2014/06/30

子連れ


 フランスは子供にやさしい国だ。子連れだと順番待ちや席など、何かと優先してくれるし、外でもよく話しかけられる。郊外のひとりで歩くにはちょっと怖さを感じる地域でも、子供連れだと逆に安心できる。

 息子が3歳の頃から、一ヶ月ほどフランスに滞在するのが、毎年の恒例になっていた。いくつになってもどこに行っても、息子は"Mademoiselle"(マドモアゼル)と言われ続けていた。もちろん、その日の恰好にもよるのだろうけど、今どき、スカートしか履かない女子もいないわけだし、ちょっとばかり、髪の毛も長かったかとは思うけど。。本人は至って平気で、それを楽しんでるようにも見えたから、どうでもいい話ではある。
 だけど、得することもいっぱいあったような気がする。子供というだけで、ちょこっとサービスをしてくれるのがフランスだけど、「女の子に間違えちゃってごめんね」的なサービスも多かった気がする。ショップで絵はがきをもらったり、アイスクリームを買ったら大盛りにしてくれたり。
 
 ある時、イギリスの友達を訪ねた帰りのユーロスターで、確か、ギリシャ人の年配の紳士と息子が仲良くなった。この時も女の子と間違われたんじゃなかったかと。二人で遊んでいるうちに、えらく息子のことを気に入った老紳士は、売店で私たちに昼ご飯を奢ってくれた挙げ句、パリでおいしいものをごちそうしたいから、ホテルに遊びに来ないかと誘ってきた。なんか、すごいホテルだったことは覚えているけど。。
 老紳士はフランス語が話せなかったので、私は隣に座っていた女性にフランス語で聞いてみた。「どう思う? あやしくない?」「大丈夫じゃないの。息子のことが気に入ったのよ」と。いやいや、いい人だったけど、連絡はしなかったな。うん、たぶん悪い人じゃなかった。。子連れって、違った意味でいろいろ起きて楽しい。 

2014/06/29

Midori-san



 日本ぐらいだろうか。初対面の人は、必ず"さん"付けで呼ぶ。フランスでは、初めて会った人も呼び捨てだ。慣れてしまえば、こちらのほうが面倒でないし、よいかもしれない。だんだんと仲良くなっても、名前以外のことを知らないことも普通だ。日本だったらよく聞くようなこと、例えば年齢、血液型、出身地、それから名字を知らないこともよくある。要は仲良くなる段階でも仲良くなってからも、そんなことはどうでもいいってことなのだ。
 
 さて、フランスの友達の中で、唯一私のことをMidori ではなく、"Midori-san"と呼ぶ友達がいる。香港人のTai-kiuさんだ。初めて、フランスへひとり旅をした時に知り合って以来の仲。一ヶ月を超える滞在中、言葉も話せず、友達もいない中、仲良くなり、それ以来、家族ぐるみの付き合いをしている。友達Steavenの弟さんがJhonさん、その奥さんがTai-kiuさん。SteavenとJhonさんは中国系日本人で日本語はもちろん話せる。フランスで知り合って、フランスに長く暮らすJhonさんとTai-kiuさん一家は、生まれも育ちもフランスの二人の息子も含めて、日常会話はフランス語だ。今は、私との会話もフランス語だけど、初めて会った時、私は全くしゃべれなかった。
 そういうワケで"さん"付けなのだ。この響きがけっこう好きで、気に入っている。日本人が呼ぶ、"みどりさん"ではなく、"Midori-san"。何が違うって、ちょっと発音が違うからなのか、フランス語だけど中国語っぽいからなのか。もう20年来の友達だけど、変わらず呼び合う、この感じが懐かしくもあり新しいままだ。
 あっ、日本人が呼んでくれる"みどりさん"も嫌いじゃないよ、あしからず。。

2014/06/28

丸焼き


 出されたものは美味しくいただく、それが我が家の流儀だ。なんて、そんな大げさなことではなく、一生懸命作ってくれたものは一生懸命食べたい、ただそれだけだ。フランスの友達の家で出してくれた料理を思い出してみる。どれもこれもおいしいものばかりだった。なかなか日本では食べられないものも、振る舞ってもらった。

 フランス人は何とかの丸焼きが好きだ。Marchéや専門店には軒先でPoulet rôti(プレ ロティ)『鶏の丸焼き』がくるくる回っているし、鶏を一羽買ってきてオーブンで焼くこともしばしばだ。鶏は普段から食べているし、おいしくいただいちゃう。でも、普段食べないものはちょっと緊張する。
 初めてLapin(ラパン)『ウサギ』の料理を食べた時はどきどきした。言われなければそれがウサギだとはわからないぐらいだった。でも、友達の家でうずらの丸焼きが出された時は絶句した。一匹丸ごと焼かれているのだ。それを頭からパクりといっちゃうらしい。いやいや、ほんとにそのままの姿を見ちゃうと、どうしても手が出ない。頭からパクリなんて嫌すぎる。。結局、切り分けてもらって、これまたどきどきしながら、食べた。でも、思ったよりもおいしくて、ほっとした。あっ、頭は食べてないけど。
 
 NormandieのagnèsとAlinの家に行った時、庭でくるくる回っていた鶏を見た時も衝撃だった。庭で焼かれているのを見たのも初めてだったし、何より、Alinたちが飼っている、さっきまで庭を駆け回っていた鶏なのだ。でもこれが生きるってことなんだよね。。
 これが、これまでで一番美味しかった、鶏の丸焼き。

2014/06/27

食中毒


 この季節、いろいろ気になる食のこと。息子のお弁当のことも気になるし、日々の食事も注意しなければならない。そう、食中毒のことだ。

 我が家はみんな、好き嫌いもなく何でも食べちゃうけど、どこに行って何を食べても大丈夫な気がする。フランスでは生のものが好んで食べられる。生牡蠣やSteak tartare(ステック タルタル)『生肉のステーキ』は好きな人も多い。それまで生の挽肉のステーキなんて食べたこともなかったけど、これがまた病みつきになるおいしさ。これに慣れてしまうと、ステーキもsaignant(セニャン)『レア』でなければ気がすまない。家での食事でも、肉を焼きすぎると、フランス人の友達に怒られてしまう。ただ、生ものにはいつでも危険がつきものだから、心して食べなきゃだとも思う。
 
 食べものにあたったことは運良く一度もないけど、何か嫌な予感のするときはあるものだ。パリに暮らしていた頃、サラダを作ろうとコーンの缶詰を手にした時、何か嫌な予感がした。賞味期限を見ると、一年後の日付になっている。なんだ、大丈夫じゃない。でも開けてみると、なぜだか悪くなっていた、缶詰なのに。。嫌な予感はあたるものだ。いまだになぜだか分からないけど、生でもそうでなくてもダメなときはダメなのだ。おいしいものを食べるときは命がけだ。

2014/06/26

紫陽花


 春から夏にかけて、フランスのあちこちで花が咲き、庭や街並みに彩りを添える。地方によって気候も違うけど、紫陽花はフランスのどこに行っても見ることのできる花だ。地方ごとの違いはあまりわからないけど、色が様々な紫陽花は、そこかしこでいろんな表情を見せてくれる。
 手入れをしているわけでもないのに、フランスの田舎の紫陽花は大きくて力強い。田舎の家は広い庭があるのに、さみしそうに家に寄り添って咲いている。なぜだか、私にとってフランスの花といえば紫陽花なのだ。今の季節、近所に咲く紫陽花を眺めながらフランスを思い出す。
 
 紫陽花、雨とくればでんでん虫。ブルターニュのMarieの実家には立派な紫陽花がたくさん植わっていたからか、でんでん虫も立派でたくさんいたけど、つい、気づかず踏んづけること数回。。それも、思い出。

2014/06/25

Galette


 何でも、ちょちょいとやってしまうフランス人。気負ってなくて何だか羨ましい。例えば、友達の家にお呼ばれしたら、簡単にタルトやバウンドケーキを焼いてみたり、庭の木の果実がたくさん実った日には、突然ジャム作りを始めたり、今日はこれやるぞ〜と意気込んだりしない。
 そんな感じだから、スーパーで買わなくても当分間に合いそうなくらい、手作りジャムが並んでいる。自分ちで取れたすももを使ったジャムだったり、お姉ちゃんが作ったブルーベリーのジャムだったり。甘さもほどよく、そのまま食べても十分に美味しい。どの友達も何かしら得意な家庭の味を持っていて、それはお母さんやおばあちゃんから受け継がれているのだ。
  
 MarieのBretagne(ブルターニュ)の実家を訪れると、同じ時期に来ているMarieの姉妹が台所に立つ。Nantes(ナント)に暮らすClaude、Bruxelles(ブリュッセル)に住むChantal、そして末っ子のMarie。みんな、手際も味もピカイチだ。人数が多い時は、みんなに行き渡るまでに時間がかかるのでなかなか大変だけど、ガレットを作っておやつに食べさせてくれたり、とにかく、ちょちょいと作ってしまうのだ。
 そんなみんなに、お好み焼きを作ってあげようと材料を持参したけど、作る機会を逃し、私たちはパリへ戻ってしまった。そこはフランス人。ちょちょいと、みんなで作って食べたらしいのだが「ガレットみたいでおいしかったよ」と大好評。
 もしかしたら、ガレットみたいに薄く、折り畳んだりして食べたのかも。。まさか、ヌテラを塗ってみたとか? 聞けばよかった。

2014/06/24

フランス人と漢字


 通りを眺めながら歩くとふと気づく、店先や看板に、フランス語が多く使われているなと。つい一昔前は、フランス語よりも英語のほうが断然多かった。フランス好きの人も多く、より身近になってきたのだろうか。
 
 フランス語は、発音の仕方が特殊だったりするので、いわゆる日本語読みになってしまうのは仕方がない。ちょっとばかり読み方を変えちゃってることもあるけど、それぐらいはかわいいもんだ。パリでは、和食のレストランやお店の看板に書かれてある日本語が、かなりおかしいことがある。もちろん、日本人がやっているお店ではないのだけど。
 
 フランス人は漢字が書かれたTシャツをなぜか、よく着ている。日本人がフランス語のものを身につけるのと同じなような、ちょっと違うような。「これ、何て読むの?」うーん、たぶん漢字でもないし、でも日本語チックだし。。ほんとに困る。
 もっと困るのは名前を漢字で書いてくれと言われることだ。どうしても”夜露死苦”みたいに見えて笑ってしまうけど、この感覚はなかなか伝えにくい、あー、残念。

2014/06/23

Beaubourg


 Centre Pompidou(サントル ポンピドゥー )『ポンピドゥーセンター』、パリへ行ったことがある人で、ここを訪れない人はいないだろう。パリの中心に位置する、Châtelet-Les Halles(シャトレ レアール)にある国立の美術文化センターだ。
 まず、パイプとガラスで造られた壁面がもうすでに芸術的で、中も広々としていて、前衛的な展示がいくつもの空間で催されている。ここの一階にある本屋さんも人気だ。写真集や建築関係の本、そして絵本の種類も豊富なので、子連れで訪れるのもいい。広い空間にいつもたくさんの人がひしめき合っているので、子供が一緒でもあまり気にならない。ここに来る時は荷物は小ぶりなほうがいい。大きい、例えばキャスター付きの小さなスーツケースでも持ち込みが禁止だ。

 "Beaubourg"(ボウブール)、パリっ子はポンピドゥーセンターのことをこう呼んだりする。通りの名前からこう呼ばれるのだけど、それを知らなかった頃、フランス人の友達に「今日、Beaubourg 行こうよ」と言われ、何のことか分からなかったことを思い出す。こんな風な言葉がけっこうあるから、使いこなせればちょっと楽しいかも。

2014/06/22

家の改装


 ヴェルサイユからパリへの帰路の途中にある、"Beaumarié(ボウマリエ)。家に関する、ありとあらゆる物が売られているところだ。一応、カテゴリー別に分けられて置かれているので、欲しいものを探せるには探せるけど、値段も付いていなければ、一体何なのか分からないものも多数ある。玄関の扉とか、どれもこれも味のある年季の入ったものばかりだ。
規模の大きさに違いがあるにせよ、フランス人は家の改装が大好き。ペンキ塗りや壁紙の張り替え、棚を作ったりは朝飯前だ。掃除は苦手な人が多いが、改装となると俄然やる気がでるらしい。古い一軒家やアパートに暮らす人が多く、改装する際も新しいものを取り入れながら、古いものを残していくというやり方が当たり前になっている。フランス人は新しくてかっこいいものも好きだけど、先祖代々受け継がれているものに対して、敬意を払うことを忘れない。そのバランス感覚は長けていると思う。

 初めて住んだパリのアパートでは、壁や天井をすべて塗り替えた。フランス人の大家さんは、きれいに塗れたら材料費は払うよと約束してくれた。初めてにしては上出来だったと思う。それまでペンキ塗りなんてしたこともなかったけど、今では家の改装が大好きになった。日本ではなかなか改装できないから、模様替えでガマン、ガマン。

2014/06/21

Château de Versailles


 初めて見る人にとっては、圧巻だと思う。昔、『ヴェルサイユのばら』を読んだり映画を観たりして、興味や憧れを抱いている人も少なからずいるだろう。

 パリから電車で20分ほど、車で行くとヴェルサイユ宮殿の敷地の端っこまでなら、あっという間に着いてしまう、それほどに近い。あまりの広さに度肝を抜かれるが、こんなところにマリーアントワネットが。。と思うと、何だか不思議だ。
 私は『ヴェルばら』も読んだことがないし、宝塚のファンでもないので、実は館内は訪れたことがないのだけど、le Hameau (ル アモー)と呼ばれる農村風景を模した庭園やle petit trianon『小トリアノン宮殿』は好きな場所だ。贅を尽くした宮殿内の鏡の間や噴水のある広大な庭園とはうって変わって、ひっそりとした佇まいでヴェルサイユ宮殿の敷地内とは思えないほどだ。水車があったり、池に鴨の親子がいたり、畑にはいろんな野菜が植えられている。

 敷地内は広くて、とてもじゃないけど歩いてなんか回れない。車移動か、レンタサイクルで回ると便利。近所に住む人たちのサイクリングコースにもなっているらしく、自転車の練習をしている親子にも遭遇した。なんともまぁ、羨ましい。

2014/06/20

Panaché


 この季節、喉も渇くし、暑いしでつい、お茶やらアイスコーヒーをガブガブと飲んでしまう。こんな時に恋しくなるのは『Panaché』パナシェ。もっと、すきっとしたい時にちょうどいい。ビールとレモネードを混ぜ合わせたものだから、見た目は薄まったビールみたいな感じ。アルコール度数も1%未満で、飲み口もジュースみたいだ。スーパーでは小瓶が1ダースとかで売られている。
 さて、これを飲み始めると止まらない。冷蔵庫に入れておくと、喉が渇いた誰かしらが飲んでしまうので、買っても買ってもきりがない。フランスは小瓶のビールもスーパーでよく見かける。個人的には、瓶から直接飲むのがビールもパナシェもおいしいと思う。
 
 基本的に自動販売機もなく、ましてやビールの販売機なんてない。外出中や帰り道につい買うのだろう、スーパーの飲み物売り場は、紙やビニールでダース分けされたビールやパナシェが抜かれて散乱している。1本売りも当然あるのだけど、日本のように親切ではなく、勝手に取り出して、欲しい分だけ会計する。以前も書いたけど、冷えてもないし、生ぬるくてすきっとしない、こんなんじゃ。。でも、自動販売機がどこにでもあったら、間違いなく一晩で壊されちゃうだろうな。

2014/06/19

味のある窓や扉




 ついにとうとう、100回目のブログだ。といっても、毎日書いているわけだから、まだ3ヶ月ちょっと。春から初夏になったばかりだ。

 暑い日にはもう、すでに冷房を入れている。窓を開けたくても湿度が高く、これじゃ仕事にならない。心地良い日は窓を開けると気持ちがいいのだが、何が嫌って網戸の存在だ。外を見ようにもぼんやりとした景色になってしまうし、風の通りが悪くなる。そのうえ、掃除は大変なのにさほどきれいにならないし、いつか網戸に変わるものが現れるんじゃないかと秘かに期待しているのは、私だけだろうか。。

 フランスの窓には網戸なるものは存在しない。建て付けの悪いフランスの窓に網戸は物理的に難しいし、虫の少ないフランスにはあまり必要ない。パリの町には自然も多く、自然界に必要な虫たちはたくさんいるけど、いなくてもいいのに、と思う虫は少ないと思う。窓を開けっ放しにしていても、それらの侵入者はやってこない。
 でも建て付けの悪い、いや、これが一般的である窓やドアからのすきま風は半端ない。真冬のすきま風は家に居ながら骨身に染みる。扉の下の隙間を塞ぐ、胴体の長ーいぬいぐるみを思い出す。『30, rue keller』のアパートにはガス暖房が付いていて、氷点下の冬も快適に過ごせたけど、友達のアパートは寒過ぎて眠れなかったと言っていた。寒い冬を越すのに、新聞と段ボールが必需品だとしみじみ語っていた。でも、フランスのすきま風の入る窓やドア、味があって羨ましいとつくづく思う。








2014/06/18

la tour Eiffel


 今さら観光って感じでもないけど、ずいぶん前に行ったきり、足を踏み入れていないところやすっかりご無沙汰しているとこもあり、頭の中をちょっと整理しなきゃと思ったりしている。

 観光らしい場所、la tour Eiffel『エッフェル塔』には毎回必ず訪れる。パリのどこからでも望めるエッフェル塔。人それぞれ、どこから見るのが好きか、きっとあると思う。私はシャイヨー宮からエッフェル塔を眺めるのが好きだ。ここにもエッフェル塔を目当てに集まった人たちがわんさかいるのだが、少し高台にあり、近すぎず遠すぎず、いい距離感が保てるのだ。
 数年前、息子がどうしてもエッフェル塔に上りたいといったが、相変わらず、すごい行列ができていた。エレベーターで上る人たちの列と階段で上を目指す人たちの列。行列に並ぼうとしたものの、友達との約束の時間が迫り、敢えなく断念。。その次の年に必ず上ろうと固く誓い、約束通り、息子はエッフェル塔に上ったのだが、私は仕事をしながら麓で待っていた。
 
 実は一度も上ったことがないエッフェル塔。上ってしまうと大好きなエッフェル塔は見れなくなってしまうけど、今さらながら、何だか上ってみたくなってきた。次回は勇気を出して、あの行列に並んでみようかな。

2014/06/17

Accent


 日本でも方言があるように、フランスでも異なる言語が現存する地方がある。その種類は75とも言われているが、大きく分けると、ラテン、ゲルマン、ケルト系などに分けられる。継承する人がだんだんと減り、存続の危機に晒されている言語もあるらしい。Marieのお父さんは、Bretagne(ブルターニュ)で生まれ育ったが、小さい頃はフランス語とBreton(ブルトン)語のどちらも会話の中で入り交じっていたみたいだ。Marieは、わかる言葉もあるけれど、会話できるほどではないと言っていた。日常会話で使われることはほとんどないけど、町の至るところでBreton語を見かけることがある。お店の看板や道路標識、駅や町の案内図などにも使われている。同じ言葉でも全然違っていたり、読み方も難しかったりするけど、その地方の歴史を感じることができる。Français-Bretonの辞書があったり、同じ国の中でこんなにも言葉が違うのは、ほんとに不思議だ。
 
 方言や異なる言語もそうだが、訛りというのも存在する。フランス語の言うところAccent(アクサン)。ベルギーやケベック、アフリカなどの他国のAccentはもちろんだけど、田舎の訛りも地方それぞれだ。Normandie(ノルマンディー)を一緒に旅した時、友達の子供が困惑した顔で私に聞いてきた。「Midoriは聞いててわかる? 私は半分くらいしか聞き取れないの」ちょっと大げさだけど。。

 訛りや方言は日本と同じく、あったかい気持ちになれる、そんな言葉だ。

2014/06/16

語学勉強


 フランスが好きで、フランス語を始める日本人がいるように、日本語を勉強するフランス人もたくさんいる。語学を習得するには、そこに住み、生活する中で覚えていくというのが一番の早道だ。そういう機会があればいいのだが、そうでなくてもいろいろ方法はある。旅へ出かけたり、フランス語が話せる友達を作ることで、日本に住んでいても話せるようになることはできる。フランス語のCDを聴くのもいいし、映画もわりと聞き取りやすく、何回も観ることによって、よく使うフレーズを覚えたり、一番実用的かもしれない。今どきの映画を観れば、最近の言葉がわかるし、古い映画は昔ながらの言葉を理解することになる。

 フランス人の友達家族が、しばらく日本に住んでいた時、子供たちは日本語の学校に週何回か通っていた。上のお姉ちゃんのクラスの先生は年配の女の先生で、出で立ちも、もちろん話し方もお上品だったらしい。あれから10年。。フランスに帰って日本語を使う機会もほとんどなくなったけど、たまに話すのを目の当たりにした友達が笑いをこらえて話していた。「あの子、フランス語でしゃべる時は早口でオラオラ話すのに、日本語を話し始めると、途端にゆっくりとお上品なしゃべり方になるのよねぇ。隣で聞いてて、いつも笑いをこらえるのが大変なの」と。どこで誰から、何を見て語学を習うか、割と重要かもだけど、それはそれで愛嬌ってことで私は好きだな。

2014/06/15

フランス人、鼻をかむ


 テレビを観ていたら、フランスの俳優が鼻をかんでいるCMが流れた。フランス人の鼻のかみ方は独特で、目を瞑っていてもフランス人だなとわかってしまう。

 ティッシュは丈夫で何回も使うと以前書いたが、そのティッシュを使って器用に鼻をかむのだが、音がうーん、なんと言えばいいか、ちょっと甲高い。その音は不思議なくらい皆、同じなのだ。そして、季節は関係なく、一年中、鼻をかむ。暑い夏も、いつでもどこでも。片方の手でティッシュをくるむように持ち、鼻の上部を挟み、そして甲高い音で鼻をかむ。でも、どうもあまり出ていない気がするのは気のせいだろうか? いや、たぶんすごく出ていたら、いくらティッシュが丈夫とはいえ、何度も使うのは不可能だと思う。たぶん、フランス人は常に鼻の中がすっきりしていないと気が済まないのだと思う。ほんの少しでも出し切りたいのだ。鼻を啜るという行為は皆無だ。
 なぜ、そんなに鼻をかむのか、今の今までフランス人の友達に聞いたこともなかったけど、気になってしょうがなくなってきた。今すぐ聞きたいけど、でもメールに書いたらびっくりされるかな。 

2014/06/14

メトロの切符


 フランスから戻ってくると、あぁ、また持って帰っちゃったと思うものがたくさんある。荷物になるのはわかってるんだけど、つい、というか一度持って帰ってしまい、何だかコレクターのようになってしまう。

 その中のひとつが、メトロの切符。お得な定期券、一ヶ月、一週間のものや、一日乗車券っていうのもある。たくさん歩くから一日乗車券って感じでもないし、月曜にしか買えない一週間のものよりも、カルネのほうが便利な時はこちらにする。カルネとは10枚分の料金でプラス2枚分くらいお得な切符のこと。我が家の棚に飾ってあるアンティークの缶の中には、未だに捨てられない切符やら定期やらがぎっちり詰まっている。
 
 パリの我が家、Marieの家はその頃、パリ北西部の郊外にあった。パリと言ってしまうほど目と鼻の先にあるのだが、それでもやっぱり郊外、電車賃もちょっと高くなる。
 パリからのカルネを買い、明日からしばらく地方へ行くことになった前の日。小さい息子を連れて家路へ急いでいた。郊外の電車は本数も少なく、行き先によっては通過してしまう駅もあるので、夜遅くの帰宅は気をつけなければならない。もうすぐ発車する電車を見つけたけど、切符がない。迷ったが、乗ってしまった。郊外型電車SNCFは改札口がないかわりに、刻印機に切符を通さなくてはならない。さて、夜も遅いし、コントロールの人もいないだろうと高をくくっていたけど、こんな時に限っているんだなぁ。その後、どんないい訳もフランス語がわからないフリも通じず、悲しいけど、高い罰金を払い。。今はSUICAみたいなNAVIGOが便利で使っているから、もう二度とこんなことはないな、うん、反省。。

2014/06/13

LES GUIGNOLS DE L'INFO


 今日からW杯が始まった。サッカーファンは待ちに待った、それほどでもない人もニュースや特番をチェックして、4年に一度のW杯は、世界中でお祭り騒ぎだ。フランスでも。。と思いきや、ちょっと冷めた目で見ている人たちもいる。"Je ne regarderai pas la coupe du monde 2014!"『2014 ワールドカップは観ないつもりです!』に参加しているフランス人の友達も何人かいたりして、必ずしもみんながみんな、サッカーが好きというわけではないのだ。

 前にも書いたが、Claudeはサッカーのサの字も知らず、Danielleはサッカーが大嫌いとまで言い切る。しかし、みんな、なぜだかサッカー選手を見分けられ、話をしても全くわからないってことがない。それは、CANAL+(カナル プリュス)でやっているテレビ番組、"LES GUIGNOLS DE L'INFO"(レ ギニョール ドゥ ランフォ)を見ているから、らしい。ギニョールとは、元々は指人形劇の主人公の名前だったのだが、今は人形劇自体の総称となっている。
 "LES GUIGNOLS DE L'INFO"は、政治やニュース、スポーツの話題をおもしろおかしく、かなり本物そっくりの人形たちが演じる、情報番組。時には辛辣に、時にはパロディー化し、わかりやすく、でも大げさに作られているので、時には度が過ぎている感もあり、よく問題になっている。
 
 W杯出場を離脱したFranck Ribéry(フランク リベリー)も最近、この番組に登場していたが、Danielleが真似するRibéryにそっくりだ。サッカーが大嫌いだから、ルールも選手も全然知らないけど、GUIGNOLSで見た選手は真似もできるほどなのだ。"LES GUIGNOLS DE L'INFO" 一見の価値あり。

2014/06/12

シャンプー


 いつ、シャワーやおふろに入るか? 日本人は、夜か朝起きてから出かけるまでに、という人がほとんどだろう。

 フランス人は予期せぬ時にシャワーを浴びたりしているので、うっかりドアを開けないように要注意だ。まず、夜寝る間際に入る人はあまりいない。朝の人が多いけど、ヴァカンスでない平日の朝は忙しい。家族が多いと、それこそ順番待ちが大変だ。子供たちは帰宅後、早い時間に入ったり、大人も休日の時間のゆとりがある時に入ったりする。最近は少しずつ変わってきているし、人によって違うから一概には言えないけど、毎日、シャワーを浴びる人は少ない。ましてや、髪を毎日洗う人は見たことがない。フランスは硬水だから洗うと髪が軋むし、フランス人は髪自体が細くて絡まりやすいからだとか、いろいろ言うけど、とにかく毎日シャンプーするのは、フランス人、絶対反対派だ。そのうえ、フランス人が髪を乾かしているのも、ほとんど見たことがない。ドライヤーはあることにはあるが、使われないまま、動くのか動かないのかさえもわからない。外出も髪が濡れたままで、少々寒くても、そのまま出かけてしまう。だから、きっと夜だとだめなんだろうな、自然乾燥できないから。
 
 Aliceが小さい頃、真顔で尋ねてきた。「何で、Midoriたちは毎日シャワーを浴びて、毎日、髪を洗うの?」さて、困った。。

2014/06/11

ぴかぴかのお皿


 さて、前回書いたムール貝は、ブイヤベースやワイン蒸しだったりすると、やっぱりスープも飲みたくなる。そんな時、便利なのは殻だ。殻をスプーンに見立て、スープをすくって飲むのだ。こうやって飲んだ方がおいしく感じられるから不思議だ。
 
 フランス人の友達と食事をする時、感心することがある。彼らが食事を終えたお皿は、あれ、今から食べ始めるの?と思うくらい、ぴかぴかだ。サラダのドレッシングもお肉にかかっていたソースも、ぜーんぶきれいになくなっている。そのためにバゲットがあると言っても過言ではない。もちろん、私たちだって、バゲットでドレッシングやソースを拭い取って食べるとおいしいのは知っているし、そうやって食べているけど、フランス人はそれが使命だと言わんばかりの勢いなのだ。その迫力と言ったら。。
 まぁ、ちょっと大げさだが、こうなってくるとバゲットが腹を満たすためなのか、はたまたお皿をきれいにするためなのか、わからなくなってくる。友達のEricは、ここまでぴかぴかにしないと食べ終えた気がしないと言っていた。

 日本でここまでやると、若干、引かれるが、フランスでは美味しく頂くためのマナーだと思う、たぶん。後片付けも楽になってエコだし、残さず食べるってことだし、いいことづくしなのかも。

2014/06/10

『Kuisinbo~』


 ありそうでない、いや、あるんだけど気軽に食べられないから、ますます食べたくなってしまう。

 夏が近づくと、フランスの田舎の夏祭りを思い出し、そうするとムール貝が食べたくなってくる。Bistroとかでなくてもいい、夏祭りの屋台のムール貝が食べた〜い。ちょっとクセもあるし、苦手な人も多いけどワイン蒸しにニンニクが入っていたら最高だ。こんもりと入ったムール貝を食べ始めると、みんな無口になる。Marieたちとの旅では幾度となく、ムール貝を食べたが、あまりにも一生懸命食べるので「みんな、Gourmand(グルマン)だね」から始まり、日本語で俗に言う『食いしん坊』がこの年のみんなの合言葉になった。
 食事の度に「Kuisinbo~」を連発し、誰が一番の食いしん坊か、言い合うのだ。Marieの子供たち、もうすでに高校生だったXavierも、小さい頃から好き嫌いなく食べるAliceも、そして我が家の息子も間違いなく、食いしん坊だ。息子も小さい頃からよく食べるのだが、フランスへ行くと、ますますはりきって食べる。
 いつものように食事をしている時、「でも、やっぱり、Kuisinboの一等賞はRinだね」とXavierが口にした。めったに怒らない息子がむくっと立ち上がり、ムール貝を頬張り始めた、すごい勢いで。。あまりにも言われすぎて腹が立ったのか、Xavierのほうがもっと食いしん坊だと言いたかったのか。。まっ、すぐに機嫌も直り、また食いしん坊の話で盛り上がったけど。
 
 あれから、ますます食いしん坊に磨きをかけたから、きっと、今は間違いなく、息子が一等賞だな。

2014/06/09

暇つぶし


 旅の移動中、TGVの車中で、フランス人はよくクロスワードパズルをしている。雑誌の後ろの方によくある、あれだ。ちょっとした時間にささっとできる暇つぶしだけど、大体、数カ所残して終わってしまうことのほうが多い。負けず嫌いのフランス人だけど、これはなぜか、仕方がないと思えるらしい。

 日本でも見たことがあったような気がするが、クロスワードパズルのドリルみたいなものがフランスにも売られていて、Nantes(ナント)のClaudeの家のテーブルにも置かれていた。「ちょっと空いた時間にできるから買ったんだけど、他の用事も忘れて、ついやっちゃうのよね」と言っていた。フランス人、こんな単純なゲームとかが大好きだ。小さな子供からお年寄りまで知っている、Domino(ドミノ)もそう。あのいわゆるドミノ倒しの駒に、サイコロの目のような数が2カ所ついていて、5だったら5を1だったら1を合わせて、どんどん持ち駒を置いていくゲームだ。単純だけど、みんなで楽しめる。

 今どき、携帯でもゲームができてしまう、そんな世の中だけど、気軽に楽しめるゲームはいいなと思う。今、息子たちの仲間内では将棋が流行っているらしい。やるじゃん。

2014/06/08

アイドル


 昨日、夜、テレビのチャンネルを変えたら、雨が降りしきる中、熱狂的に叫ぶ男の子たちが見えた。すごい熱気に包まれ、ステージ上では涙ぐむ女の子がいる。ちょっと異様な光景だが、日本では見慣れた光景だ。女の子が男の子のアイドルに夢中っていうパターンも、もちろんある。フランスの若者たちは、こんなことってあったっけ?と思いながら見ていたのだけど、女の子は、そういえばあったなと思い出した。

 Marieの娘、Aliceの部屋の壁には隙間がないくらい、ポスターやら切り抜きやらがびっちり張り巡らされていた。同年代のアイドルグループやお気に入りの映画に出ている俳優とか、バリエーションに富んだセレクトだったが、なかでも同い年くらいの女の子のアイドルが好きだと言っていた。その頃、Aliceは中学生くらいだったと思う。きっと、憧れとか願望とか、どこの国でも女子は通る道なのだろう。

 しかし、昨日のテレビの中の光景はフランスではあまり想像できない。『Otaku』が流行ったり、日本のアーティストが人気だったりは聞くが。。お年頃になった男子、友達の子供たちに一度きいてみよう。

2014/06/07

ヴェトナム料理


 フランスでの食事は飽きることはなく、1ヶ月ほどフランスに滞在しても、和食が恋しくなるなんてこともない。息子も小さい頃からそうなので、友達からも変な気も遣われなくていいし、ここぞとばかりに、好きなものを好きなだけ食べることができる。

 パリはとにかく、困ってしまうほど、おいしいものが街にわんさかある。昔、植民地だった国のおいしいものが、フランスでは好んで食べられている。そんな中、必ず食べに行くのはヴェトナム料理だ。パリに暮らしている頃、よくElianeとBelleville(ベルヴィル)のヴェトナム料理店に行ったし、家でもよく作ってくれた。私の中のパリの味のひとつだ。
 
 滞在中、必ず、一度は13区へ Pho(フォー)を食べに行く。お気に入りは『Pho14』で、いつも長蛇の列だけど、並んででも食べたい味。日本人は麺類に慣れているから、難なく食べられるけど、フランス人は熱い汁に入った麺類の食べ方にはいつも、悪戦苦闘している。あっという間に食べてしまう私たちを横目に、真顔でPhoを啜るフランス人。ゆっくり食べていいのよ〜。

2014/06/06

旅先からの絵はがき


 旅先から絵はがきが届くのって、何だかうれしい。元気で楽しんでるよと一行だけだったりするけど、その町の観光写真が載ったベタな絵はがきだと、何故だか、尚うれしい。

 フランスの小さな村や町をいくつも訪れ、その都度、おみやげ屋さんに立ち寄り、絵はがきを選ぶ息子。1枚よりも複数枚買うと安くなっていくので、3枚とか5枚とかを購入する。何枚か便りに使っても、余った分は旅の思い出に持って帰る。余計なものが増えるなぁと内心思っていたけど、集まった絵はがきを見直すと、これがなかなかよいのだ。
 容姿を的確に捉えた建造物、俯瞰で見下ろす街並み、こんなきれいな場所があったのかと思うようなアングル。うまいとか、アーティスティックだとかそういうことではないのだが、とにかく、その町や村がはっきりとわかる写真なのだ。その場所でしか買えない絵はがきは、楽しかった旅の思い出のひとつになる。

 フランス人の友達から絵はがきを受け取るのが好きだ。簡単で他愛のないことが書かれているだけなんだけど、最後の欄には、家族それぞれの名前がそれぞれの筆跡で書かれてある。これを見ると、ほんわかした気持ちになる。

2014/06/05

Galerie Nationale du Jeu de Paume


 ここも必ず訪れるところ、Galerie Nationale du Jeu de Paume『ジュウ ド ポウム美術館』。チュイルリー公園をコンコルド広場に向かって進んだ先の、一番端っこに位置するこちらは、堂々とした佇まいのれっきとした国立の美術館。でも、堅苦しい展覧会というよりは現代アーティストの個展が多く、パリっ子にも人気のある美術館だ。

 天井も高く、光が燦々と入る館内はとても気持ちがよい。館内はあまり大きすぎないので、欲張りすぎず、のんびりと鑑賞できるのも気に入っている。
 写真家で映画監督のCindy Sherman(シンディ シャーマン)や独自の世界観でゲイカルチャーを表現した作品で世に出た、Pierre et Gilles(ピエール&ジル)の展覧会は特にすばらしかった。鑑賞したあとは、入り口付近のショップに立ち寄るのも楽しみだし、ロビーの大きなガラス窓から差し込む陽を感じるのも心地よい。
 
 さて、ここに限らずだけど、必ず、美術館の入場券は大切に持って帰る。旅の思い出としての意味もあるが、本のしおりにちょうどいいのだ。特にここの入場券は洒落ていて、気に入っている。本を読むたびにパリの感傷にも浸れる、なーんてね。

2014/06/04

移動遊園地


 ルーブル美術館とコンコルド広場を繋ぐ、チュイルリー公園。夏になるとここにやって来る移動遊園地は、ちょっと楽しい。

 これと言って見どころはないのだが、日の沈みかけた頃にライトアップされたアトラクションや子供たちのはしゃぐ声が、何だか幻想的で、一日の疲れもどこかへ吹っ飛んで行く感じだ。もともと、遊園地の乗り物には興味もなく、はっきり言ってしまえば、ちょっとしたコースターなんかも怖い。。コーヒカップはあんまり回ってほしくないし、バイキングが揺れているのを見るだけで酔ってしまいそうだ。
 ならばと、観覧車に乗ってみた。日本の大きい観覧車と違い、ゴンドラも少なく、あっという間に終わってしまいそうだ。と思って乗ってみると、グルグルと何周もするのだ、しかも、けっこうなスピードで。。日本のゴンドラのように囲いのある箱型ではなく、ガラス窓のない、ただの乗り物だ。もちろん、シートベルトもないから、ひっくり返ったら下に落っこちそうだ。乗ってみると、案外平気だったけど、ここにあるコースターよりよっぽど恐怖を味わえる。
 
 それから、大人も子供も、友達でも他人でも関係なく、本気で競っちゃうからこっちも熱くなる、ゴーカート。ムキになるフランス人に勝ったら、気分もスカッとするかも。

2014/06/03

冷えたビール


 ここ何日か、真夏のような暑さで、飲んでも飲んでも喉が渇く。暑い日にはキンキンに冷えたものを、とにかく何でもいいからググッと飲みたい。日本ならば簡単なことなのに、なぜかフランスではこれが至難の業だ。

 Caféで頼むビールは生ぬるいし、自動販売機はほとんどないし、コンビニもないから、冷えた飲み物になかなかありつけない。スーパーで冷蔵されている飲みものもまずないし、そんなときの頼みの綱は、いわゆるアラブ人のやっているお店。日曜日もやっているし、冷えた水やジュースも売られていて便利だ。観光地のまわりではクーラーボックスなんかで冷やした飲み物も売られているけど。。
 でも、普段からあまり冷えたものを飲まない、フランス人。暑い日でも基本、冷えたビールよりワインだし、アイスコーヒーなんて飲まないし、ミネラルウォーターも冷蔵庫に入れない。でも暑すぎる日には冷えてないビールに、氷を入れて飲んだりする。それが習慣だったりする国もあるからいいんだけど、早めに冷蔵庫に入れておこうよ、ビール。。

2014/06/02

Pique-nique


 フランス滞在中、何度行っても楽しい、Pique-nique(ピクニック)。ちょっとばかり、日本とフランスのピクニックは違うと思う。たぶん、意気込みが違うのかも。

 お天気のいい日、フランス人の友達は「今日はどうする、ピクニックでも行く?」そう言って、冷蔵庫を物色し始める。フランスのピクニックは気軽な感じだ。
 トマト、チーズ、封の開いたハム、ヨーグルト、食べかけのパン、ビールやワイン、果物、ポテトチップス、あるもの何でも袋に詰め込んで、出発。パリにはピクニックが楽しめる場所が至るところにある。公園も多いし、セーヌ川も恰好の場所だ。おしゃべりしたり、昼寝したり。ビキニ姿で日焼けしている人もチラホラ。子供たちが楽しむというより、大人たちが現実から離れるための大切な時間なのだろう。家に戻ると、冷蔵庫の中はすっきりして気持ちがいいし、まさに一石二鳥だ。楽しいし、ひと休みできるし、パリの散策途中のピクニックも病みつきになるかも。でも、本気で眠りに落ちないようにしなきゃ。

2014/06/01

寝る前の一杯


 夜、寝る前に何かを飲んでしまうと、夜中に起きてしまいそうだし、なるべく飲まないようにしたい。でも、フランス人は寝る前の一杯が大好きだ。
 
 みんながよく飲んでいるのは、Infusion(アンフュージョン)やTisane(ティザーヌ)というカフェインの入っていないハーブティー。紅茶と思って飲むとちょっと違うのだが、何だか身体によさそうな漢方薬みたいな感じだ。これを飲むとぐっすり眠れるからと、よく勧められるけど、寝る間際まで、コーヒーを飲んでもぐっすり眠れる私にとって、どちらでもあまり関係ない。
 フランス人の友達は、寝る前の一杯だから、簡単に入れられるティーバッグのものを選ぶ。専門店やmonoprix(モノプリ)などのスーパーでたくさん売られているが、あまりの種類の多さにどれを買えばいいのかわからないほどだ。いろんな種類を買ってみたり、缶のかわいさや絵柄で選ぶのも楽しい。やっぱり、ティーバッグはおみやげに最適だから「これを飲むと、よく眠れるよ」とそっと渡せば、ちょっとおしゃれなおみやげになるかも。