2014/07/07

Pharmacie


 旅に出るといろんなことが起きる。それが思い出になったりするわけだから、楽しんでしまえばいいのだけど、それが風邪を引いたとか、体調が優れないなんてことだったら、ちょっとつらい。

 旅支度の中に必ず入れるもの、お薬。そんなに大して入れて行かないけど、頭痛薬と風邪薬くらいは持って行く。もしもの時のお守りみたいなものだ。出発する前は仕事や準備やらでバタバタして疲れているけど、そんな時は機内でぐっすりなので、かえって調子がいい。でも、機内で眠れなかったとか、着いたらいきなり寒かったとか、そんな些細なことで風邪を引いたりする。もし、誰かに移されたものであれば、日本からの薬も効かなかったりするので、そんな時はPharmacie(ファーマシー)『薬局』へ行くとよい。みんな、親切に対応してくれる。そうだ、スーパーや郵便局とかでは、みんな面倒くさがったり、トロトロと時間をかけたりするけど、薬局は親身に素早く対応してくれる気がする。フランス人、弱い者いじめはしないのだ。フランス語で説明するのはなかなか至難の業だと思うけど、ちょっとした単語とジェスチャーで意外といけるものだ。

 フランスでは、熱が出ると水風呂、これは有名な話。水と言っても、ぬるめのお湯と言った意味だけど。ちなみに私も熱のある時はシャワーを真っ先に浴びると治る気がする。

2014/07/06

電波


 今どきは携帯電話も普及して、いつでも、どこにいても連絡が簡単に取れ、ほんとに便利だと思う。たまに山奥に実家があるとか、出掛けたキャンプ先とか、ごく稀に携帯がつながりにくいってことがあっても、音信不通になるなんてことはめったにない。

 何度も出てきたIsabelleの実家は、しつこいようだけど、想像を遥かに超えるぐらい広い。そして、人里離れた田舎なので携帯の電波の届きが悪い。広い敷地の一カ所にだけポイントがあり、そこで電話をかけるしかない。それじゃあ、家の電話にかければいいじゃんってことなんだけど、日中は外でくつろいだり、プールにいたりで家の中にいないし、とにかく広すぎて電話の音が聞こえない。Isabelleが実家に帰ると、何日も連絡がつかないなんてことになり、伝書鳩でも飛ばしたい、そんな気持ちにさえなる。
 
 普段、ひとりで暮らすIsabelleのママは大変じゃないのかなと思うけど、毎日、家の諸用事をしてくれるClaudと週に2, 3回は家の掃除をしに来てくれる人がいて、何ら困ることはないらしい。日々の退屈さはポーカー仲間のおかげでないと言っていた。
 数年前、近くにインターネットカフェができたらしい。Isabelleのママはそこに通っているようだ。あれ、そんな近くにそんなのができるのなら、家の中にも電波が届くようにしてあげればいいんじゃない?

2014/07/05

移動パン屋さん


 パリには、Boulangerie(ブランジュリー)がこれでもかというぐらいある。例えていうなら、東京のコンビニくらいの感じだろうか。ちょっと歩くと、また目に入る、そんな感じなのだ。日本の田舎と同じく、フランスの田舎も車がないと生活できない。日本よりも遥かに敷地面積が広いフランスだから、隣の家を探すのすら困難なところもある。
 
 Isabelleの実家はBergerac(ベルジュラック)から車で20分ほどのところにある。隣の家は遥か遠く、あるのは広大な自然だけだ。買い物も大変だ。週末に開かれるMarchéで果物や野菜、チーズを買い、少し離れたスーパーに買い出しに行く。困るのは毎日食べるパン。すぐに固くなってしまうバゲットを買い置きするわけにはいかない。この辺りでは、週に2回、移動パン屋さんがやってくる。車に載せられたパンは出来立て、というわけにはいかないけど、今朝焼いたものを持って来てくれる。特に、高齢者家族にはありがたい存在なのだ。昔、私の住んでいた田舎でも車でパンを売りに来ていた。そのまた、少し前はロバが運んで来ていたのだが、きっと、ここフランスでも昔はそうだったんじゃないかな。移動パン屋さん、小さな村ならではの工夫だ。
 
 ちなみに村に唯一あったCaféは、数年前になくなった。Isabelleの実家から歩ける距離にあり、人口200人ほどの村なのにいつも繁盛していた。さて、今はどんな風になっているんだろう。

2014/07/04

犬や猫


 フランス人は動物好きな人が多い。アパートでは動物を飼ってもよいし、周りに嫌が人もあまりいないので、やっぱり、犬や猫を飼っている人が多い。

 散歩するのはいいんだけど、道に犬のウンチを残して行く、そんなフランスの常識にはやっぱりついていけない。あぜ道ならまだしも、石畳の道にポツンと残されたウンチはどこにも消えない。よく、ウンチを踏んづける友達がいた。「なんか、におうよね」そんな時はだいたい、その子がウンチを踏んじゃったまま、家に来た時だ。パリの生活にウンチの話は切っても切れない。
 
 パリ郊外のMarieの家の猫、ドミノは自由に出入りして、何日も戻ってこないことなんて日常茶飯事だった。時にはお腹をすかせて、時には獲物をくわえて得意気に帰って来たものだ。でもやっぱり、田舎に行けば行くほど動物たちも自由だ。
 BergeracのIsabelleの実家で飼われていた犬、ピピットはどこが家なのか、どこが外なのかわからない感じだった。外へ出たつもりでも、10ヘクタールもある敷地の中は、どこまでも自分の家なのだ。でも時々、迷子になり、不安げに帰ってくることもあった。何ともまあ、贅沢な。。

2014/07/03

日本人?


 パリはもちろん、フランスの地方を旅する日本人も多い。「この村に日本人が来たのは初めてだよ」とよく言われるが、たぶん、アジア人の見分けは彼らにとって難しいし、小さな村は見るところもないから、みんな素通りするんだと思う。たぶん、村に留まってのんびりしている私たちを見て、こう言うのだろう。

 Bretagne地方にある、Morlaix(モルレー)は海もあり、夏になるとヴァカンスを楽しむ人が集まってくる小さな町だ。ここは、Marieの実家に来た際に降り立つ駅であり、夏祭りにも何度も訪れたところだ。町の中心には広場があり、これを取り囲むように小さなお店が集まっている。その中にアフリカンな布やアジアンテイストの小物、アクセサリーを取り扱うお店があり、何度も通っている。
 
 この年も、夏祭りの最中にここに立ち寄ってみた。店主と一言二言交わすとこう言ってきた。「奥にいる客が日本人っぽいんだけど、フランス語がわからないみたい。サイズや素材の説明をしたんだけど理解できなくて、もしよかったら、説明してあげてくれない」
奥を見ると、確かに日本人のようだ。近寄り、声をかけてみた。「日本人の方ですか」「・・・」あれ、違うのかなと思ったけど、ひとり言のようにつぶやく言葉は明らかに日本語だ。何度、話しかけても首をかしげるだけ。。何で? 店主にそれを伝えて、お店をあとにしたけど、ほんとに何だったんだろう。。
 そういえば、パリでも地図を広げて迷っている日本人に「大丈夫?」と声をかけたら、一目散に逃げて行かれたこと数回。そんなに怖く見える、わたし?

2014/07/02

テント



 夏のヴァカンスといえば、フランスの若者はバックパックとテントを背負って、旅に出かける。高校生になった頃から、友達同士でキャンプに出かけたり、友達の祖父母の家に行ったりするのに、テントはなくてはならないものだ。

 Marieの子供たちは毎年、ボーイスカウトのイベントで、7月あたまからキャンプに出かける。一ヶ月近く、まだ学校に行っていないくらいの子供たちから、二十歳を過ぎた子たちの団体でキャンプを行うらしい。100人とか、それ以上集まると言っていた。トイレもシャワーもなく、火も自分たちでおこし、基本的には自炊で過ごすみたいだ。何度か、息子も誘われたが、参加できないまま今に至る。あ〜、残念。年齢が上の子たちが下の子たちの面倒を見て、テントの設営から料理まで教えてくれて一ヶ月も過ごすなんて、ほんとに楽しい一生の思い出になるに違いない。

 そんなイベントには参加できないままだけど、テントで一晩過ごした思い出はある。BretagneのMarieの実家の庭で、だ。いつもの滞在時は、前にも書いたシャンブル ドットに泊まるのだけど、Aliceの友達数人が、テントで寝泊まりするのをちょっと羨ましく思ったのだ。
 夏とは言え、Bretagneの夜は肌寒い。毛布や布団を用意してもらい、庭の真ん中にテントを張った。すぐそばの家にはMarieたち、近くにはAliceの友達が泊まるテントがあるにも関わらず、風と遠くで鳴る木々の音がちょっぴり怖かったりして。。
 でも、きっと友達んちの庭でテントを張って寝た家族なんて、しかもフランスで。。あんまりいないだろうな。 

2014/07/01

お洒落


 時々わからなくなる、フランス人はお洒落なのかそうでないのか。
 雑誌の中の、パリコレ特集やセレクトショップのスタッフが出てくるページは、みんなが思い描くようなパリジャン、パリジェンヌなのだと思う。確かにモデル張りのスタイルに、奇抜なファッションでかっこいい。でも、果たしてそんな人ばかりが街角を歩いているのか。もちろん、おしゃれでステキな人もいるけど、ちょっとびっくりするような恰好の人も多い。よく言えば個性的なのだ。
 フランスでは、学生は学生らしく、若くて何を着てもそれなりに決まる人はそれなりに、お金持ちのマダムはそれらしく、とにかく分相応をわきまえている。フランスの若者の足元を見ればすぐにわかる。みんな、ボロボロのスニーカーを履いているのだ。バッグだって、ブランド品を持っている子なんてほとんどいない。自分で稼げるようになってからも、お金のかけ方は日本とフランスでは違っていると思う。
 
 某ファッション誌のフォトエディターのLaurenceは、同世代のおしゃれな友達だ。妥協を許さない、買い物に出かけても時間をかけて、じっくりと選ぶ派だ。
 数年前、ひとりでパリを訪れた際、我が家の男子ふたりにスニーカーを頼まれた。日本では売られていない、ヨーロッパ仕様のものだ。もともと、パリは東京ほどものが溢れているわけではない。Lanrenceとめぼしい店をまわったけど、ことごとく置いてなかった。さんざん歩いたけど見つからず、メトロで移動し、また歩き回ってそれでも見つからない。。ふたりとも疲れ果て、でも気持ちがわかるから、なんでもいいじゃんとも言ってこない。。これはdéjà-vu(デジャヴュ)だ。Laurenceの日本での買い物につき合ったときにもあった。マダムにはまだ遠い私たち、これでいいのよね、Laurence。