2014/04/30

大好きなかご






 ふと思い立ち、ブログを始めてから一ヶ月ちょっと。ほんの些細なことを少しずつだが、毎日更新しているこのブログも本日、50回目だ。これからも細く長ーく、フランスについて書いていこうと思う。

 今回はSpécialということで、これからの季節に大活躍のPanier(パニエ)『かご』について少し。野菜や果物を大量に買うときはカートが便利だけど、フランス人はMarchéに行くとき、ほとんどの人がかごを持って行く。いわゆる、普通のお買い物かごだが、ここ何年も日本人の間で流行っているのが、フランス人には不思議でたまらないらしい。確かにフランス人がMarchéに持って行くようなかごを、日本人は街角で持っているわけだから、ちょっと奇妙に映るのかもしれない。
 
 Marais(マレ)の雑貨屋さんでシンプルなかごを2つ買い、翌年も同じところで同じものを購入した。「昨年の夏も買ったわよね。そんなに買ってどうするの。買って行くのは、日本人ばかりよ」と真剣な顔で聞かれた。少々汚れても気にならないし、丈夫だし、ポイポイ物が入れられるし、何より、すぐに欲しい物が取り出せるから便利だ。でも、こんなものをフランス、ましてやパリの通りで持っていたら『はい、何でも盗ってください』と言っているようなものだ。口の閉まらないものは、危険極まりない。
 でも、そんなに不思議がられても、好きなものは仕方がない。また、ついつい買ってしまう。大量にスーツケースに入れて持って帰ってくるが、形が崩れてしまったMarché かごやアフリカンなかごは、熱ーいお湯に浸けて、形を整えて干しておけば、あっという間に元通りだ。スーツケースにギュウギュウに詰め込んでも大丈夫。ということで、また、かごが増えてしまう。。


2014/04/29


 あたたかい晴れの日が続いたので、暖房器具を片付け、毛布を洗って春の準備を始めた。気分はウキウキするのにそれと同じくらい、もうすぐ梅雨が始まり、暑い夏がやってくるなとちょっと憂鬱な気分になってしまう。
 
 フランスは一年中、比較的湿度も低く、春から夏にかけて過ごしやすい。梅雨と言われる時期はなく、雨が降り始めても、ちょっと雨宿りすれば平気なことが多い。フランス人は少々の雨でも傘をささないし、私も住んでいた頃、傘を持って外出した記憶がない。しかし、この頃はちょっと変わってきていると思う。
 昨年、フランスから遊びに来た友達が折りたたみ傘を買って帰ったし、あっ、そうだ、数年前、Marieにパリで偶然見つけた傘をプレゼントしたら喜んでたな。でも、AliceとEveが来たとき、せっかくだからとコンビニで買った傘をぬれたままスーツケースに入れようとしたのを見て、乾かしてから入れるように説得したこともあった。フランス人は使ったあとの折りたたみ傘をどうしてるいるのか? 心配だ。。

2014/04/28

縦列駐車


 フランス人の車の運転は確かに荒いと思う。いきなり車線変更したり、無理矢理、割り込んだり、急に曲がったり。でも、そもそも車線なんてあるようで線自体見えないし、赤信号でも歩行者が青信号のように渡るので、車はいつ行けばいいんだって感じだし、ちょっとイライラする気持ちもわかる。
 例の有名な縦列駐車の話、あれも、もちろん我がもの顔でやってしまう。友達の車に乗っていて、この場面に遭遇したのは1回や2回ではない。えっ、まさかここに? なんてスペースに前後の車をゆっくり押し出すように当てて自分の車を押し込む。見事すぎる〜、やれと言われてもなかなか真似できないと思う。というわけで、縦列駐車した車との距離、0センチだ。
 
 誰もがやっているし、平気なんだろうなと思いきや、偶然、車の持ち主が帰ってきたら大慌て。向こうは怒ってるし、こちらは知らん顔でいやーな雰囲気だけど、いつものことだから、どっちもどっちだな。とにかく、フランス人は車の運転がうまいと思う。

2014/04/27

ラジオ


 フランス人の友達の家の冷蔵庫の上には、ラジオが置いてある。ボリュームが絞られた音が下手すれば、蛇口から流れる水の音よりも小さく流れている。Marieの家でもいつもそうだった。そして、車の中でもやっぱり、いつもラジオだった。

 15年ほど前、Marieたち家族が、郊外のアパートに住んでいた頃の話だ。駐車場はなく、アパートの前に路駐していたのだが、夜、家に戻るときにすること、それは必ずラジオを持って帰ることだった。ポータブルのラジオではない、れっきとした備え付きのラジオだ。なんか、もうすでに盗難にあったかのように、ごっそりとえぐられた車の中の一部分。そう、置いておくと盗難に合うらしい。鍵を閉めて貴重品(?)を置いておくと、窓ガラスは割られるはラジオは盗られるはで、踏んだり蹴ったりだと教えてくれた。私たちにとってみればコンポでもカーナビでもない、車のラジオを持って行かれること自体が想像できないことでびっくりだった。
 そのうえ、Marieの車の中は隙間を見つけるのが難しいほどゴミが散乱していた。「こうしておくと、泥棒に入られにくいのよ」えーっ、ほんと? 盗難防止のためにやっているのか、面倒だから掃除しないのか、いや、もしかしたらもうすでに荒らされてこうなったのか。。とにかく、特に郊外は車上荒らしに注意だ。

2014/04/26

食後の幸せ


 フランスでの楽しみのひとつ、食べること。ほんとに何を食べても、どこで食べても美味しい。しかし、やっぱり、友達が作ってくれる家庭料理が、今さらながら贅沢なほど美味しかった。

 まず、前菜のサラダは各家庭によって味も材料も違うのだけど、たくさん食べるってことは共通している。しかも、他の料理は目分量なのにサラダのドレッシングだけは違うのだ。塩胡椒適宜、バルサミコ、オリーブオイルを計量スプーンできちっと計り、これだけでバゲット1本食べれそうなくらい、おいしいドレッシングの出来上がり。あっ、もうひとつ、計るといえば、Dessert『デザート』。フランス人はデザート作りも上手だ。普段は時間がないのでそうはいかないけど、週末に人が来たり、友達の家へのお呼ばれには、手作りデザートを用意することも多い。ワインを持参することもあるけど、ワインはその家の人のセレクトに任せて、食後にみんなで楽しめるものを持って行くのだ。甘いものでテーブルがいっぱいになると、子供も大人もみんな幸せ顔になる。
 友達曰く、ドレッシングほどきちんと計らないらしい、デザートの材料は。「適当に入れても意外とおいしくできるものよ。新たな発見もあるし」なるほど、そういえば分量を間違えて生まれたお菓子もあったかも。

2014/04/25

裸足で真っ黒


 春になってきたちょうど今朝の感じが、初夏のフランスを思い出させる。朝早くはひんやりとした空気を感じ、まだちょっとした暖がほしいくらいだ。夏だというのに、さむっと思ってしまうこの感じ。
 
 フランス人の友達の家は、基本的に土足だけど、どの家も玄関に入ると靴を脱ぐ。私たちにとってみれば、当たり前の行為であるからありがたいのだが、スリッパというものは置いてないのが普通だ。
 暑い日中は裸足で、部屋も庭の芝生も行ったり来たり、好きなように動き回れてうれしいけど、朝起きて寒い日なんかどうしようかと困ってしまう。靴下なんか履こうものなら真っ黒になってしまうし、起きたてに靴なんか履きたくないし、というわけでサンダル持参が必須だ。裸足は大好きだから喜んでと言いたいところだが、土足のしかも、拭き掃除なんてほとんどしないフランス人の家の床ははっきり言って、かなり汚い。それでも息子は、大好きな裸足でほとんどを過ごすから、ひと月ほどの滞在で見事に足の裏が真っ黒だ。毎日洗っても、洗っても、汚れるんだから仕方ない。日本に帰ってからしばらくの間は、足が真っ黒のままだけど、それも思い出のひとつだ。

2014/04/24

庭でバーベキュー


 Nantes(ナント)のClaudeの家は隣同士が繋がっていて、二階建ての長屋みたいになっている。一階の奥には中庭があり、天気のよい日にはここで日向ぼっこしたり、ごはんを食べたりする。フランス人は庭があるからバーベキューをするのか、それとも好きなのか、人が来るとよく庭でバーベキューをする。バーベキューセットはスタンド式のものが一般的で、お肉や野菜、魚まで焼いて食べる。肉は専門店で買って来て塩胡椒で焼くのだが、ビールはもちろん、ワインにもよく合う。
 ひたすら焼いてくれたClaudeだが、なぜか風向きがClaudeのほうへ行ってしまう。逃げても逃げても、偶然なのか何なのか、煙がClaude目がけて吹くのだ。いつもかわいいワンピース姿のおしゃれさんのClaudeだから、やっぱりにおいが気になっていた。でも、フランス人は寝る前にお風呂に入る習慣がないから、きっと気にしながらも寝てしまうんだろうな。
 
 あまり、お風呂に入らないと言われるフランス人だが、擁護すれば、ちゃんと足を洗って寝る人もいる。でも、眠くなったら「Bonne nuit」おやすみ〜とあっという間に消えてしまう。やっぱり肉のにおいの気になるわたしたちは眠い目をこすりながら、シャワーを浴びる。はは、静かに入るからごめんね。。

2014/04/23

Nantesの農家のお祭り


 Nantes(ナント)に滞在中、近所の村のお祭りに出かけた。Claudeが言うには、農家の人たちが主催の農業を盛り上げよう的なイベントらしい。地方のいろんな夏祭りを見てきたが、こんなのは初めてだ。
 まず、一番目立つところに、品評会さながらトラクターがずらっと並んでいる。また、それが色とりどりで、ちょっとかわいいから憎めない。その近くにはロデオマシーンに列をなす子どもたちの姿が見える。少し離れたところに目を向けると、ビールやワインを片手に人が群がっている場所が二カ所。まず、トラクターVS大人の男たち数名の綱引き。土埃をあげながら、これまた超真剣だから、応援するこちらも白熱する。チーム対抗なのか、どういうルールなのか、わからないまま応援していたけど、素手で綱を引く掌や次の日の筋肉痛が心配になった。そしてひと際、歓声の高かった催し、それが子豚ちゃんのレース。ゴールに一番に入ったら優勝なのだろう。レース場には人々が押し合いへし合いつめかけ、子豚の名前を呼んでレースを見守る。
 
 何か、どこかで見たような、いや映画の中の話か、とにかく子豚たちが立ち止まったり逆走するレースを見ながら、この子豚たちは飼われているのか、この後どうなってしまうのか、ちょっと心配になったりしたけど、余計なお世話か。。

2014/04/22

Nantesでサッカー観戦


 我が家は大のサッカー好きだ。パリに住んでいる頃から、サッカースタジアムに足繁く通ったし、『France football』も毎週買っていた。私は当時、オセールのやんちゃな監督、Guy Roux(ギー ルー)を観るのが好きだったし、まだフランスリーグにいた頃の、一番好きなサッカー選手、Zidane(ジダン)も観ることができた。
 しかし、息子は毎年行っていたにもかかわらず、大好きなヨーロッパサッカーを観ることができていない。小学校に上がってからは、いつも夏休みを利用してフランスに滞在していたので、プロのサッカーリーグはオフシーズンに入っているのだ。何ともまぁ、残念の一言に尽きる。
 
 ある夏、Nantes(ナント)のClaudeの家でヴァカンスを過ごした。ClaudeはMarieの一番上のお姉さんで、ナントでひとり静かに暮らしている。「遊びにおいで」と誘いを受け、家族3人で押しかけた。何日か経ったある日「ここに行ってみる?」とClaudeが新聞の切り抜きを持って来た。それは、ナントの地域リーグ、3部とか4部とかのチームの、サッカーの試合のスケジュールが書かれたものだった。というわけで、息子は一度だけフランスでサッカー観戦をした。プロの試合とは雲泥の差があったが、未来のジダンがいるかもしれないとワクワクしながら観た。
 わたしたちは試合終了後、大満足。でも隣に座っていたClaudeが疲れきった顔をして、何やらおかしい。聞くと、Claudeはサッカーがあまり好きではなかったらしい。というか、嫌いで観たことすらなかったみたいだ。えーっ、まじで? 「でも意外に楽しかったわ。今日来なければ、二度と観ることはなかったかもね。ありがとう」いやいや、こちらこそ。また、フランス人の友達のさりげないやさしさに触れることとなった。「Merci, Claude」

2014/04/21

大の仲よし


 友達のElianeにはたくさん兄妹がいる。何人だったか? 何度聞いても忘れてしまうのだが、パリやレユニオン島に住む兄妹、そしてここメドックには何人かの妹たちが住んでいる。フランス人のお父さんとヴェトナム人のお母さんを持つElianeたちは、エキゾチックでどこか日本人にも似ている。だからなのか、Elianeと初めて会ったときもそうだったように、妹のMichèleともすぐに仲良くなった。
 
 曇り空で海に行くには少し肌寒いある日、車で小一時間ほどのBordeaux(ボルドー)へ行くことになった。車に乗れる人数が限られているので、Elianeはお留守番だ。ボルドーの町をブラブラしていると、サッカーが大好きな息子がフランス代表のユニフォームを見つけた。するとMichèleは「旅の思い出にプレゼントするわ」とレジへ持って行ってしまった。しばらく、「私が出すから」「いいの、プレゼントさせて」の押し問答が続いたが、素直にその好意を受けることにした。帰ってから、Elianeにそのことを話すと、「C'est normal」(セ ノーマル)『そんなの当たり前よ』と答えが帰ってきた。決して当たり前でないことを、さらっとやってくれるフランス人の友達に感謝だ。
 
 さて、兄妹同士、仲が良いElianeの妹の家では、いつもこんな光景が見られた。飼い主に似るのか、犬たちも大の仲よしだ。

2014/04/20

Medocの海


 Medoc(メドック)の海の近くには、小高い丘がいくつも連なり、小さな砂丘がところどころに点在する。すっと伸びた一直線の道は、上ったり下ったりを繰り返し、車を走らせると、まるでジェットコースターみたいだ。
 この辺りの海は、波が荒い。嵐のような大荒れではなく、押してくる波は力強く迫ってくるけど、引く波は静かなのだ。海水客はみんな、この波がお目当てで、ここにやってくる。浜辺には10mほどの遊泳区域が作られ、旗で目印を立てておく。見張り台に座った監視員が合図を出すと同時に、びっちりと横一列に並んだ人々が一斉に波に立ち向かうのだ。泳ぐのではなく、波に向かって歩き、押し寄せる波によって浜辺に戻されるのだ。流されて行くんじゃないかとちょっと心配したが、「いくら沖に向かって歩いて行っても、押し戻されるから大丈夫よ」というElianeの言葉どおり、Eliaceと息子は、何度も押し戻されて浜辺で素っ転んだ。どんなに力いっぱい波に向かって行っても、すごい勢いで戻ってくるのだ。よく見ると、子どもそっちのけではしゃいでいる大人が微笑ましい。
 
 流されていく心配がないとはいえ、荒い海だから、ほとんどのところは遊泳禁止。少し離れたところから見ると、広ーい浜辺の区切られた一カ所だけに人が混雑する様子は、まんがの世界みたいで何だかクスッと笑える光景だ。

2014/04/19

Bon anniversaire!


 Elianeは私がパリに住んでいた頃からの友達だ。もう20年来の付き合いになるだろうか。わがままも聞いてくれ、世話も焼いてくれるElianeとは、姉と妹みたいな関係だ。生まれ育ったのは、Bordeaux(ボルドー)の近くにある、Medoc(メドック)という小さな町。有名なワインの産地で私もよく好んで飲んでいる。ここは、フランスの南西に位置する海沿いの町で、夏のヴァカンス時期には観光客や海水浴に来る人々、サーフィンを楽しむ人でにぎわっている。
 毎年、兄妹の家で過ごすElianeたちと、ここで何度かヴァカンスを過ごした。Elianeの息子、Eliaceは少し人見知りのところもある男の子だが、歳がひとつしか変わらないこともあり、Elianeと私同様、息子とは兄弟みたいな関係だ。
 しばらく、会っていないEliaceから昨年、息子の誕生日にメッセージが届いた。『Bon anniversaire, Rintaro! On se revoit à Paris, peut-être』「お誕生日おめでとう! パリでまた会おう」年頃になり、人と接するのが苦手になっていたEliaceからのメッセージ。何か大人になったなぁと感慨深かった。そんなEliaceも昨日、18歳の誕生日を迎えた。『Bon anniversaire, Eliace! A bientôt!』
 
 そういえば、何年か前、パリ滞在中に誕生日を迎えた息子。お誕生会を開いてくれたElianeが「プレゼント、買いに行く時間がなかったの。これで好きなものを選んで!」と息子に紙幣を何枚か握らせた。ほんとに親戚のおばちゃんみたいで、受け取った息子もうれしそうで胸が熱くなったな。

2014/04/18

フランスの音楽


 フランスの音楽と言えば、やはり真っ先に浮かぶのは、Serge Gainsbourg(セルジュ ゲンズブール)だろうか。どこかで一度は耳にしているだろうし、一度耳にするとなかなか忘れられない、そんなセルジュの曲。若かりし頃のJane Birkin(ジェーン バーキン)のジャケットもかわいい『histoire de melody nelson』やキャベツ頭男のジャケット『L'homme à tête de chou』は特におすすめだ。
 セルジュの再来と言われたBenjamin Biolay(バンジャマン ビオレ)もすっかり大御所の風格さえ漂わせているこの頃だが、初期のころのアルバムがすごくよい。でも私にとって、フランスの音楽を語るのにはずせないのは、Rapだ。日本ではあまり知られていないが、往年のラッパー、MC Solaar(エムセー ソラー)は哲学的な言葉を駆使するアーティストだし、一時期はまったAlliance ethnik(アリアンス エスニック)はその名の通り、エスニック的な要素もある曲調とPVのかっこよさで大好きだった。
 
 そして、今は『EI SABIO』。なんと、Marieの息子、Xavierがデビューしたのである。小さい頃から知っているので、何とも言えない気持ちだが、これがまたけっこう私の好きなはまる曲なのだ。Bolivieのアーティストと組んで、フランス語とスペイン語のRap、これがまたいい。
 『Los perros de la calle 』のアルバム『Entre chiens et nous』
 興味のある方はぜひ!!!   

2014/04/17

Brocante


パリでも地方でも必ず行くのが、Marché aux puces(マルシェ オウ ピュス)『蚤の市』やBrocante(ブロカント)『ガラクタ市』。地方の夏祭りの片隅でも、必ずと言っていいほどアンティークやブロカントが売られている。ブロカントとはアンティークとも言えない古いもの、すなわちガラクタのことなのだが、このガラクタ探しが私は大好きだ。
 フランス人の友達はみんな、このことをよーく知っているので、地方へ行くとあらかじめ、新聞の行事の欄や通りに貼られているブロカントのポスターをチェックしておいてくれる。田舎のブロカントはパリのものと比べようがないほど安い。掘り出し物も見つかるし、値段交渉も簡単だ。さらにもっと安くて、もっとガラクタが多いのが Vide-grenier(ヴィッド グルニエ)。grenierは屋根裏、videは空にするという意味なので、要らないものを売りますってことだ。いやー、これがまたすごいものが破格値で売られていたりするのだ。買いすぎて、荷物が重くなり、毎回、空港ではけんかになりそうになる。

 Brocante探しが好きすぎて、今、お買い物サイトを作っている途中だ。乞うご期待!!!

2014/04/16

Normandieの羊たち


 フランスの動物はおとなしくて、おおらかだと私は思う。この表現が正しいかどうかはわからないが、フランスで動物の怖さを感じたことが一度もない。動物は嫌いではないが、リード付きであっても、急に大型犬に近寄られると、一瞬、身を引いてしまうものだ。でもフランスでは、Caféで放し飼いにしている大きな犬が近くに来ても、田舎で放牧されている牛が目の前に来ようとも、全然へっちゃらだ。なぜか?すごく躾けられていておとなしいし、広大な自然の中にいればいるほど、動物たちもおおらかな性格になるのだろうか?
 
 Eveのパパ、Alainの実家に遊びに行った。ここでも、鶏や牛、馬、犬や猫たちが動物園さながら敷地の中を行ったり来たりしている。仲良くしているような、そうでもないような、どちらかというと当たり前のように共存しているといった感じ。ちょっと、感動すらする光景だ。
 裏山の麓の野原に放たれていた羊たちが帰って来た。初めてみる羊の追い込みは圧巻だった。列を乱すことなく、みんな一直線に小屋へと戻っていくのだ。一匹、二匹立ち止まりそうになっても、牧羊犬が列へ誘導し、すごい勢いで小屋に駆け込んでいくのだ。眠れないときのように「羊がいっぴ〜き、羊が二匹」なんて、悠長に数える暇なんてない。あんなのうそだなと思ったが、小屋に入ってしまうと、モコモコした身体を静かに寄せ合っている。やっぱり、Normandieの羊もおとなしくて、おおらかだったな。

2014/04/15

自給自足の田舎暮らし


 フランスの田舎の家の自給自足とは、こんな感じなんだろうな。ぽつんと建った家の周りには、見渡す限り、トウモロコシ畑と野っ原。家なんて全然ないのだから、夜は真っ暗闇の世界だ。塀も門扉もないのに、放し飼いにしている鶏や山羊は庭から出て行くことはない。初めて行ったときに食べた、採れたての卵で作ってくれた料理は大げさでなく、今まで食べたことがないくらいおいしかった。搾ってくれた山羊の乳も甘かった。
 それから、しばらく訪れていなかったが久々に遊びに行くと、庭ではみんなと鶏の丸焼きが私たちを出迎えてくれた。ここはNormandie(ノルマンディー)のPatrickの妹、Agnès家族の家なのだが、何度行っても『北の国から』を思い出す、まさに自給自足の田舎暮らしだ。夏でも朝晩はひんやりするから、鶏の丸焼きのための焚き火がちょうどいい。その晩は食べて飲んで、歌って踊って、忘れられない日となった。

 さて、初めて訪れたとき、初めて見る日本人だ〜と私たちを遠目で見ていたEveとは、しばらく文通していた。私はあんなにおいしい卵を毎日食べられて羨ましいとか、そんなことを書き連ねていたのだが、Eveが大きくなってから知った事実。Eveは卵があまり好きじゃなかったらしい。食べれるが、今はほとんど食べないみたいだ。ショック〜、食べ過ぎ注意だ、ほんとに。

2014/04/14

携帯用ティッシュ


 なくてもいいけど、買っておくと、買っておいてよかったなと思うもの、スーパーで売られている携帯用ティッシュ。見た目も使い勝手も日本のものとはちょっと違う。まず、見た目は入れものが横長ではなく縦長で、日本のもののように端から端まで取り出し口があるのではなく、上部がパカッと開くようになっている。そしてティッシュはというと、薄くて柔らかくはなく、ごつくて固い。紙ナプキンの少し小さいものが、折りたたまれて入っている感じだ。
 フランス人はこのティッシュをポケットにしのばせ、使うところがなくなるまで何度も鼻をかむ。ほんとに丈夫なので、何回使っても破れない。模様入りや色付き、匂い付きなんてものもある。使い慣れていない日本人には肌にはやさしくないし、使い勝手は悪いかもしれない。でも、日本で配られているティッシュだと味気ないし、どうせどこかで買うならということでフランスで買って帰るようになった。割れものをスーツケースで持って帰るときのクッションにもなるし、おみやげとして、ちょっこっと手渡すとすごく喜ばれる。
 
 今はモノプリで買うのだが、ひと昔まえはちょっとおしゃれなものを置いていたTATI(タチ)で買っていた。お店の外観と同じ柄のティッシュがかわいかったな。

2014/04/13

Monoprix


 旅の楽しみのひとつ、というか行くのが当たり前ですらある、スーパーマーケット。散歩途中でのおやつを買ったり、みんなへのおみやげを買ったりするのだが、スーパーの中でもMonoprix(モノプリ)が好きだ。住んでいる頃は、より安いものを求めたりしていたので、時々しか行かなかったモノプリ。いやいや、十分モノプリも安いんだけど。。品揃えやオリジナル商品の充実とか、行く先々にあって入り慣れているという点でも、つい足が向いてしまう。
 フランス人はスーパーでの買い物途中にりんごの味見をしたり、お菓子やジュースの封を開けて、レジへ持って行く人がいる。レジへ行く頃には、空っぽだったりするわけだが。なので、スーパーの中には食べかけのものや食べこぼしたものが散乱してたりするけど、その雑多な感じも私は好きなのだ。
 
 スーパーには食料品や生鮮食品のほかに、衣料品やキッチン用品、文具なども売られている。ちょっと安めのシャンプーや化粧水なんかも、陳列棚に並んでいるが、併設されているPharmacie(ファーマシー)には、日本のショップで見かける、ちょっとだけお高めの、でもそんなに高くない化粧水やクリームなどが売られている。町なかのファーマシーは入りづらい雰囲気があるが、モノプリのファーマシーはスーパーに行ったついでにという感じで、気軽に入れるのでおすすめ。

2014/04/12

Café


 フランス滞在中にいったい何杯のコーヒーを飲むだろう。朝起きたら、まずコーヒーだし、Caféには毎日行くことになるし、数えたことはないが、朝から晩までコーヒーを飲んでいる気がする。
 フランス人の友達はコーヒーより、Thé(テ)『紅茶』を好む人のほうが多い。「朝に一杯、お昼に一杯飲んだから、今日のコーヒーは終わり」とか、「3時以降はコーヒーは飲まないの」とか、口々に言うのは、小さい頃から一日何杯までと言われて育ったのか、もしや、飲んだらどうにかなる、とかいう言い伝えなのか。。
 とにかく、夜寝る間際までコーヒーを飲む私を、宇宙人でも見るような目で見つめる友達。私のフランス滞在が決まると、友達がいつでも好きなだけ飲めるようにと、コーヒーを大量買いしておいてくれる。それもひとりではなく、何人もの友達が。でも、みんな毎回「そんなに飲んで、ほんとに眠れるの?  Oh là là!(オララ)」
 大丈夫よ、『1,2,3』で眠れちゃうから〜。

2014/04/11

Bergeracのお祭り

 

 Bergeracはフランスの南西部にあり、スペインからも近いからか、住んでいる人たちも陽気で明るい。夏になると、至るところで夏祭りやイベントがあり、みんな、一晩中、生バンドに合わせて踊る。Isabelleの実家も普段は人口200人ほどの小さな村なのに、どこからか人が集まってきて、さながら、村がGuinguette(ガンゲット)、そう、『ダンス酒場』に大変身だ。そういえば、フランスのお祭りでは、会議で使われるような長テーブルが並び、知らない人同士、向かい合って、肩を並べて食事を楽しむ。そこにいる人たちみんなが、大家族のようで微笑ましい光景だ。この辺りのお祭りでは、パエリアが欠かせない。1メートルくらいの巨大な鍋に山盛り作られるパエリアは、ほんとにおいしい。それに、お祭りの定番ムール貝とワインがあれば、完璧だ。
 
 フランスは地方によって文化や慣習が様々で興味深い。そうだ、プールで泳ぐとき、Isabelleたちは上を付けていなかった。トップレスだった。。スペインでトップレスビーチに行ったことはあったが、家のプールで、しかも友達が何も付けていないなんて。。いやー、みんながはずしていると、付けてるこちらのほうがおかしい感覚に陥るのよね、不思議と。

2014/04/10

プールでの出来事

 
 Isabelleの実家でのみんなの過ごし方、食べて飲んでしゃべってプール、こんな風に一日を過ごす。大自然の広い草原の中にプールとは、何とも贅沢だ。好きなときに好きなだけ、泳いだり、プールサイドでのんびり過ごす。

 Isabelleの娘、Kiraは小さいときから水の中が大好き。泳ぐというより、水とたわむれるという感じだ。赤ちゃんのころから、ドボンと水の中に沈んだかと思えば、しばらくして浮いてきて、顔を出して息をする、また潜るを繰り返し、まるで人魚のようだった。うっとりするくらいの泳ぎっぷりなのだが、ちょっとギョッとすることも。。赤ちゃんのときならまだしも、物心つくようになってからも、プールの中でトイレを済ませてしまうのだ。小さいほうだけでなく、大きいほうまでも。プカッと浮いているあれを、Isabelleが虫取り網ですくっていたのを何度も目撃した。やるほうも採るほうも豪快すぎる。でも、Isabelleが怒ったりしたのを見たことがない。そのおかげか、Kiraは天真爛漫にすくすく育っている。12歳になった今はさすがにやっていないと思うが。。今度、聞いてみよっと。

2014/04/09

Isabelleの実家


 同い年のIsabelleの実家は、フランスの南西、Bordeaux(ボルドー)から電車で1時間ほどの町、Bergerac(ベルジュラック)のはずれにある。今は、イギリス人のMark12歳になる娘Kiraとアイルランドに住んでいる。
 
 初めてIsabelleの実家へ行ったその頃、Isabelleはイギリスの南部で暮らしていた。私のフランス滞在に合わせて実家に帰るから、遊びにおいでとの誘いを受け、息子とBergeracへ向かった。同じ日の早い時間に到着予定だったが、なぜか、まだ到着していなかったIsabelleに代わって、ママがお迎えに来てくれた。さて、車で到着したIsabelleの家がなんとまぁ、すごいの一言。家の入り口は20メートルほどの木のアーチが続いていて、トンネルのようになっている。古城のような佇まいのお家と、離れにはゲストハウスが。そして、敷地が10ヘクタール。見渡せるもの全てがIsabelleの実家というわけだ。プール、テニスコートもあり、さながらリゾート施設のようだ。
 結局、ストのため飛行機が飛ばず、Isabelleは不在。一日目は4歳の息子と離れのゲストハウスに泊まった。しかし、今だから言えるがあまり眠れなかった。まわりに家は一軒もない。自然だらけで電気を消すと、真っ暗だ。ママたちが暮らす家は寝るとき、雨戸をしっかり閉めてしまう。しかも、ゲストハウスの入り口の古い錠前は壊れていた。何度も訪れている今なら、何にもこわくないのだが、あの時は初めてだった。こわくて、あまり眠れなかったのだ。
 
 次の日にやってきたIsabelleと再会を果たしたが、その話をすると笑われた。「こんな田舎に泥棒なんか来ないわよ。まっ、野生の動物たちが来ることがあってもね」 まさしく、そんなところ。

2014/04/08

パリでのこわい思い出

 
 Frites(フリット)は、フランスでは至るところで食べられている。前回書いたグレックサンドにも付いているし、レストランの付け合わせやCaféでは堂々とメニューにあるし、家での食事でもよく食べられる。冷凍で常備している家庭も多い。今、日本でも流行っている油を使わないノンフライヤーもあるが、少し前までは油を入れて揚げるものが主流だった。油をいれて温度を合わせ、冷凍Fritesを入れてふたを閉めるだけで、揚げたてが手軽に食べられる。
 ある時、友達の家に泊まり、翌朝、友達夫婦は仕事があって早くに出かけるという。友だちに「少しのんびりしていけば。できたら、子どもたちとお昼、食べて行って」と言われた。息子も遊び足りなそう。ということで、私たちはしばらく残り、友達の子どもたちとお昼ごはんを食べてから、家を出ることにした。
 パスタを作っていると、子どもたちがFritesが食べたいと言う。機器をセットし、コンセントに挿してくれたが、油が入っていなかったみたいだ。変な匂いがするなと思い、ふたを開けると火を噴いた。天井近くまで火が上がり、びっくり。子どもたちが水を入れようとしたが、「きゃ~、やめて~」大変なことになるところだった。ふたを閉めて、コンセントから引き抜き、鎮火した。一大事になるところだった。。
 
 あとで聞くと、ヨーロッパ各地で事故や火事になり、問題になっていたらしい。友だちからは、「何もなくてよかった」と何度も言われ、私は子どもたちに何もなくてよかったと青ざめた。パリでの一番のこわい思い出だ。

2014/04/07

Sandwich Grec

 
 パリへ行くとつい食べてしまうもの、Sandwich Grec(サンドイッチ グレック)、いわゆる『ケバブ』のこと。日本ではほとんど食べたことがないし、食べたいと思ったこともあまりない。でも、パリではつい食べてしまうのだ。
 パリのものは、日本で売られているものとはかなり違う。まず、大きさが2倍以上、肉も分厚く、量もかなり多い。ケチャップやマヨネーズ、辛いソースを選んで、パンの種類も選べて、野菜もたっぷり入っている。そして、サンドイッチと同じくらい、Frites(フリット)、『フライドポテト』が付いてくる。いや~、このFrites、量が半端ないのだ。初めて食べたときは、多すぎて食べきれなかった。けど、今は食べきってしまう、いや、おなかをすかせて食べる準備ができた時に挑むのだ。映画『最強のふたり』の中でもドリスが仲間と分け合って食べていた。安くて、お腹いっぱいになるから、若者たちの味方だ。
 
 数年前、私がひとりでパリへ行ったとき、息子が聞いたこと。「おいしいもの、食べた?グレックも食べた?」「うん」「えーっ、いいなぁ!!!」パリのケバブは、ひと味違う。

2014/04/06

Intouchables(最強のふたり)

 
 私がフランスで暮らしたいと思ったのは、たぶんフランス映画に興味を持ってからだと思う。かなりの映画に感銘を受けたし、その頃はまだフランス語も理解できなかったが、耳に入ってくるフランス語がとても心地よかった。結末が曖昧でわかりにくいし、気分が滅入るものが多いという人もいるが、それがフランス映画の醍醐味だと私は思う。
 
 そんなフランス映画とはちょっと違うが、『最強のふたり』という映画を観た。事故のせいで全身麻痺になり、身体が不自由な大富豪フィリップと、ひょんなことからフィリップの介護をする黒人ドリスの友情のお話で、涙あり笑いありの実話を基にした映画だ。
 見終わった後、清々しいあったかい気持ちになったが、フランスに根付く問題を辛辣に描いた映画であるとも思った。日本ではありえないがフランスならあるかも、とつくづく思った、そんな友情のお話。そう思えるなんて、やっぱり、フランス人は不思議ですてきだな。

2014/04/05

郊外の一軒家の庭

 
 パリでの暮らしは、ほとんどがアパート住まいだが、ほんの少し郊外へ出れば庭付きの一軒家で暮らす人も多い。家族で暮らすフランス人の友達は、ほとんどが郊外の一軒家で暮らしている。
 フランス人は庭での過ごし方がとても上手だ。週末の朝食は庭のテーブルで取り、お天気のよい日の夕食はキャンドルを灯して、家族や友人と楽しむ。雨に濡れた椅子は逆さまに干しておき、使うときにささっとテーブルを拭いて、お気に入りのテーブルクロスをかける。何か、こんな何気ないことが羨ましいし、こんな風な暮らしが自然と出来るフランス人は豊かだなと思う。
 
 ただ、庭で食事をすると、いろんなものを庭に投げ捨てる、それはどうしたものか。果物の種は、もしかしたら生えてくるかもと投げるし、肉や魚は飼っているねこが外から戻ってきた時、食べるかも、と投げ捨てる。ここまでは、よしとするが、火の点いたタバコを捨てるのは、どうなんだろう。。でも、燃え移ることなく無事なのだからいいのかな。

2014/04/04

l'officiel des spectacles

 
 パリに着いたら、早めに買っておきたいもの、それはl'officiel des spectacles (ロフィシャル スペクタクル)という情報誌だ。Kiosque(キオスク)などで、0.5ユーロほどで売られている。1週間分の映画や美術館、l'expo(展示会)の休み、時間、料金などが掲載されている。住所や最寄り駅も載っているので、持っていると何かと役に立つ。小さくて軽いし、パリとパリ近郊の情報がぎゅっと詰まった一冊なので私は必ず買うことにしている。
 今はインターネットで何でも情報が入るし、パリではあらゆるところでWi-Fiも入るので、携帯で調べたくなってしまうが、i-phoneは盗難被害に遭いやすいので、むやみに使うのはやめた方がいい。で、重宝するのが情報誌だ。蚤の市や小さな通りで催されてる、いわゆるフリマみたいな情報も載っているので、持っていて損はない。同じような情報誌に『Pariscope(パリスコープ)というのもあるので見やすいものを選ぶとよいと思う。
 どちらも水曜発売なので、買う日には気をつけるべし。

2014/04/03

Maison Européenne de la photographie

 
 パリ滞在中、ここも必ず訪れるところ、Maison Européenne de la photographie (メゾン ユーロぺエンヌ ドゥ ラ フォトグラフィ)『ヨーロッパ写真美術館』St-Paul(サン ポール)駅から歩いてすぐのrue de Fourcy (フルシー通り)にある。保管している写真は1万点以上、そして6万点もの写真集を検索できる図書館もある。階によって、展示しているアーティストが違うのだが、写真の配置、壁に描かれた文字、照明の明るさ、訪れた人々が歩く道順まで巧みに計算されていて、毎回、感心してしまう。フランス人は芸術のお目が高いので、そういうところも手が抜けないのだ。そのうえ、比較的混雑しておらず、のんびり観れて、写真好きにはたまらない場所だ。
 
 あっ、ここでもトイレで事件が起こった。美術館のトイレはきれいなので、あまり行きたくなくても行っておくことにしている。次のトイレがどこになるかわからないからだ。この日も、トイレに行くと、タイミングよく、観光客風の若い女子が出てきた、微笑みながら。今、考えると困った顔だったかもしれないと思う。見た目は普段のトイレの風景だったが、水を流し始めるとコポコポと嫌な音が。。何か、奥のほうで詰まっていたらしく、水位がどんどん上がってくる、くる。こわくなって飛び出たけど、あの後どうなったんだろう。。フランス人ならほとんどの人が言ってくれるのにな、入んない方がいいわよって。あーっ、ほんとにこわかった。。
 こんなことはめったにないので、ぜひ。水曜日17時以降は無料なので、Marais(マレ)散策の後、ちょこっと寄るのもおすすめ。

2014/04/02

A bientôt!!!

 
 数年前、パリに滞在中、同じく日本に住むDanielleがパリに来ていて、「今から、会わない?」と電話があった。Luxembourg(リュクサンブール)公園内の美術館で、めったに観られない展覧会が催されているとのこと。聞くと、正直あまり興味のない展示だったが、仲良しの友達3人と一緒らしい。
 Danielle60歳は優に超えているお年頃。長年、日本でひとりで生きてきたからなのか、なかなか一筋縄ではいかない、一言で言うなら頑固者だ。たまには同い年くらいの友達が4人で集まってる、かしましいところを見たいと思い「行く、行く!」と、待ち合わせた。
 展示を観覧し終え、公園内のCaféでお茶しようということになった。注文も終え、みんなが一斉にしゃべり始める。フランス人はおしゃべりが好きだ。今、観て来た展覧会についてしゃべり、時々、私のパリ滞在中の話を聞いてきたりと、早口で怒濤のようにしゃべり続ける。私は井戸端会議みたいな、フランス人のおしゃべりの時間が大好きだ。いやー、ほんとに真剣な話から、どうでもいい、つまらない話まで同じペースで話し続ける。
 みんな、満足したのか、そろそろ帰ろうということになった。私とMichèlleChocolat chaud(ショコラ ショウ)『ホット ココアDanielleとあとの2人は、全然別々のものだった。私とMichèlle5ユーロずつちょうどを出し、みんなの会計を待った。
 「あら、ぴったりないわ。」と誰かが言い、お金のやりとりが始まった。「私が10ユーロ出すから、あなた、8ユーロ出して。」「私は、おつりが返ってきたら、2ユーロもらって、、あら、合わないわね。」15分ほど、こんなやりとりが続いた。
 結局、「Danielleが出し間違えたのよ、足りない分出して。」とみんなから言われ、納得できないが渋々出すDanielle。えーっ、あの頑固で、一度言い出したら聞かないDanielleが出してる。。何だか、意外な一面を見た気がした。でも、そんな光景は後にも先にも一度きりだ。
 そんなDanielle17年間の日本暮らしに別れを告げ、今日、フランスに戻る。いろんな逸話を残してくれたから、またいつか書こう。
 
 またね、Danielle!!! A bientôt et Gros bisous!!! 
 ちなみに、かしましい仲良し4人組は今も健在だ!
 

2014/04/01

Comptoir de l'image

 
 パリを訪れた際、必ず立ち寄る本屋さんが何軒かある。写真集、雑誌、絵本、小説、ジャンルに関わらず、本が大好きなので、本屋のはしごもよくするぐらいの本屋さん好き。新しくできた本屋は必ずチェックするし、本は荷物が重くなるけど、何冊か買って帰るのがお決まりだ。
 まず、『Comptoir de l'image(コントワー ドゥ リマージュ)Marais(マレ)地区の静かな通り、rue de Sévigné(セヴィニェ通り)にある。今ではあまり見かけない写真集や古いモード系雑誌など、他ではなかなかお目にかかれないようなレアなものが多い。『やっぱり、またパリへ行こう!』でも紹介したし、雑誌の取材もさせてもらった、お気に入りの本屋さん。住んでいる頃から通い続けているので、かれこれ。。当初から今に至るまで店構えも変わらず、そして何より店主が全然変わっていないのが、何だかうれしくて、つい寄ってしまうんだな。写真関係の仕事をしていた店主のセレクトは信頼できるし、モード系のお客さまも多数。
 
 そういえば、数年前、欲しかった写真集を見つけ、大喜び。でも、店主の手書きの値段を1桁間違え、お会計をお願いしそうになり、あわや。。やばい、手の出ない値段。ちょっとクセのある、フランス人の手書きのプライスには気をつけなきゃ。