友達同士でも楽しめる島だ。
 ここの海の水はきれいで遠浅になっている。そんな海の様子が瀬戸内海に重なって見えた。何だか懐かしいような、そんな感じだ。海も暮らす人々も島全体が夏を楽しんでいる、そんな島だった。だからきっとフランス人の友達もヴァカンスで、島を訪れたがるんだろうな。

2015/07/24

500回目のブログ


 気付いたら今日でブログを書き始めてから500回目。そう、500日経ったということだ。何かあっという間だったな。お気づきの方もいると思うけど、ブログを書いているこの間、私はフランスに行っていない。。な、な、なんという悲劇。このブログを始めたとき、1年毎日書こうと決めた。しばらくフランスに行けてないけれど、きっと1年経つまでには行くだろうと。。でも1年経っても行けず、じゃあ、もっと書いてやろうじゃない、と思ってたのに。。あ〜、何てこと。未だに行けてない。

 フランスへどうせ行くなら短い滞在はイヤだとつい思ってしまう。2年目、3年目くらいからは遊び呆けてばかりではダメだな、と思い始め、フランス滞在中、雑誌取材や紀行文の仕事をするようになり、フランスの本も出した。毎年、行っていたフランスの滞在は1ヶ月。よく考えると仕事は口実で贅沢な滞在だったなぁ。

 息子が大きくなるにつれ、なかなか時間が合わず、ひとりで1ヶ月ってワケにもいかないから、結局行けてない。しかーし、もう少ししたら、きっと行けるはず。というワケでもうちょっと、ブログ続けま〜す! フランスよ、待っててね〜!










2015/07/23

1週間


 先日、ある展示会におじゃましてゲームをしたらビールが当たった。まさかの1ダース。1ダースって言葉がなんか新鮮だ。我が家では飲みものとかを箱買いしていないから、あまり使わない言葉。ほかは鉛筆1ダースとか。。あと何だろう。そもそもキリのいい10個とかのものが増えてきて、あまり使われていないのかも。

  フランスではダースのことを
”douzaine”(ドゥゼーヌ)と言う。12を”douze”(ドゥ−ズ)と言うので何か覚えやすい。
  ダースは12で日本語もフランス語も同じだけど、ちょっと違うものもある。
  日本語では1週間は7日間。でもフランス語ではune semaine(ユヌ スメ–ヌ)『1週間』は8日間のこと。つまり、今日を含めて1週間なのだ。。ということは2週間は15日間。まっ、慣れるまでは面倒だけど、木曜日から1週間後だったら木曜日。案外こっちのほうがわかりやすい?

2015/07/22

Hamac


 フランス人は何もしない時間を過ごすことが好きだ。まあ、要するにボーッとするのが好きなのである。
 それに最適なもの、そのひとつはHamac(アマック)『ハンモック』。少しスペースのある家には必ずと言っていいほどハンモックがぶら下がっている。庭だったり、家の中だったり様々だけど、日本と違って壁が頑丈だから、部屋にも取り付けやすいのだ。

 小さい頃、息子がこれを欲しがった。ブラブラと気持ちよく揺れて楽しいハンモックは子供ならずとも憧れる。ただ古い家に住む我が家にはちょっと難しい。でも、もっと欲しかったものはフランス人の友人の家で見た、赤ちゃん用のブランコ。仕組みはハンモックと同じで天井から吊り下がっている。歩くか歩かないくらいの赤ちゃんが抱っこヒモの脚を通す、あの要領で座ると、ちょっと伸びるゴムみたいなのが歩く練習にもなりつつ、ブランコみたいにもなる。足がつく加減も調節できるし、赤ちゃんも楽しそうだ。用事をするときに近くで見られて、手もかからない、といいことづくし。
 結局、買わずじまいだったけれど、あれ、たぶん大人でも楽しめる。もしあったらの話だけど。。

2015/07/21

またまた日焼け


 今朝も起きたらすごい日射し。梅雨も明け、すっかり夏だ。今朝、ウチからも近く、池で魚釣りをする人、子どもたち、近所のお年寄り、外国人の親子、いろんな人がのんびりと過ごせる公園に立ち寄った。
門を抜けて入り口すぐのベンチは池も見渡せて絶好の場所。そこに恰幅のよいおじさんがなんと下着一枚で座って本を読んでいる。ギョッとしたけれど変な人ではなさそうだ。いや、そんな公共の場所で脱いでいるのだから十分変だけど。。焼きに来ているのは明らかでベンチにゆったり腰掛け、自分の家のようにくつろいでいる。しかも、もうすでにこんがりといい感じに焼けていて、何度か来ているようなくつろぎ振りなのだ。昨日のブログに何も着ないで焼けば一番いい、なんて書いたらほぼその通りの人がいてちょっとびっくりだ。いや〜、公園の芝生で寝っ転がっているならまだわかるけど。。

 フランス人も隙あらばどこでも焼きたいと思っている。公園でも家の庭でもどこでも。。老若問わず、もちろんビキニで寝っ転がって焼いている。そう、そう、何も考えず焼いているフランス人だけど、頭皮や髪が焼けにくいようにするためなのか、布を巻いたり被ったりしているなぁ。意図しているのかしていないのかは定かではないけれど。。
 あぁ、そういえばフランスの海で焼いた日はいつも以上にシャンプーが泡立たず、髪もギシギシにきしみ、人形の髪みたいになってしまうから要注意。だからフランス人も頭に布を巻いているのかも。それでなくても髪を洗いたくないフランス人なのだから、そこは細心の配慮ね、きっと。。

2015/07/20

サンダル焼け


 フランスのどの写真を見ても息子だけでなく、私もいつも真っ黒だ。夏、1ヶ月もほっつき歩いているわけだから当然といえば当然だけど。。何も塗らず、何もかぶらず、何にも気にしないのはフランス人も同じだ。日焼け好きなフランス人、今、この暑い中、Caféや浜辺で焼いているんだろうな。

 フランスの南西、スペインにほど近いIsabelleの実家のプールでは、みんなトップレスで泳いでいて、かなりのカルチャーショックを受けた。その数年前、スペインのバルセロナの海岸でトップレスビーチに足を踏み入れていたにも関わらず、その衝撃はびっくりした〜ぐらいではすまなかった。でもそのほうが楽だし、跡もつかず、きれいに焼けていいんだろうなと思う。そう考えるといっそのこと着ていなければきれいに焼けるのに、と思ってしまう。5月に観に行った息子の体育祭で足の甲にくっきりとサンダルの日焼け跡がついてしまった私。あ〜、今年もまんまとやらかしてしまった。。

 以前にも書いた”Camping naturiste”(キャンピン ナテュリスト)ではみんな裸で暮らしているのだから、きれいに焼けるんだろうなぁ。あれ、靴もはいてないのかな。靴は履いていて、私みたいにサンダル焼だけしてたら。。笑える。。

 

2015/07/19

庭のテーブルと椅子


 東京って外でのんびり過ごせるときが少ないなぁ。そんなのわかっていることだけど暑くなってきたから余計に思う。春の気持ちのよい季節はあっという間に雨の季節に変わる。夏になり、思う存分日射しを満喫することができ、でも日陰に入ったら風が気持ちよくてのんびりできるような、そんな季節が短すぎる。外でごはんを食べたり、本を読みたい。そもそもそんなことのできる庭がないんだから無理な話なんだけど。。

 フランス人は外で食べるごはんがほんとに好きだ。Caféにはテラス席が必ずと言っていいほどある。増えてきたとはいえ、なぜ、日本にはテラス席が少ないんだろう。フランス人は家でも外でも、少々暑くても、少々寒くても可能であれば外で食べることを選ぶ。日本では庭があってもテーブルと椅子は置かれてなかったり、人に見られるのがイヤだったり、とか。。
 でも、日本の避暑地や別荘地にはパラソルにテーブル、椅子が置かれていて何となくフランスっぽくていいなと思う。要するに日常の中にそんな余裕はないんだなぁ。あ〜、普段の生活の中からそんな余裕と空間があるとよいなぁ。庭のテーブルと椅子がほしい。。

 

2015/07/18

夜遊び


 フランス人の友人が東京に来たとき、行きたいところって人それぞれ違ったりはするけれど、よく行きたいって言うのは渋谷、新宿、六本木。初めて来る友人はガイドブックを頼りに来るわけだから、仕方ないといえば仕方ない。渋谷、新宿はいいとしても六本木に行って何するの? って思うけど、そういえばあんな風な夜遊びのできるところはパリでもそうそうないから、みんな興味津々だ。

 数年前、AliceとEveがふたりでやって来たときも夜遊びにハマって大変だった。忙しくて一緒に行ってあげることができないでいると、ブラジル人の知り合いに六本木に連れて行ってもらい、楽しくなってしまった。毎晩のように出かけては帰宅時間が少しずつ遅くなり、最後には明け方近くに戻ってくるようになった。楽しいのはわかるけど言葉もわからない、うら若き乙女が。。とにかく、毎日のように説教じみたことばっかり言ってたなぁ。そして、六本木にもある”ドンキホーテ”に行くのも楽しかったようだ。Eveはノルマンディー育ちで海外も初めてだったから、夜に開いているお店がこんなにあるのを初めて見た〜、と興奮気味に言ってたな。ふたりが今来たならば、もういいお年頃だし、いっぱい連れて行ってあげられるのにな〜。

2015/07/17

お洒落Café


 パリに暮らしている頃、贅沢はほとんどしていなかったけれど、旅行とCaféにはけっこう気兼ねなく行っていた。と言っても値段が全然ちがうものだけど、Café代だってチリも積もれば山となる、だ。

 出かければ必ずと言っていいほどCaféに立ち寄り、友達と待ち合わせるときにもCaféだし、一日一回は行っていたんじゃないかと思うくらいの頻度だった。でも何かこぎれいで活気のあるCaféは敬遠していた。そういうところは大抵、一杯のコーヒーも値段がするのだ。ガイドブックに載っているようなCaféには間違っても入れない。エスプレッソならほとんど値段も変わらないだろうけど、カフェオレなんか頼もうものなら。。
 
 私が暮らしていた”Rue keller”の近くにもガイドブックに載るような有名なCaféがあった。セドリック クラピッシュ監督の映画の舞台になった”Pause Café”(ポウズ カフェ)とか、とにかくお洒落なCaféが点在するのだけど、あまり入らなかった。近所の人が集うような、そんなCaféにばかり入っていた。でも、そんなほうが落ち着くし、まっ、間違いなく味は変わらず値段は安い、って感じかなぁ。あっ、でも食事は値段ってあるかもね。

2015/07/16

一家総出


 買いものに出かけるとき、我が家は総出で出かけることが多い。なかなか3人でスケジュールを合わせられず、頻度は減ってきたけれど。。これが習慣になっているから、ひとりで買い物が出来ないというか、面倒になっているかもしれない。これ、という好みがはっきりしているから、人にどうこう言われてほしいものが変わるわけでもないんだけど。。

 フランスの家族も一家総出で買い物に出かける。日本のように四六時中、店が開いているわけではないので、行く日が限られてそうなってしまうのかもしれない。特に子どもたちはその買い物を心待ちにしている。郊外に住んでいる友達んちの子どもたちは「パリへ行こう〜、パリへ行こう〜」と騒ぐ。普段、贅沢に暮らしているわけではなく、子どもたちは頻繁に服を買ったりしない。だからこんな日はあれもこれも一気に買ってしまいたい勢いだ。「Midori、どれがいい?」「これ、似合いそう。この色がいいんじゃない?」そう言うと、みんな素直にそれを試着し、それを買う。迷うのが面倒なのだ。それにまわりの人に似合うよ、と言われたら、それはもう間違いないのだ。だから服など、身につけるものをプレゼントすると大抵喜んでくれるし、ちゃんと身につけてくれる。”Ça te va très bien.”(サ トゥ ヴァ トレ ビアン)『すごい似合ってるよ』なんて言ってあげたら頬を染めてめちゃくちゃ喜ぶ。こんなフランス人もけっこうかわいいな、と思う。

2015/07/15

口癖


 暑い、暑すぎる。急に暑くなったから身体がついていかない。フランスでも暑さが続いているけど。。あ〜だめだ、ここのところ「暑い、暑い」が口癖になっている。こんな調子じゃ、本格的な夏に入ったらどうするのだろう。決して夏が嫌いなわけじゃない。なのについ、出てしまう。。

 誰もが口癖って、あると思う。そういえば、フランス人は "Je suis fatigué” (ジュ スイ ファティゲ)『疲れた〜』と口にする人が多い。ほんとに疲れてるときもあれば、何となく一息つくときに口にしてしまうときもあるのだ。
 でも日本人的には「疲れた?」って聞かれて「うん、疲れた」と言いづらいところもあったりして。。聞かれる前に「あ〜、疲れた〜」と言ったもん勝ちだ。ま、勝ち負けじゃないけど。。とにかく、フランス人はよく「疲れた〜」と言っている。あっ、そう考えると日本人は「ねむい〜」と口にする人が多いかも。。きっと疲れているから挙げ句眠たくなっているんじゃないかな、と。。

 口癖にもこうやって国民性が出るのだ、きっと。フランス人も日本人もみんながみんな、これに当てはまるわけじゃない。。あしからず。
 

2015/07/14

7月14日


 さて、今頃フランスでは”Fête nationale française”(フェット ナショナル フランセーズ)『フランス革命記念日』のパレードや花火があちらこちらで行われているのだろう。一般的な呼び名は”Quatorze Juillet"(キャトーズ ジュイエ)。今日7月14日をフランス語で表すと、こうだ。フランス人はみな、こう呼ぶ。

 パリに暮らしていた頃、フランス革命の発端となった監獄襲撃事件のあったバスティーユ広場からほど近いところに住んでいた。今日はこの広場に人々がどんどん集まってくる。あの頃は近くにいたのに人が多すぎて出るに出れず、テレビでその模様を見ることがほとんどだった。

 初めてパリへ訪れたときのバスティーユの印象はあまりよくなかった。ガイドブックを頼りにメトロに乗ってバスティーユまでやって来た。出口がたくさんあって、どこに出るのかわからなかったけれど、とにかく地上に出てみると大きな広場から見えたのはキラキラとした”L'Opéra de la Bastille”『オペラ バスティーユ』。その大きな劇場とフランス革命記念の塔の周りをグルグルと走る車、車、車。一気に目が回って、ここだけの話、すぐに引き返してしまったのだ。あ〜、あんまり好きじゃないな、と思っていたのに、結局はずっと住んでいた。今でもメトロの駅構内は好きじゃないけど一番線のホームはほんの少し地上に出ていて何だか好きだ。

2015/07/13

1泊2日


 フランスではとっくに夏休みだ。フランス人の友達はもうヴァカンスに出かけたり、行く準備を始めている。昨日も友達から夏の予定メールが来ていた。ブルターニュで過ごした後、アフリカへ行くらしい。一緒に行こう、と言われてもそう簡単にはいかない。友人が今月末から旅に出ると聞いて、ますますどこかへ行きたくなった。忙しい息子に「夏、どこか行かない?」と言ってみると二つ返事で「行く、行く」と返ってきた。長期で行くことはできないけれど、気分転換はしたいらしい。今日の食事中は夏休みどこへ行こうか、ともっぱら行き先についての話だった。結局、どこへ行くかは決まっていないけれど、俄然楽しくなってきた。

 さて、パリから1泊2日でどこかに行こうよってなると、どこへ行くかなって妄想してみる。有名どころ、モンサンミッシェルや古城ツアーがよくガイドブックに載っているけれど、安いチケットを買ってユーロスターで Londonへけっこう行ってる友達もいて、それはそれで案外楽しそう。バタバタ行くのもなかなかスリルがあっていいかも。東京からだったらどこだろう。

2015/07/12

ポスター貼り


 フランスの公園や博物館など公共の場所の庭園は、ハッとするほど綺麗に整えられているところが多い。高さがきちんと揃えられていたり、何かをかたどっていたり、まるで芸術だ。きっとかなりの修行や鍛錬を積まなければ、きっとこんな風にはできないだろうなと、つくづく思うほどだ。

 ほかにも素晴らしい職人技だなといつも思うのは、メトロの広告ポスターを貼っている人たちの技だ。思っているよりもかなり大きなスペースに、大きなポスターを貼っていくのはかなりの重労働だろう。でも難なく軽々と作業していく。メトロの曲線を描いた壁に脚立に上ったり下りたりしながら、貼り付けていくのだ。歪まないように真っすぐ、そして空気が入り込まないようにするのは大変だと思う。貼っては剥がし、もう一度貼っては直しを繰り返して、何枚かに区切られたポスターを組み合わせていく。ほんとにほんとに、この手業が芸術的でうっとりするほどだ。この現場に遭遇できたなら、じっと見ずにはいられない。

2015/07/11

コーンフレーク


 毎朝、優雅な朝食が食べたいなぁと思うけど、バタバタと忙しいし、あまり食欲もわかないし、でもフランスみたいな朝食ならいくらでも食べれるのに〜、と思いを馳せてみる。そもそもパンのおいしさが違うし、フランスでは友達が用意してくれているという幸せな感じはやっぱり普段の生活では味わえないのだ。

 フランスの朝食ではパンもたくさん食べるから、コーヒーや紅茶もたくさん飲めてしまう。フランス人は朝、コーヒーを飲む人が多い。コーヒーメーカーで作る人もいればプレスで入れる人もいる。最近ではフィルター式も流行っていて家でも楽しむ人が増えているらしい。
 そして若者はパンとコーヒーよりもコーンフレークを好む。牛乳をかければ食べやすいうえに飲みものも同時に取れるし、何より簡単でいい。だからフランスのスーパーにはいろんな種類のコーンフレークが並んでいる。そういえば日本で見かけるよりもたくさんあっておいしそうに見える。友達の家のキッチンには箱の中に少し食べ残したままのコーンフレークの箱がたくさん並んでいた。食べ終える前に次々と買ってくるのだろう。もし朝、コーンフレークがないと大騒ぎだ。パンを焼くヒマなんてない。最近はグラノーラなんていうお菓子みたいにおいしいものも出ていて、スーパーで選ぶのも一苦労だ。私と息子はコーンフレークもグラノーラも牛乳なしで食べるのが好みだ。

2015/07/10

模様替え


 今日はちょっと模様替えをしてみた。私の趣味、とでも言おうか、定期的にやらないとしっくりこない。一種のストレス解消法かもしれない。とにかく、気分が変わってすっきりする。ただ、あるものはほとんど変わらず、置き場所にも限りがあるわけで、あ〜、部屋ごと取り替えたい〜と思ってしまうのは私だけではないはず。

 だからだろうか。掃除が好きでないフランス人がちょっと模様替えを始めると、壁から天井から色を替えたり、何か貼っちゃったり。。ま、要するに模様替えというより、改装になっちゃうんだけど。。壁や天井が汚れてくると塗りたくなってくるらしい。ペンキを塗ってしまえば、そりゃ汚れも隠れるし、気分も一心できて一石二鳥だ。私もフランスに暮らしている頃はなんでもかんでも、ペンキで塗りまくっていた。壁も天井もテーブルや棚板もお手のものだった。日本に戻ってからも引っ越すたびに壁や家具を塗っていたのに、ここのところペンキ、塗っていないなぁ。物置には使い切れなかったペンキが残っている。久しぶりに何か塗ってみる?

2015/07/09

Bon anniversaire Isabelle!


 友達のIsabelleはここしばらく、アイルランドに暮らしている。イギリス人のMarkと一緒に暮らし始めてからは、様々な国を転々としている。そんなIsabelleたちは短い間だけどイギリスにも暮らしていた。
 私と息子はフランスへ行くついでに、Isabelleたちの住むイギリス南部の町を訪れた。まだその頃、息子は4歳で移動するのも大変な歳頃。大きなスーツケースと息子の手を引いてイギリスを縦断するのはなかなか大変だ。そんな話をするとすぐにヒースロー空港まで車で迎えに行ってあげるよ、とメールをくれた。よく考えると、けっこうな距離をけっこうな時間をかけて迎えにきてくれたなぁ。ありがたい話だ。
 
 Isabelleとは同い年で何となく仲良くなっていったのだけど、私たちの性格は全然違っていて、初めて会ったとき共通項はあまりなかった。日本人同士ならば、たぶんこんなに仲良くはなってないだろうなとも思う。私たちの共通項はフランスってことだけだったかもしれない。Isabelleは日本も嫌いじゃないけれど、さほど興味があるわけでもなく、日本語も一時期、勉強していたけれど途中でどうでもよくなっていたし。。あ〜、あとはCaféでくだらない話をして何時間も過ごすのが好きだった。
  
 今日はIsabelleの誕生日。私よりも半年ほど早く歳をとる。次はアイルランドで会いたいなぁ。アイルランドでお茶したい。

2015/07/08

腰パン


 さて、今日は息子が友人たちとごはんを食べに行っている。何かの打ち上げ以外で夜に食べに行くことは稀だけど、たまには気晴らしにいいかなと思う。

 そういえば、今の息子とちょうど歳の頃が同じだったXavierもこんなふうにお出かけしていた。その頃の家は郊外で、夜になるとどこも開いていない。ということで、時々週末になるとパリへ出かけていた。週末は開いているところも少ないし、学生だからお金だってあまり持っていない。Caféでお茶でもしていたのだろうか。。行き先は、かのシャンゼリゼ。仲間と出かけては遅くに帰ってきてたなぁ。
 パリの観光地は夜遅くまで賑わっていて心配はないけれど、人が少なくなった電車はちょっとこわいし、郊外は場所によっては危ない地域もある。電車を降りて駅まで10分ほど。商店街を一本歩いてくるだけだけど、もちろん開いている店はない。ついこの間まで子どもで親同伴でないと出かけてはいけなかったのに、もうひとりで帰ってくるようになったんだな、と感慨深かったのを今でも昨日のことのように思い出す。

 今、その年齢になった息子。小さい頃から大好きでたぶん憧れの眼差しで見ていたXavier。きっと意識していないけれど残像が残っているだろうな、と思う。外出を真似てるわけじゃないだろうけど。。あっ、あの頃のXavierも今の息子と同じく腰パンだったな。

2015/07/07

風鈴


 つい最近、フランスは暑い日が続いていたらしい。友達から暑すぎる〜とメールが来ていた。しかし、そんなに暑いとは。。

 数年に一度、猛暑がやって来るフランス。何がつらいってエアコンがないことだ。外で暑い分には耐えられても、家の中で暑いのは耐えられない。。陰に入れば涼しくなるとはいえ、35℃以上の日はやっぱりどうしたって暑い。
 日本では暑さをしのぐためのいろんな涼感グッズが出ているし、様々な工夫をする。例えば、日傘をさしたり帽子をかぶったり、寝るときにはサラッとしたマットとか保冷剤を頭や首もとに置いたり。。涼感グッズは試したことがないけれど、たぶんフランス人にプレゼントしたら喜ぶと思う。音がかすかに鳴るようなものが好きだし、涼しい気分になるような風鈴はフランス人へのプレゼントに最適だ。そして、割れそうなガラスでできたものを案外好む。日本にやって来たフランス人の友達がおみやげに選ぼうとするもののひとつだ。悩んで悩んで、結局やめてしまう人が多いから、割れないように注意して持って行ってあげると、きっと喜ばれる。

2015/07/06

異空間


 どうしてだろう、といつも思う。フランス人の暮らす部屋は日本であってもどこであっても、フランスっぽい。日本で暮らすフランス人の友達んちはごくごく一般的なアパートだけれど、パッと入った瞬間に何かが違うことに気づく。家具の大半は日本製、日本で買った食器や鍋が並んでいても何だかフランスっぽい。何でだろう、っていつも思うけれど、きっと、ものの置き方や選ぶ家具が違うんだと思う。

 友達のDanielleが暮らしていたアパートもそうだった。1Kの決して広くはないアパートだったけれど、中はパリのアパートみたいだった。長く暮らす間にどんどん増えていった日本で買ったものの中にはちょっと変わった使い方のものもあったりして。。昔使われていた下駄箱は靴箱として使われておらず、部屋の片隅で食器棚として使われていたり、古い和風のつい立ての前には、およそ100年前のフランスのデコラティブなひとりがけ用のソファーが無造作に置かれていたり。。
 あ〜、そうか、今わかった。フランスっぽいってわけじゃなく、日本人がやりっこないことをやるから異空間になるんだな。なるほど〜。

 

2015/07/05

ギリシャ神話


 私たちがよく知っているフランスにまつわるものは、その地名が付けられていることが多い。例えば ”Camembert”(カマンベール)はパリからほど近い村でカマンベールチーズの発祥の地だ。ワインの名前も地方名からきていることがほとんどだし、そう言い始めると限りなくあるけれど、何か覚えやすくっていいなと思ったりして。

 フランスは駅名や通り、建造物の名前も歴史的に有名な人の名前だったりすることは、以前も書いた。“La tour Eiffel”『エッフェル塔』は作った会社の名前だ。
 それとはちょっと異なり、ギリシャ神話から来ている名も多い。”Montparnasse”(モンパルナス)は文芸の女神たちが住んでいたパルナッソス山からだし、”L'avenue des Champs-Élysées”『シャンゼリゼ通り』の”Élysées”(エリゼ)は死後に住む『極楽浄土』を意味しているらしい。フランスとギリシャ神話は密接にかかわり合っている。フランス語だけではないけれど、曜日と七つの天体の名はギリシャ神話からだし、紐解いていくと、何ともまぁ、神秘的である。

 

2015/07/04

Volvic


 ここ数年、炭酸ブームだ。飲むのはもちろん、肌や髪、頭皮にも使える優れものだ。フランスではずいぶん昔から炭酸水は飲まれていたし、日常のものだった。食事へ行くとよく頼むし、ミネラルウォーターほどではないけれど家にも常備してある。初めて飲んだときはちょっと驚いた。炭酸といえば甘い、という概念が覆されたわけで衝撃だったのだ。

 日本人にとってフランスの炭酸水といえば ”Perrier”(ペリエ)だろうか。フランスでは”Badoit”(バドワ)もよく飲まれている。友達の家ではバドワやその地方、地方で有名なメーカーのものもよく飲まれていた。日本でこんなに流行る前は、なかなか手に入りにくかったのでフランスでよく飲んでたなぁ。
 その頃、やっぱり日本にあまりなくて、フランスでよく飲んでいたのが”Volvic”(ボルヴィック)のフレーバーウオーター。フランスのミネラルウォーターではめずらしい軟水で、飲みやすく、そのうえ甘さが口に残らない、ちょっとだけ味のついた水。日本にもその頃、そんな水があったような気がするけれど、ボルヴィックのように種類がなかったから、スーパーへ行くと楽しくなった。今でもボルヴィックを見るとワクワクする。

2015/07/03

遅刻


 今日は雨が降った。どしゃぶりの雨だ。そのうえ、電車が止まったらしい。息子が登校する時間帯に。。しかも期末テストだったからちょっと焦ったけれど何とか間に合ったらしい。日本では学校でも仕事でも遅刻はしてはいけないし、よくないことだ、当然だけど。。

 何度も言っているけれど、フランス人はとにかく時間にルーズだ。待ち合わせの時間にはやって来ないし、家に招待すると必ず遅れてくる。まっ、これは家に招待された際のマナーとも言えるけれど、でも時間通りに来ないと段取りが〜、と思うこともたまにある。「明日、電話するね」と言っていたにもかかわらず、掛かってこなかったり、忘れているのか、気分じゃなかったのか。。ま、でもそれでも別にイヤな気分にならないのは、相手がフランス人だからだろうか。ま、こんなことも毎回ではもちろんないし、きっちりしている時もあるのだ。でも、今日みたいに電車が止まってしまったら、フランス人の大半は仕方ないでしょ、と言って帰ってしまいそうだ。みんながみんなじゃないけどね。

2015/07/02

寿司


 フランス人は絶対的に肉食だ。ふだんの食事は圧倒的に肉が多い。だからといって魚が売っていないわけではないけれど、肉屋さんのほうがやっぱり目に付く。

 地方へ行くと、海沿いの町やフェリー乗り場の近くに、朝市のような魚や貝の売り場が設けられていることがある。海が近いから採れたての新鮮な魚介だ。パリは近くに海があるわけではないから採れたて、というわけにはいかない。だから魚の切り身を買って来て蒸したり焼いたりすることが多いけれど、地方では生で食することも。でも、にぎり寿司がこんなに流行っていても、家での食事では魚より貝類を生で食べることが多い。牡蠣はもちろん、ホタテなんかも生で食べたりする。それでも人によっては、牡蠣以外は魚介類を生で食べるのはこわいと言う人もまだまだいるみたいだ。でも昔よりはずいぶん、生で何でも食べるようになったなと思う。

 フランス人の友達が日本食の料理本を買っていた。「ほら見て、日本食って芸術的よね〜」と見せてくれた本の中のにぎり寿司や巻き寿司には、日本とは違った食材が使われていたりして。。わざわざ肉を巻かなくても。。


2015/07/01

ノーメイク


 フランスにはたくさんの化粧品ブランドがある。百貨店の1階に並ぶような高級ブランドから、Pharmacie(ファーマシー)『薬局』で買えるような手頃なものまで多種多様だ。

 ところでこんなに化粧品に溢れているフランスだけど、一体誰が使っているのだろう。少なくとも私のまわりの友達で高級ブランドを使っている人はいないし、メイク自体ほとんどしていない。もともと肌や髪の色素が薄いからか、少々眉毛がなくても変じゃないし、睫毛も長くクルンと上がっているので、メイクをしてもしなくてもあまり変わらないのだ。メイクと言えるものは時々つけるリップくらいだろうか。だから、誰があんなにたくさんある化粧品を買っているのかと、いつも思ってしまう。
 薬局で買える手頃な値段の化粧品も使い心地もよく、効果に表れるものがけっこうあって、そちらの化粧品を使っている友達も多い。フランスで買えば日本で売られているものの1/3の値段で買えてしまうから、私も必ず買って帰る。そんなに安いのにパリに暮らしていた頃は化粧をしたことがなかったから、それすらも不要だった。。
 
 フランスに暮らすと、ほとんどの人がそうなっていく。フランスに暮らしている人と旅行者の区別はここですぐわかる、メイクをしているか、していないかで。。