2015/02/28

動物柄


 日本人はあまり値切ったりしない。フランス人は蚤の市で値切ってみるのが当たり前のところがある。それもさりげなく値切るのだ。これとこれとでいくらでいいわよね、って感じで、あくまでもさりげなく、だ。あぁ、そうか関西人はよく値切るんだった。こんなにせまい日本の中でも、こうも違うなんて。。それにフランスでは関西人と同じく、マクドナルドのことを『マクド』と言う。蚤の市で値切っているフランス人とマックにいるフランス人。つい、関西人を思い出す。

 ところで、よく言われるこんなこと。東北弁はフランス語に似ている? そう、少しボソボソっと口ごもった感じでしゃべるのが、ほんとに似ているのだ。ということは、東北人のほうがフランス語の上達は早いのかもしれない。
 フランスに滞在している日本人はどこの出身者が多いのだろう。私の周りには、東京出身の友達はほとんどいなかった。東京はこんなに人口が多いけれど、地方出身の人の集まりなのだ。だから当然と言えば当然だ。パリだって、そう。パリ出身の人ってごくわずかだ。
 あっ、フランス人と関西人の似ているところ、もうひとつ。どちらも動物柄の服が好きだよなぁ。
 

2015/02/27

生モノ


 さて、次にフランスに行く時には、どこに行って何を食べようかなぁ。それから、何をみんなに持って行こうかなぁ。なかなかフランスに行けないこんな時には、いろいろ妄想してしまう。春になると、パリを特集した雑誌がよく出るからだ〜。買ったはいいけど、まだゆっくり見れていない。

 フランスへ行く時、毎回悩むのがみんなに持って行くおみやげ。なぜなら、フランス人はリアクションが正直だからだ。いや、これは別に嫌みではない。興味のないものには興味がないのだ。
 友達の家に着くとすぐに、スーツケースを開いておみやげを出したい私。でも友達 Marieは「荷物なんかいいから、座って」と開けさせてくれない。やっと渡せたと思っても、なかなか包みを開けてくれない。日本食やお菓子類なんて見ないで即、棚の中に入れてしまう。わかっている、楽しみにしていてくれたのは、おみやげじゃなくて私たちだってことを。。でもせめて、見てから棚に入れてよ〜と、ちょっと思う。
 冷蔵庫の中にはいつ誰にもらったのか、かなり前に賞味期限が切れた日本のおみやげが入ったままで。。それも生モノだったりして。。「あれ、最近、日本から誰か来た?」「ううん、誰も」そんな時はこっそり捨ててしまう。あることすら覚えてないことがほとんどだ。そんなちょっとズボラなフランス人がちょっと愛おしい。

2015/02/26

ビキニ


 ところ変われば、こうも違うのかと思わされることも、フランスではほんとに多い。手を振った時に脇から出ているものにギョッとしたり、でもそんなものだと思えば、別に気にすることでもない。
 実はフランス人女子、下着をつけたがらない。ノースリーブの横から紐が出てくるのがイヤなのか、締め付けられる感じが窮屈なのか、それは謎だけど。。圧迫するのが身体に悪いと思っている人もいるみたいだ。とにかく、ちょっとちょっと〜、と思うようなことも、フランス人にかかればあっという間に当たり前のことになってしまう。つけていない人もいれば、白いTシャツの下にあり得ない色のものをつけている人もいるし。。

 いや、実は私たち日本人、普通って思っていることのほうが変だったりすることもあるのかもな、とも思う。フランスにいるとそんな風に思うのだ。フランスでは80歳を越えるようなおばあちゃんも颯爽とビキニを着ている。その姿はほんとにかっこいい。日本だとまず、周りの目が冷たいんだよなぁ。別に本人がよければいいじゃない、って真剣に思う。でもフランス人はそんな発想すらないのだ。自由のそのまた上を行く、ほんとに自由なフランス人を尊敬しちゃうな。ちなみに私もパリに暮らしている頃、窮屈さを嫌い、下着をつけていなかった。でも薄着の時はつけてたなぁ。やっぱり、フランス人にはなれないな。。

2015/02/25

胸毛


 フランス人男子、自分のどこが好きで、どこを誇示したいのか。。まっ、人それぞれではあるけれど、よく自慢されるのは胸毛。フランス人はシャツのボタンをひとつ、ふたつどころでなく、3つほどおもむろに開け、自慢?の胸毛を見せている。「奥さんは僕の胸毛が好きで結婚したようなもんなんだよ」と年上の日本人女性と結婚した友達は豪語していた。んなわけないでしょと思いつつ、その自信満々さに笑えてしまう。
 
 日本人にはあまり馴染みのない胸毛。私はフランス人の髪の毛を切り終えて、襟元についた髪の毛を払っていて、喋りに夢中になっていたっていうのもあるけれど、あれっ、なかなか毛が取りきれないなぁ、と思っていたら、実は胸毛だったっていうことも、実は1度や2度ではない。いや、大袈裟でなく、それほど見慣れない代ものなのだ、胸毛って。。
 
 毛と言えば。。ある暑い夏の日、仲良しのフランス人の女友達と待ち合わせをしていた。向こうの方から大きく手を振ってやってくる友達。えーっ、脇に毛が。。最近では割と気にする人も増えたけれど、案外構わない人も多い。むしろ、あったほうがいいのよ、的な発言も多々聞いたことがある。いずれにせよ、人それぞれなのだと言い聞かせてみるけれど、なかなか慣れないものだ。余計なお世話だと言われそうだけど。。

2015/02/24

Merci beaucoup!!!


 ついにとうとう、350回目となった。このブログを始めるにあたり、1年間、毎日更新する、と決めていたのだけど、もうすぐ、その1年がやってくる。このブログのおかげで整理できていなかった思い出や写真が少しすっきりした感はある。言ったはいいけれど、1年も続けられるかなとちょっと不安もあった。今はあれっ、もう終わってしまうのか、という気持ちのほうが強い。というわけで、もう少し続けようかなと思っている。まだまだ紹介できていない田舎の生活やフランス人の暮らし、友達のこととか、おいしいものの話。映画やお気に入りのもののこと。まだまだあるかも。。ということで、今日は久しぶりに、今までフランス取材や旅行記を載せてもらった雑誌、それから数年前に出した『やっぱり、またパリへ行こう!』を見てみることにしてみた。やっぱり、フランスはいつでも、いつまでもフランスのままだなぁ、と実感。当たり前だけど。。

 とにかく、読んでいただいているみなさま、Merci beaucoup!!!そして、もうしばらく、お付き合いくださ〜い。


 
 

2015/02/23

イタリア


 南仏を旅してからかなり年月が経っているってこともあってか、おぼろげにしか憶えていないことだらけだけど、ちょっと記憶を辿ってみる。

 主要な町は行ったけれど、はて、どんなホテルに泊まったのか、どんなものを食べたのか。。南仏にもポチを連れて行って、籐のかごに入れてカートで転がし、どこへ行ってもかわいい、かわいいと人気者だったのは憶えている。小さな村の町並みやひまわり畑はやっぱり感動した。Cannes(カンヌ)ではあの映画祭をやっているのねとか、Nice(ニース)は何か熱海っぽいなぁとか。そうそう、ついでにMonaco(モナコ)に入り、F1グランプリで走る道路ってほんとに普通の道路なんだなぁと逆の意味で感激した。
 それから、コート ダジュールにあるMenton(マントン)へ、詩人で映画監督でもあったJean Cocteau(ジャン コクトー)の美術館に訪れるため、立ち寄った。海辺に建つ、中世の要塞跡に作られたここは、存在だけでも感動したのを思い出した。
 そうだ、イタリアにはいつでも行けると思って結局行かなかったんだよね、とみんなに言っているけど、ここマントンに来たついでに国境を越えて、イタリアに足を踏み入れたんだった〜。はは。

2015/02/22

ATM


 ある年、車で南仏を旅した。1週間以上借りると割安だったし、いろんな町に立ち寄れたりするから、その頃、度々、車を借りて旅行に行った。

 一週間後の早朝、南仏から戻って来た私たちは、レンタカー会社に車を返却しに行った。早朝と言っても、もうすでに歩いている人もいたし、Caféでお茶する人もまばらにいる時間帯だった。
 さて、いざカードで支払いしようとすると現金払いでないとダメだと言われた。と言っても、そんな現金は持ち合わせておらず、仕方なくATMで下ろすことに。私はその場に残り、旦那がひとりでATMに向かった。
 その頃、日本ではまだ24h体制でATMは稼働してなかったはず。でも、フランスではいつでもお金を下ろすことができ、その点ではほんとに便利だった。でも、ほとんどがむき出しの状態でATMがあり、周りを警戒しながらの現金引き出しとなり、ちょっと緊張する。ただ、もうすでに明るくなっている時間帯だったし、まばらだけど人もいる。いつも通り警戒しながらも、出てきたお札を取り出そうとしたその時、後ろからすっと手が伸びてきた。持って行かれそうになったお札を、とっさに指で挟み、アラブ系の男と取り合いになったのだ。でも、出てきたカードも持って行かれたら困る。それも気にしつつ、お互い一歩も譲らない取り合いとなる。周りにいる人たちは仲間同士の小競り合いとでも思ったのか、誰も助けてくれず。。男に殴られても、お札とカードを気にしている旦那は何もできない。で、そんな状態でもお札から手を離さない日本人に嫌気がさしたのか、男は逃げて行ったらしい。
 数分後、殴られた口元からちょっと血を流しつつ、無事お金を届けてくれた旦那。その後、笑い話にしていたけど、今考えるとこわい話かも。。

2015/02/21

贅沢な時間


 フランス人の友達は日本好きの友達が多い。一度来ると、大体 1,2年後にまたやって来る。さて、何が気に入ってまた来るのか。Marieは田舎を回り、民宿に泊まるのを楽しみにしていた。いちばん気に入っていたのは、新潟の佐渡島だったな。とにかく、田舎の人たちの気さくなところがいいと言っていた。Laurenceは京都や広島などの地方都市をのんびりと回り、東京では、日本でしか買えない服を見つけたいと言っていた。人それぞれ、旅の楽しみ方は違う。

 さて、私の旅の楽しみはと言うと、友達に会うことはもちろんだけど、やっぱり田舎を訪れることが一番の楽しみかもしれない。何をするわけではなく、のんびりと過ごす。朝起きてから夜寝るまで、ほとんど食べて飲んで、時々散歩する、そんな贅沢な時間が田舎にはある。そう、実家で過ごすような感じだ。そんな時間をフランスの友達の実家や友達の姉妹で過ごす。今、考えるとほんとに贅沢な時間だ。
  
 作ろうと思ってもなかなか作ることができない、どうやったらあんな時間を作ることができるのだろう。。真似しようと思っても、あんな時間の過ごし方はできない。パリを離れてヴァカンスを過ごすフランス人の時間の使い方は、天才的だ。

2015/02/20

薬局とCafé


 今日、ふと入った薬局で不思議な感覚を味わった。まるでフランスにいるかのようなそんな感覚だ。
 何の変哲もない、昔から続いていそうな、いわゆる普通の町の薬局。まず一歩足を踏み入れると、注射を打つ前に似たにおいが店内を漂っている。そして、店主の何だかやる気のなさそうな、でも親切が過剰でない客とのやり取りが聞こえてくる。私のすぐ後に入ってきた客が、店主に小声で「急いでるからお願い」と言いつつ、私をちらり。店主も「はい」と小声で言ったから、私より先に出しちゃうのかな、そしたら何か言ってやろうとまで思っていたら、普通に私のほうが先だった。ずっと、ぼそぼそと喋っていた店主が「お待たせしました〜」と元気よく私に言い、後から来た客が店主をキッと見た。ここまでのすべてのやり取りがもう、フランスそのものだ。極めつけは店内に流れている音楽がフランス語だったのだ、なぜか。。

 そういえば今日、立ち寄ったCaféの店主もそうだった。ぼそぼそっとしゃべっていたかと思うと、急にコーヒーの説明やらその背景にある事柄を喋り出す。早くコーヒー飲みたいのに、と思いつつ、長い説明を最後まで聞き終える。そして、こだわっているだけあって、やっぱりコーヒーはおいしい。こんな感じもちょっとフランス的。今日は少しだけフランス気分だ。こんな薬局もCaféも悪くない、うん。

2015/02/19

ウーテンシロ


 フランス人は物の並べ方とか、明かりの取り入れ方が上手だなぁと、おしゃれなCaféや雑貨屋さんに行くとよく思う。同じ物を積み重ねたり、色を合わせたり、外したりが上手なのだ。

 これは、子供部屋にも言えることだ。家具や置いてあるものがかわいいってこともあるのだけど、とにかく、わくわくする部屋を作るのが上手だ。大人だけでなく、子供たちは進んで部屋の飾り付けをする。人形を椅子に座らせたり、壁に何か貼ってみたり、片付けるのはちょっと苦手でも模様替えは大好きだ。
 友達 Ericの娘、Louの部屋はいつでもかわいくて、そこにいるだけで楽しくなる部屋。絵があんまり得意じゃなくても、上手く描けそうな気がしてくるし、落ち着くから宿題だってはかどりそうだ。何より、置かれてあるものがこれまたステキで、小さい頃からそんなものを目にしてるなんて。。Louの部屋にはそんなものたちがたくさんあった。例えばウーテンシロとか。。これじゃあ、センスがよくなって当たり前だな。

2015/02/18

前髪


 町ですれ違う人や初めて会う人の頭を見てしまうのは、一種の職業病とでも言うのだろうか。フランスでもつい目が行ってしまう、町往く人の髪型。

 フランス人の髪質は柔らかくて細いのにコシがあり、ちょっとクセっ毛って人が多い。一時期、1本の棒でくるくるっとまとめるのがパリジェンヌの間で大流行りだった。パーマっ気のない日本人の髪質だと到底ムリだけど、フランス人は簡単に器用にまとめていた。 
 フランス人といえば、ベリーショートの人も多く、くしゃくしゃっと手で整えるだけで形になる人も多い。ほとんどの日本人はうまく収まらないスタイルで、一歩間違えると野球少年みたいになる。でもフランス人だと、短い髪の毛でも立たないで寝てくれるから寝癖もほとんどつかないのだ。そして、わりとこだわるのは前髪。ジャマになる前髪は好まない。友達のDanielleはいつも前髪が要らないと言っていた。「じゃぁ、伸ばす?」と聞くと、うつむいた時にサイドの髪が落ちてくるのもイヤだと言う。というわけで、いつも前髪は1cmほどに切っていた。これもまた似合ってしまうフランス人。日本人ならこの前髪もピーンと立ってしまうのだけど。。かなり羨ましい、フランス人の髪質。 

2015/02/17

褒め言葉


 最近、日本語は何でも「すご〜い」や「かわいい〜」の一言で表現できてしまい、すご〜いと思ってしまう。同じ言葉でも、表情や抑揚である程度伝わってしまうのだから、日本語って便利だなとも思う。
 
 こんな風に、フランス語にもよく使う言葉がある。“C'est bien!” (セ ビヤン) とか”C'est bon!” (セ ボン) とか、フランス語を知らない人でも聞いたことのあるフレーズ。大まかに言えば『いいね』『おいしい』と言う意味。フランス人、使うといえば使うけど、使わないといえばあまり、使わないな。。
 フランス語はひとつの言葉でもたくさんの表現方法があるから、フランス人はそれを使い分ける。例えば「かわいい」にもいろんな表現方法がある。”Mignon” (ミニヨン) ”Joli” (ジョリ) ”Adorable” (アドラーブル) など、きれいという意味を併せ持ったものを含めると、ほんとにたくさんある。「すごい」や「すばらしい」という意味の言葉もたくさんあって、その時々で使い分けている。どちらかというと、イヤな言葉よりも褒める言葉のほうがたくさんあるように思う。それを使い分けることによって、より感受性豊かに表現できるのだ。
 フランス語で褒めてもらうと、ただ単に良いって感じではなく、ほんとにうれしい褒め言葉になって、俄然、やる気や自信につながる気がするなぁ。フランス人の感性はこんなところから生まれていると思う。

2015/02/16

アイスクリーム


 フランス人はアイスクリームが大好きだ。必ずと言っていいほど、家の冷凍庫に常備してある。アイスクリーム屋さんを見つけると、パリの有名店でもヴァカンス先の売店でもつい手が出てしまうようだ。アイスクリームってはずれのない食べ物だと思う。嫌いな人っているのだろうか。。

 あっ、そうだった。ウチの息子はずっとアイスクリームが嫌いだった。だから、スーパーに行ってもアイスに見向きもしなかった。そんな息子が年に一度だけ、フランスでアイスクリームを食べていた。アイスというより、どちらかと言うと、ソフトクリームだ。「これだったら食べられる」と言って、食べたいタイミングを見計らって店を選んでいた。そして食べ終わると必ず、こう言っていた。「これで、あと1年は食べなくていい」と。。1年に一度と決めていたようだ、なぜだか。。
 さて、こんな感じだったからフランスでアイスを食べる機会が少なかった。パリに暮らしている頃、私もアイスにあまり興味がなかったから有名店のアイスなんて食べたことがなかった。でもここ数年、我が家にアイスブームがきている。まさか、息子がこんなにアイス好きになるなんて。。あぁ、パリの某有名アイス店で食べておけばよかった〜。次は絶対食べよっ、ね、息子よ。

2015/02/15

羽毛布団


 先日久々に会った友達から、荷物が届いた。贈り物やおみやげって、いつでもどんな時でも、やっぱりもらうとうれしい。

 パリに暮らしている頃、こんなことがあった。ある友達が、日本でずっと一緒だったという、座った状態でも1mほどもある熊のぬいぐるみを大切にしていたらしい。ある日、なんと、この熊が日本から送られてきた。これには、ほんとにびっくりした。「お母さんに頼んだの?」「ううん」「これがないと眠れないとか?」「いや、全然。。」じゃ、何で?
 
 日本からパリに荷物を送るのは、けっこう値段がかかるから、大きかったり重かったりするものはみんな極力避けるのだ。だから、ちょっとした食料品やお菓子が、手頃な荷物のはず。あっ、そういえば旦那の家族がパリへやって来た時、暖房のあまり効かない部屋に住んでいるのを見てかわいそうに思ったのか、後日、日本から羽毛布団が送られてきてたっけ。これまた、びっくり。布団はパリにも売ってるよ、と思ったりもするけど、これも優しい母心。今ならわかるな、うん。

2015/02/14

アッシュ エ エム


 日本でも、最近ではレジで「ビニール袋、要りません」と言えば、いくらか会計から引いてくれる。これがだんだんと浸透していて、みんなエコバッグをすっと出している。ビニール袋って薄いから角のあるものを入れると破れやすいし、何枚も重ねたりするから、不経済だしエコじゃない。ナイロン素材のエコバッグや布製のトートバッグを常に持ち歩く人も増えていて、それを観察するのもまた楽しい。フランス人はスーパーの安く売られているエコバッグやノベルティーに付いてきたものを使っていることが多い。私たちにとってみれば、ちょっとおしゃれにも使えるし、おみやげにも喜ばれるから、見つけると大量買いしてしまう。

 ある年、パリのChatlet(シャトレ)にあるH&Mで新装オープンセールをしていた。つい何気なく入ってみると、入り口でその店の地図が描かれたノベルティーのトートバッグが手渡された。さほど、気にも留めず店を後にして、違うエリアのH&Mに立ち寄ったら、そこは通常営業なわけだから、トートバッグは配られていなかった。すごく気に入ったわけでもなかったけれど、もらえないともらいたくなる。1つじゃ、誰のおみやげにするか迷ってしまうし、どうせなら。。というわけで、用事を無理矢理作って舞い戻り、あと2つゲット。そのうち1つは息子のピアノのお稽古袋になり、何年も活躍してくれた。黒だったから汚れも目立たず、丈夫で破れることもなく、まだ捨ててもいない。なかなか重宝した。
 
 そういえば、H&Mはフランス語読みで”アッシュ エ エム”。日本に出店していない頃からフランスでよく行っていたから、つい今でも”アッシュ エ エム”と言ってしまう。。

2015/02/13

Chocolatier


 今日は行く予定のなかった百貨店に行ってしまった。運悪く、入った入り口は地下のスイーツ売り場、降り立った階も催事場でチョコレートを売っていた。そう、明日はバレンタインデー。あっちを見ても、こっちを見てもチョコ、人、人。。

 フランスではバレンタインデーはこんなに盛り上がらない。男性から女性に花束を贈ったりはするけれど、女性から贈る、なんてことはない。他の多くの国でもそうらしい。日本では最近、友達同士で贈り合う、友チョコなるものが出現して、次は何チョコが流行るんだろうと憶測してしまう。
 
 フランス人はチョコを贈られるのが大好きだ。花より団子というわけでもなく、花を贈られるのも好きだけど、ケーキやワインよりもちょっとお高いChocolatier(ショコラティエ)『チョコレート屋さん』のチョコなんか贈られた日にはみんな、ご機嫌になる。まぁ、それは、チョコレートが好きな人なら誰でもそうかもしれないけど。
 日本でもそうだけど、フランスの高級ショコラティエはちょっと敷居が高い。高級ブランドのブティックのようだ。買いに行く時の洋服までは気にしなくても、髪乱れてない? この靴で大丈夫? くらいは気にしてみる。買うのもドキドキだけど、これ一個でこの値段か〜、と食べる時もドキドキだ。これだから、もらうとテンションが上がるのは間違いない。
 

2015/02/12

ござ


 フランスの店作りは遊び心に溢れている。フランス人はおしゃれじゃないって言ってみたり、矛盾しているけれど、クリエイティブな部分で長けているのは間違いない。パリにはかっこいいお店がたくさんある。日本とどこに違いがあるのかをいつも考える。そもそも建物が違うし、窓やドア、床は味がある。それに天井も高いし、吹き抜けがあったり、とにかく空間に余裕があるのだ。陳列や配置はというと、どこにそんな発想と知恵があるのだろうと、つい思ってしまうほどステキだ。

 ”Antoine et Lili”の一店舗目はサンマルタン運河沿いだったと思う。その後、パリのあちこちに、それから地方の町にもできて有名店になった。もともとはアジアンな雰囲気とフランスのエスプリの入り混じった雑貨を売る店だった。とにかく色彩鮮やかでキッチュな小物や布ものが人気のある店。今は服やアクセサリーも売られていて、行くと必ず立ち寄り、つい買ってしまう店。
 
 ここで毎年買いたくなるのが、カラフルな色合いのござ。一畳ほどの大きさで、家の中で使っても、ピクニックに持って行ってもいい感じ。
 ある年、いつもよりちょっぴり大きいものを見つけた。色合いも柄もいい感じなのだけど、丸めて持つと若干大きい感じがする。お店の人は「大丈夫よ、飛行機に載せても問題なかったわよ」と。
 でも案の定、帰りの飛行機で大きすぎるから載せれない、いや載せて〜の押し問答が繰り広げられ、結局は相手が折れてくれ、持って帰ることができた。大変な思いをして持って帰ったものほど何か使えなくて。。くるくると巻かれたござが我が家には何本もある。

2015/02/11

A demain!


 最近、友達の子供たちとFBやメールで直接会話することも多くなった。初めて会った時、小さかった子供たちと、だ。ほんとに信じられない。自分は変わってないのに、いや、もちろん年は取ったけれど、子供たちはほぼ赤ちゃんみたいなものだったのだ。その子供たちが大きくなって、もう立派な大人になっている。あ〜、うれしいこと、この上ない。

 最近よく、あの頃、みんなどんな風に私たちを見ていたんだろうと思うことがある。Marie の娘、Dianeは3歳の頃、私たちが一ヶ月半の滞在から日本へ戻る際 “A demain!”(
ア ドゥマン)「また明日ね」と無邪気に言っていた。遠いところからやって来て、またしばらく会えないことが、小さかったDianeには理解できなかったのだ。それは同い年のウチの息子にとっても同じことだった。だんだん年を重ねるうちに遠い所からやって来る、遠い所へ行くんだとそれぞれが理解するようになってきた。それはそれで切ないことだなと今はつくづく思う。

 小さい頃、夏のはじめにDianeはいつもこう言っていたそうだ。Midoriたちが来たら、あそこへ一緒に旅しようとか、一緒に遊びに行こうとか。。そんな風に思ってくれてありがとう、といつも思う。今度、この話をしてみよう。
 

2015/02/10

歌舞伎


 そういえば、フランス人って写真を撮るのが好きだ。今でこそ、みんなやってる自撮りなんかも、ずいぶん前からデジカメで撮ったりしてた。写真をたくさん撮って、部屋に貼ったりするのも大好きだ。デジカメやパソコンも使いこなすのが早くて、よく教えてもらったな。フランス人は案外新しもの好きなのかも。その反面、やっぱり古いものが大好きだ。古くから受け継いだ家や家具もそうだし、歴史あるものは慈しむ。

 フランス人の友達と歌舞伎を観に行ったことがある。ずっと行きたがっていたし、見始めると、えらく気に入って、食い入るように観ていた。私はというと、もちろん楽しんでいたけど、長い演目にうつらうつら。。
 フランス人の集中力には、いつも目を見張るものがある。興味のあるものにはとことん行くけれど、そうでないものには見向きもしない。
 さて、歌舞伎はというと、友達は興味津々でしっかりと見続け、その後、怒濤の質問攻めだったけど。。ごめんね、半分寝てたし、ちゃんと答えてあげれなかった。。でも「どうして、あんな化粧してるの?」って言われても。。

2015/02/09

笑い話


 久しぶりの友達に会った。パリで暮らしていた頃をよく知る友達だ。話しているうちにいろんなことを思い出す。共通の知り合いも多く、よく遊んだし、旅行にも一緒に行った。そういえば、バルセロナを一緒に旅した時のこと。私以外は男3人。みんな日本人だったけど、その友達はドレッド、もう一人は金髪、そしてひげ面と真っ黒に日焼けして大きな麦わら帽子姿の私を含めた、4人。その風貌と、旅行なのにみんな荷物はリュックひとつずつという身軽さが怪しかったのか、帰りの空港で呼び止められた。でも、そんな時はこう言うに限る。「私たち、日本人です」「言葉がわからないんですぅ」
いやいや、そんなこと言ってもムダでふたりずつに分けられ、身体チェックと荷物検査を受けさせられた。確かにみんな個性的な出で立ちではあったかもしれないけど。。今は笑い話になるけれど、その時はほんとに怖かったな。。
 
 それからかなりの時間が経過しているけれど、何だかみんな変わらずいられるのは、フランスが変わらないことと同じだなと思う。ちょっとこじつけかな。でも、ほんとそんな気がした。

2015/02/08

Domino



 フランスの猫は、日本の猫よりもしっぽが長く、身体も大きい。我が家のポチも大きかった。拾った当初は小さくて全然太っていなかったのに、みるみるうちにまるまると大きくなっていった。
 パリに暮らしている頃、結石を患ってからは病院の療養食を長年食べていた。途中からは、それにダイエット食も混ぜて食べていた。動物病院の先生は毎回「これを続ければ1年で痩せられるよ」と言い続けたのだけど、ポチは一向に痩せなかった。それでも長い年月を経てやっと数キロ痩せたのに、高齢になるとみるみる痩せてしまって、無駄な贅肉が取れて現れた脚の長さにびっくりした。
 ポチはもともと、フランスの猫だったわけだから、日本語なんてわからなかったはず。そう考えると、はじめは私が言っていることなど通じてなかったのかも。。まぁ、言葉がわかっていたかどうかはわからないけど。。
 ポチは名前を呼ぶと、犬みたいにこちらにやって来ていた。”ポ”の一言だけで耳がぴくっと動いていた。何度もやってみたけど、他の言葉では反応しない。それにフランス人には敏感だった。フランス人の友達が来ると、何だかそわそわしてうれしそうだった。何かを感じていたのか、それともフランス語になつかしさを感じていたのかも。
 
 Marieの家にはDomino(ドミノ)という猫が気ままに暮らしていた。普段は外をウロウロしていてお腹が空くと帰ってくる。Marieが留守の時はごはんをあげたりしていたのに、ほとんど知らんぷり。でもきっと、日本語で話しかけてもわからなかったのかも、と今になって思う。どうだろう。

ニセ物


 フランス人はストッキングとかタイツをあまり履かない。寒い冬にはあったかい格好で足を出したりもしないし、たぶん、面倒で履くのもいやなんじゃないかなと思う。基本的にどんな時でも生足だ。だから、必然的に靴も裸足で履くことになるのだけど、そのせいからか長時間歩くと、靴づれしたり、マメができたりしている。背が高い人も多いからか、足も大きくて、でも足の幅が狭いからなかなか合う靴がないと嘆いている。

 さて、フランス人の友達がどんな靴を履いているか、ちょっと思い出してみる。どんな服を着ていたかは想像できるのに、靴は思い出せない。コンバースもよく見かけたけど、フランスでは少し高いから、ぼろぼろになるまで履きつぶす覚悟だ。ヒールの高い靴を履いている人はほとんどいない。石畳を歩くには実際のところ、ムリがある。ロンドンの定番ブーツを履いている人もいたけれど、ごく一部だ。はて、みんな何を履いていたっけ?
 
 フランスのあちらこちらで見かける、靴のチェーン店がある。靴が箱の上に並べられて店中、靴だらけなのだけど、どれもこれもどこかのブランドのニセ物みたいな感じだ。でも価格が安いからか、いつも人で賑わっている。よーく見ると、案外いけてる風な靴もある。でも手に取ってみると、やっぱり素材もデザインもあんまりだ。ほぼ似てるけどニセ物のこんな靴を、わかっているのか、それとも騙されたフリをしているのか、よく履いている。いやー、似ててもやっぱりニセ物だけどね。

2015/02/06

Diva


 前回に引き続き、フランス映画について。やっぱり、フランス映画って奥が深いと思う。しっかり観ていないと、ちょっと目を離した隙にわからなくなってしまうことがある、それがフランス映画だ。

 毎日のように映画を観ていた時期がある。それがきっかけでフランスが好きになったと言っても過言ではない。そんなフランスでは、映画がたくさん撮られている。フランス映画はもちろん、海外の映画もフランスを舞台に撮られていて「あーっ、ここ知ってる」と言いながら観るのも、これまた楽しい。
 
 さて、一番好きな映画を決めるのは難しい。観たけれど、もうすっかり内容も覚えていない映画だってたくさんある。何度も観たくなって、何度も観た映画もある。”Diva”(ディーバ)も、そんな映画の中の1本。Jean-Jacques Beineix(ジャン=ジャック ベネックス)監督の初の長編作品。その後は、”37-2 Le Matin”『ベティ ブルー』や ”Assigné à résidence"『潜水服と蝶』などの映画も撮っている巨匠だ。そのどちらもよい映画だけれど ”Diva”は何度も観たくなる映画。パリのレイトショーでも何度か観た。でも、初めて観てから何度も観たけれど、全編通して観たことがあるのは初めての時だけ。。一度観たから安心してしまうのか、Divaが歌う音楽が心地よすぎるのか。。
 物語としてもおもしろいけれど、パリの町をバイクで走ったり、歩いている時の情景だったり、とにかくパリを堪能できる映画。それに映画のところどころに潜む、センスの良さも感じられてかっこいい。そろそろ、また観たいな。

2015/02/05

フランス映画


 フランス人は映画好きが多い。子供が小さい頃は、週末になると家族連れだって映画館へ行く。パリにはマニアックな映画を上映する映画館も数多くあって、いろんなジャンルの映画を楽しむことができる。ツボを得たレイトショーも多くて、唸ることもよくある。どちらかというとフランス人は、フランス映画を観ることが多い。今どきの流行りの外国映画よりも、じわじわと人気の出た映画を口コミで広めていくことも多いのだ。
 
 日本にやって来るフランス映画はごく一部だから、意外に知らない作品も知らない俳優も多い。『ポンヌフの恋人』が有名なLeos Carax(レオス カラックス)の作品にたくさん出ているDenis Lavant(ドゥニ ラヴァン)は、フランス人ならみんな知ってるけど、日本人にはあまり知られていない。でも一度覚えれば、決して忘れられない、とても味のある俳優の一人だ。
 誰とは言わないけれど、日本では名の知れた俳優でも、実はフランスではがっかりするような映画に出ていたりして、げんなりすることも多々ある。でも、あまり知られていないけど、はっとするような中年男優がフランスにはたくさんいるのだ。
 フランス行きの飛行機の中で上映されている映画は、その時の最新映画だったりするけど、案外はずれがない。なかなかのセレクトだ。旅の楽しみのひとつ。

2015/02/04

マジック博物館


 今日、テレビでトランプを使ったマジックをやっていた。いやー、全然見抜けない。タネも仕掛けもあるはずなのに、全くどうやっているのか、わからないのだ。

 そういえば、パリには”Musée de la Magie”(ミュゼ ドゥ ラ マジ)『マジック博物館』がある。Saint-Paul(サン ポール)駅からほど近い場所にあり、入り口はちょっとおしゃれな店のようだ。不定期に開いたり閉まったりしているしで、訪れたことはない。子供はマジックが大好きだし、息子も行きたがったけれど。。まぁ、普通はあまり行こうと思わない美術館、博物館の類いなのだ。
 
 パリにはそんなところが実はたくさんある。公営ではなく、私営のものを合わせると、かなりの数になるんじゃないかと思う。初めてパリを旅した時、毎日、美術館、博物館巡りをした。その頃にお気に入りとなったところへはその後も赴き、気にも留めなかったところへは行かなくなってしまった。これって、どうなんだろう。何か、これってちょっと損してたりするのかも。。と、不安になってきた。美術館や博物館は人によって好みや興味も違うから、やっぱり行ってみるのが一番。ガイドブックや雑誌の旅特集には有名どころばかりだから、ちょっと冒険してみるのもよいと思う。一度目はダメでも、もしかしたら次は楽しいなんてことも。。次はマジック博物館に行ってみるかな。うーん、どうだろう。

2015/02/03

将来の夢



 息子が3歳頃、「大きくなったら何になりたい?」と聞くと、バスになりたいと言っていた。バスの運転手さんということなんだろうけど。。サッカーを始めてからはサッカー選手。私は小学1,2年の頃、学校の先生になりたかった気がする。たぶん、好きな先生がいたからだ。小さい頃はいろんなことに影響を受けるのだ。

 フランスの男の子は割とお医者さんや科学者など頭を使う職業、女の子は歌手や女優になりたいと思う子が多いみたいだ。そういえばAliceも小さい頃、そんなことを言ってたな。でもMarieに「痩せないとダメよ。少しダイエットね」と言われて「やーめた」と言ってたな。今は何になりたいのだろう。
 でもやっぱり少なからず、小さな頃の思い出や経験は将来に影響するのだ。小さな頃から日本によく来ていた友達の子どもが今、東京で仕事に就いている。きっとなるべくしてなった気がして、何だか嬉しい。

2015/02/02

サラダで昼食


 フランスでの外食は、お金がかかる。そう、もちろん、星付きレストランはびっくりするような値段だけど、そうでなくてもけっこう高くつく。「東京は高いものもあるけど、安くておいしいものがたくさんあるからいいよね〜」とフランス人の友達はよく言う。パリではCaféのサラダランチでも、けっこういい値段だ。だから、元を取ろうとしているわけではないんだろうけど、フランス人の友達との食事時間はほんとに長い。食べている時間はそうでもないのだけど、とにかく喋っている時間が長いのだ。だから、日本人の食事時間の短さに、フランス人はびっくりする。

 フランスでは、サラダを最初に食べるのかそれとも、メイン料理が終わった後のチーズの前に食べるのか、家庭によって異なる。ほとんどのレストラン、多くの友達の家でも最初に食べるけれど。。でも肉を食べた後のサラダは、さっぱりするからけっこういいアイデアだ。フランス人はサラダの量もたくさん作るし、1種類だけでない時もある。フランス人はかなりの野菜好き。そうそう、家でのランチも、サラダとバゲットだけで簡単に済ませることもよくあるけど、おいしい野菜とバゲットなら十分満足だ。昼食はこれが一番。
 

2015/02/01

ぬいぐるみ


 フランス人で知らない人はいない、キリンのSophie(ソフィー)。天然ゴム製でできていて、子供が口に入れても安心な塗料が使われている。フランスでは小さい頃、ほとんどみんな持っている、と言っても過言ではない、それぐらい人気者のSophie。
 
 フランスにもその地方ごとにキャラクターがいて、おみやげ屋さんにはそのぬいぐるみやキーホルダーが売られていたりする。日本で言うところのご当地キャラのようなものだ。フランスの北東部のStrasbourg(ストラスブール)では、コウノトリのぬいぐるみが店先にぶら下がっていた。かわいいか、そうでないかは別として、店先に並ぶコウノトリを見ると、何だかほのぼのとした。
 
 フランスの子供たちは小さい頃、大好きなぬいぐるみを肌身離さず連れている。しっかりと抱きしめて常に一緒、そんな光景をよく見かける。そういえば、そんな大切なぬいぐるみが破れたり、ほつれたりした時、繕ったり直してくれる、そんな職人さんがいるらしい。汚れたら洗濯し、一緒に寝て、時々かじったり。。でも捨てることなく、ずっと大切にするなんてステキなことだな。