2015/08/31

Artazart


 どこの国に行っても本屋さんに行くのが好きだ。もちろん、パリでも気づくと本屋さんにばかり行っている。FNAC(フナック)のようないわゆる普通の本屋さんよりも専門的な本屋さんがパリには多く、見たいものによって行く本屋さんを選ぶことができる。写真集を扱っているところとか料理本ばかりあるところ、建築の書籍専門店、有名デザイナーが趣味で作った本屋さんなどなど。ほんとにバラエティーに富んでいて、私の中でパリ=本屋さんって図式が出来上がっているくらい。パリのお気に入りの本屋さんは何がいいって、品揃えの良さと型にハマっていないセレクトが素晴らしいことだ。

 Artazart(アルタザール)もそんな本屋さんのひとつ。ここは写真集、雑誌、いろんな専門書、それに絵本の種類も豊富だ。日本だと写真集と同じカテゴリーに入らなそうな絵本だけど、フランスの絵本はシュールでこれって子供が見るの?ってものも多く、だから写真集と並んでいても全然不思議ではないのだ。
 パリに多く見られるギャラリー併設の本屋さんだから、それも楽しめてうれしい。何より、大好きなサンマルタン運河沿い。

2015/08/30

給湯


 もう夏が終わってしまった。ついこの間まであんなに暑かったのに、朝晩は何か羽織らないといけないくらい肌寒い。この涼しさ、フランスの8月を思い出す。明け方、布団がないと寒く、シャワーを浴びる時は寒すぎて震えるほどだった。寒いけれど、まだ暖房が入ってない季節だから、タイル張りの広いバスルームは思った以上に寒くて凍えそうだった。何か解決方法はなかったのか、みんなはどうやって入っていたのか聞けずじまいだったけれど。。

 フランスではどんな給湯かでシャワーがどうやって浴びれるのかが決まる。タンク式だと大きさによっては一人分しかお湯が出ない場合がある。しかも、しょっちゅう止めなければ最後のほうは水になってしまう。わかっていれば、それなりの使い方をするけれど、初めて使ってみたらそうだった、ってことになると季節によっては大変なことになってしまう。幸いにもパリの我が家はお湯事情には恵まれていたから、そんな思いはしたことはないけれど。。
 友人の家のシャワーは水圧があまりにも低すぎてお湯が出にくく、しかもチョロチョロとしか出てないもんだから、シャワーヘッドを上のほうに設置して入ろうとするとお湯がほとんど出ていない状態になる。シャワーヘッドを替えてみたり、掃除してみたりしていたけれど、根本的なところが直らないとどうにもならない。だからなのか、家を改装する時には快適なバスルーム作りに力が入る。一番こだわる、と言っても過言ではない。

2015/08/29

いろんなフランス語


 フランス語はいろんな国で使われている。ヨーロッパ、アフリカ諸国、友人Isabelleの暮らすケベックもそうだ。

 日本の地方でもAccent(アクソン)『訛り』があるように、それらの国でもアクセントや発音の仕方がかなり違う。アフリカは巻き舌をよく使うし、ケベックはアメリカの英語の発音に似ていたり、使う単語がちょっとずつ違ったりする。例えばフランスでは”déjeuner”は昼ごはん、”dîner”は夕食という意味だけど、ケベックではそれぞれ朝食、昼食という意味なのだ。これは昔、こういう使われ方をしていたかららしい。でも一日で一番重要な食事が昼から夜に変わったことによって、名前が移行したらしい。そうすると朝食という言葉がなくなってしまったので、元来の朝食と言う意味の”déjeuner”に小さいという意味の”petit”をつけて”petit-déjeuner”になったらしい。というわけで、ケベックでは元来の意味のまま使われているのだ。そんな違いは多くあるようで知れば知るほどおもしろい。

 さて、いつもいつも思うことだけど訛りや方言はどこの国にもあって、それがまた言語の奥深いところだと思う。でもやっぱりフランス語に関しては、パリのフランス語がきれいですばらしい的な風潮がある。パリジャンは訛りを嫌う人もいる。ケベックのIsabelleから「フランス人のフランス語と私たちのフランス語って違う?」って聞かれたことがある。私はどこの国のフランス語も訛りも全部ひっくるめてフランス語が好きだ。

2015/08/28

コーヒーショップ


 フランス特集が載っている雑誌が出た。最新のパリ情報だ。実際のところ、今現在、パリで何が流行っているかは、しばらく訪れていないからわからない。フランス人の友達に ”Quoi de neuf?”(クワ ドゥ ヌフ)「何か変わったことはある?」と聞いてもみんな、”Rien de spécial”(リヤン ドゥ スペシャル)「特に何も。。」と返ってくるばかりだ。フランス人は流行りにはあまり敏感ではない。特に郊外に暮らしている友達にとって、パリは遠いところに感じるらしい。

 話は逸れたけれど、雑誌のページをめくってみる。知らないお店がたくさんできている。最近はアメリカンスタイルのコーヒーショップが増えているみたいだ。あんなに古くからのCaféにこだわっていたのに。。そしてコンセプトショップもどんどん増えている。以前は小さな店が多かったけれど、かなり広めのライフスタイルショップやセレクトショップが流行りのようだ。その店でいろんなものを見つけることができて便利と言えば便利だけど。。
 クリエイティブな仕事をしているある友人は「レセプションパーティーに行って以来、訪れたことはないし、行こうとも思わないわ」と。。似ている品揃えや雰囲気が好きになれないと言う。「フランス人、少なくとも私の友達は誰も行かないわよ。日本人には人気があるって聞いたけど。。」そう、パリ特集やガイドブックには必ず出ているし、人気もある。パリっ子は流行だけに流されず、新しいものより慣れ親しんだお店を好むのだ。
 コーヒーショップは定着しているのだろうか。。

2015/08/27

飛行機好き


 息子は飛行機に乗るのが好きだ。3歳から乗り始め、初めての渡航は韓国。ソウルに何泊かした後、12時間ほどかけてフランスへ行ったのが息子の初めての長旅。一度も泣かず、一度も駄々をこねることなく、機内で快適に過ごしていた。少しはぐずったりするかな、と思ったりしたけれど、何にも困ることはなかった。ごはんをしっかり食べ、たくさん寝て、たくさん遊んで過ごしていた。

 機内ではCAの人が気遣ってくれるし、優しくもしてくれる。乗ったと同時に航空会社オリジナルのおもちゃとかトランプとかぬりえを持って来てくれる。これが案外マニアックでおもしろいものがあったりして。乗り換え便で行くと、乗り換えるたびにこれがもらえるから子どもにとってはうれしくってたまらない。フランスに着くと、自分からのおみやげとして得意気にDianeにあげたりしていて、微笑ましかった。
 とにかく、離陸も知らないまますぐに寝てしまう、私の代わりにいろいろ面倒をみてくれたり、自分の部屋のようにのびのびと過ごす息子。サッカーチームでブラジルに行った時は、みんなから頼りにされて、頼りになったかどうかはわからないけど、あんなに長いフライトも楽しかったらしい。しばらく飛行機に乗ってないね。早くどこかへ行きたいね。
 

2015/08/26

8月26日


 まだ8月なのに寒い。もう夏も終わるのだろうか。。今日は息子の生まれた日。息子は暑い日の真っ昼間に生まれた。私は毎日タンクトップと裸足で過ごしていた。だから真夏の暑い日生まれで色が黒いのか〜、と納得。

 8月生まれはちょっとさみしい。夏休みの真っ最中だからだ。しかも、8月の終わりだから、フランスから帰国していることも多かった。だから、日本に帰ってくるとすぐ、友人たちを呼んでお誕生会をしてもらっていた。フランス滞在に重なったことはあまりなかったから、フランスでお祝いしてもらった時はほんとにうれしそうだった。さて、ここ数年は家族だけのお祝いで、それはそれは淡々と過ごしているのがさみしい感じだ。

 何度もフランスのお誕生会について書いたことがある。やっぱりどこの国でも、子どもも大人もお誕生日を祝ってもらうのはうれしい。いろんな友人の家でお誕生会をしてもらうから、二倍三倍とうれしさも増す。
 ある年、Marie達にお祝いしてもらった時、何とMarieとXavierのプレゼントがカブったのだ。サッカー好きの息子に二人が選んでくれたプレゼントは、選手のユニフォームの形の磁石とそれをくっつけるフォーメーションボード。二人が取り出した瞬間、みんなびっくりしてたなぁ。その頃活躍していた選手のものだから今となっては貴重だ。今でも大切に取ってある。

2015/08/25

アフリカン弁当


 けっこう前から、フランスではお弁当が流行っている。寿司などの日本食ブームが来た後、きっとお弁当はくるだろうな、と思っていた。

 フランスで売られている日本食の料理本にはお重が載っているものがあって、友達からお重箱やお弁当箱についてけっこう聞かれていた。これに興味が出れば、お弁当の中身のおにぎりや卵焼き、煮物なんかに興味が出てくるのも当然だ。フランス人の友達からこれらの作り方を聞かれると、なかなか返答に困る。私は味付けも目分量だし、その時の食材によって時間も変わってくるからだ。おにぎりは隣で一緒に握らなければ口で説明するだけでは難しい。鶏の照り焼きも自分では焼ける音だけで焼き加減、照り具合がわかるから、口で説明するのがこれまた難しい。お弁当の中身も人それぞれ。だから、お弁当の定義を聞かれるのも困る。ていうか、好きなものをお弁当箱に詰めればいいだけなのよね〜。

 あっ、そういえばクリニャンクールにお店を開いていたIsmaelのとこに寄ると「昼ごはん食べた?」といつも聞かれていた。食べてないと蚤の市を回っているアフリカ料理を売るおばちゃんに昼ごはんを頼んでくれる。タッパーに入れられたアフリカ料理はれっきとしたお弁当だ。あ〜、食べたいな。

2015/08/24

毎食後


 フランスの食後のテーブルには、”Desert”(デセール)『デザート』が欠かせない。それこそ、そんなにたいしたものでなくても何かしら食べるのだけど、我が家はその習慣が抜けず、同じように毎食後のデザートが欠かせない。

 今でこそ、日本でも夜のヨーグルトがいいと言われているけれど、以前は朝食に食べるのが普通だった。フランスでも朝食にもヨーグルトを食べるけれど、他に何もない日の夜のデザートにも活躍する。
 フランス人は食後にチーズを食べるから、ヨーグルトは軽くすませたいときにも、ちょうどいい。我が家も果物を食べた後、あとちょっとほしいなっていう時はヨーグルトの出番だ。でも、フランス人も時々はちゃんとしたデザートが食べたい。誰かお客さまが来るとか、特別な日でない限り、値段の高いケーキを食べたりしない。ちょこっと食べられるマカロンとか、カヌレとかを近所で買ったりもほとんどしない。ちょっとしたスイーツなら家で作ってしまうのだ。
 小さい頃、ママと一緒に作っている人は大きくなってもお菓子作りを面倒がらない。友達 Danielleの娘Marianeは料理、特にお菓子が上手だ。日々のおやつ、デザートはいつも自分で作っていた。かなりの腕前でお店で買ったと言ってもわからないくらいだった。秀才なMariane、難しい学問を大学院で学んでいて、今は就活しているらしい。あ〜、決まっていないならPâtisserie(パティスリー)になってほしい。

2015/08/23

心配症


 フランスの旅では、心をおおらかに持っていなければいられない。突然起こることにいちいちイラついていたら身が持たない。郵便局で待たされてイライラしたりしたり、お店の人の態度にムカついたり。。でも、そんなものだと思っていれば、イラつきも軽減する。そんなことばかり言っていたら、フランスに暮らすことなんてできない。。

 パリのメトロは本数も多く、ストが起こらなければ何の問題もない。でも前にも書いたけどバスはいろいろ問題が起きる。突然、途中下車させられたり、道順が急に変わったり。。パリならまだ何とかなる。降ろされても近くに駅やバス停があるし、道もわかりやすい。でも地方に行った時、バスでしか行けないところへ行くにはけっこう大変なことも起こる。ほんとにバスが運行しているのか、そもそもバスがなくなっていないか確認しないではいられない。アルザスの村へ行ったときには往きと帰りの路線が違っていて、ひやひやしたこともある。他にも待っている人がいるにも関わらず、ほんとに来るかどうかが心配でつい「バス、もうすぐ来ますよね?」と聞かずにはいられない。聞いて「来るわよ」と言われても、来る保証はない。その人が悪いわけではないんだけど。。
 フランスに行くとつい、心配症になる。。

  

2015/08/22

MANANI


 友達のMarieは9月にアフリカを訪れるらしい。渡航目的は聞いていないけれど、小さい頃アフリカで育ったMarieは、あちらにも友人が多くいる。それに同じようにアフリカで育ったフランス人の友人たちとは、今でも兄妹のように仲がよい。そんなこともあってか、Marieはアフリカに造詣が深い。アフリカのあらゆること、子どもたちのことや教育問題などをコラムに書いている。パリにもアフリカの友人がたくさんいるMarie。もともと移民の国だから、アフリカからやってきた人々も多い。アフリカ人街と言われる界隈にはアフリカ料理の店、美容室、問屋、さまざまな店が建ち並ぶ。ここの界隈が大好きで何はなくとも、この辺りには必ず訪れる。

 ここからほど近い、モンマルトルに友人の店がある。アフリカのファブリックを使ったバッグやスカート、アフリカのアクセサリーなどを扱うお店だ。ここの主人Ismaelは私がパリに暮らしていた頃のほんとに初めのほうの友人。それこそ、まったくフランス語が話せなかった頃からの友人だ。後に日本人のみずきちゃんと結婚した。
 クリニャンクールの蚤の市の古着屋さんから始め、モンマルトルのお店を開いてもうかなり経つ。最近ではよく見かけるアフリカンファブリックのバッグや服だけれど、Ismaelとみずきちゃんが始めたのはかなり早かったと思う。パリを訪れると必ずお店も覗くし、何はなくとも会いに行く。

 

2015/08/21

地方の雑貨屋さん


 唐突だけど、雑貨屋が好きだ。いろんな雑貨があるけれど、ひとくくりで雑貨屋さんと言ってしまおう。フランスにはたくさんの雑貨屋がある。

 パリにはもちろん、たくさんの雑貨屋があって、ガイドブックや雑誌の特集には次々と新しいお店が紹介されている。ずっとあり続けているお店もあればあっという間になくなってしまうところもあって、それはそれでちょっとさみしいけれど。。
 数年前に書籍で紹介した雑貨屋さんはもう、なくなってしまった。若い女の子がふたりで開いたお店でキッチュな雑貨からフランスで古くから使われている香りものなど、品揃えはよかったのにな。。絵はがきを見ていた息子に何枚かプレゼントしてくれたあったかいふたりだったから、余計にさみしく思う。

 パリだけではない。地方の小さな町にもそんな雑貨屋さんがあるから、いつもどこかにないかな、と目を光らせているし、見つけたら必ず寄る。地方でもパリでも売られているものは同じだったりするけれど、ちょっとだけ地方のほうが安かったりしてお得感も満載だ。アンティークを扱う雑貨屋だとさらに楽しい。パリだと探しにくいものもけっこう見つかるのだ。ただし、蚤の市なんかとは違って値段はパリ並みだ。でも、やっぱり好きだから寄らずにはいられない。

 

2015/08/20

おまけ


 フランスから持ち帰ったもので捨てられないものがたくさんある。メトロのチケットはすべて持って帰っていてものすごい数だし、美術館などのチケット、そしてレシートも領収書も大量に残っている。レシートは記録用に持ち帰るのだけれど、わざわざ持って帰ったものはなかなか捨てれないのだ。それから誰のものか、誰が書いたかわからない紙切れが蚤の市で買った古本の中に紛れていたりする。これも捨てれない。だから、見なかったことにしてそっと本の間に入れておく。そして、時間が経ってまたパラパラとページをめくったときにまた出てきて、そしてまたそっと戻しておいて、また忘れる。。それの繰り返しなのだ。

 でも、このおまけ感がやめられないから蚤の市はおもしろいのだ。お店で買うものは中身が改められていて、そんなものたちは挟まっていないことが多い。蚤の市の台に置かれているものでなくて、足元に並べられているコンテナの中は宝の山だ。店の人も何を売っているかなんてほとんどわかってないから、小さな箱を買ってみたらぎっちりと万年筆の先が入っていたり、缶の中にボタンが入っていたり。。それはほんとに小さなおまけ。要らないものでも日本に持ち帰るとなかなか捨てられず、なぜか大切なものに変わることも多くて、これも楽しみだ。

2015/08/19

スカート


 今朝、自転車で出かけたら、スカートを車輪に巻き込んでしまった。慌てて自転車から降り、何歩か後方へ下がったけれどなかなか取れない。そんな時、すれ違った女の子が引き戻してきてくれて声を掛けてくれた。「大丈夫ですか? 自転車、持ってましょうか」と。「私も前にやっちゃったことがあるんです」すると、その言葉とほぼ同時にするっとスカートが取れた。お礼を言うと、微笑みながら行ってしまった。

 日本ではなかなかすんなり、こんな風に声を掛けてくれる人は少ない。でもフランスだったら。。こんな場面では、ほとんどの人が手伝ってくれようとする。それが普通のことで特別なことではないのだ。今朝の女の子のようにさりげなく、まるで友人のように話しかけてくれると、困ったときはほんとに心強い。そう、フランス人もそんなふうに声をかけてくれる。決してフランス人は冷たいわけではなく、困っている人や弱者にはめちゃくちゃ優しいのだ。

 そんなことをふと思いながら「ありがとございました」と言いつつ、女の子の背中を見ながら、あ〜、こんな子がお嫁さんだったらいいな。。と思ってしまった。ははは。

2015/08/18

シードル


 こうやってブログを書いていたら案外忘れてるなぁ、と思うことしばしば。でも突然神様が降りて来たかのように思い出すことはくだらないこと多し。何かのにおいを嗅いだときや何かの音を感じたとき、ふっと思い出すフランス。それは私だけでなく、みんなもそうだと思う。小さな頃からフランスを訪れていた息子はどちらかというより、目よりもそちらで感じたことやものをふっと漏らしたりする。「これって、フランスで嗅いだことのあるにおいだよね。何だっけ?」とよく口にする。それが共有できることもあればわからない場合も多々あるけれど。。

 今日、息子は炭酸のりんごジュースを飲んでいた。いわゆるアップルタイザーだ。さて飲みながら「あっ、これ何かなつかしい。飲んだことある、何の味?」いやいや、よく飲んでるでしょ、と思いつつ、飲んでみるとまぁ確かに。。でも、どこにでもあるやつなんじゃない、とラベルを見るとフランス産。「あれ、あれ。あの何とかってやつに味が似てる」何とかって何よ〜。。あ〜、シードルかぁ。フランスでグラスの縁についたのを舐めたり、匂いを嗅いだりの記憶がふっと蘇ったらしい。確かに他のものよりも今日飲んだものはフランス産だったからか、かなりシードルに近かったな。息子よ、恐るべし。

2015/08/17

どこでもドア


 パリで暮らしていた頃、よくいろんなものを拾っていた。机とか椅子とか、何かほしいなぁと思っていると落ちてるんだなぁ、これが。別に探しまわっていたわけでもないのに誰よりも早く見つけてしまう。ちょっとした特技だ、な〜んて。

 でもほんとに、その頃拾って使っていたそれらは、日本のアンティークショップでは信じられないような値段が付いていて、今頃あれがあったなら、なんて想像したりして。。まぁ、とにかくそんなお宝が道に落ちていた。あの頃、どうにもできなかったけど、どうにかしたかったなぁ。
 
 友達のMarie 家族はずいぶん前だけど東京に暮らしていたことがある。1年という短い期間だったけれどMarieもPatrickも日本が気に入り、しばらく住み続けたいと思うようになった。Patrickの仕事の関係で日本にやって来たわけだから、フランスに戻って来いと言われたら戻るしかない。いろいろ模索したけれど手段はなく、結局フランスへ帰って行った。
 しかし、ここで話が終わるわけではない。。気持ちはすっかり日本にあって「絶対に戻ってくるからね〜」と言いつつ、フランスへ帰って行った。というわけで「帰ってくるからこれ、預かっておいて」と電化製品や家具を託された。でも今の家より狭いアパート暮らしで置き場所なんてない。なので、ベランダにきちんと梱包して雨風を防げるようにカバーをし、保管すること半年。。結局、Marieたちは戻って来れず。。どこでもドアがあれば、私もMarieも荷物を持った帰れたのにな。。あっ、そもそもフランスと日本で行き来が簡単にできちゃうな。

2015/08/16

ウサギ小屋


 友人 Isabelleの実家もそうだったけれど、大きな家に暮らすとなるといろんなことが大変になってくる。そのひとつに庭の手入れ。家が広くて掃除も大変だろうけど、埃は少々どうにかなる。でも、芝生や木々、花たちは水をあげなければ枯れてしまうし、もしそうなってしまったら、再生するのに時間がかかってしまう。だから、そんなことを一切合切やってくれる人を雇っている人が多い。Isabelleの実家も毎日通ってくるClaudが10ヘクタールもある敷地の手入れをすべてやっていた。かなり大変な仕事だ。

 何度かお邪魔したことのあるMarieの友人の家は敷地面積も広いけれど、とにかくお屋敷といった風情の家の管理が大変だと言っていた。ここの家の主はある著名な人の末裔でこの家を受け継いでいるのだけど、普段はパリで暮らしている。パリから少し離れたここに戻ってくるのは週末で、その間は住み込みの人にすべて任せているらしい。ここにあるものひとつひとつが高そうなものばかりだったけれど、何より驚いたのは、ウサギ小屋まで大きいってことだ。何のために飼っているのかはこわくて聞けなかったけれど。。とにかくお金持ちはスケールが違う。

2015/08/15

表札


 私は店の名前や通り名を覚えるのが苦手だ。言い訳すれば苦手というより、たぶんあまり覚える気がないのだ。でも自分自身はほとんど困らない。場所さえ覚えていればまた行くこともできるし、住所さえわかっていれば最近では携帯電話のMapで初めての場所でも楽々行き着くことができる。実際、ウチに来る初めてのお客さまも辿り着いてくれる。なんとまぁ、素晴らしい。

 フランスでは、どこでも隈無く通り名がついていて、地図をみれば大抵どこでも行けてしまう。そのかわり、日本と違ってアパート名はついていないし、中に入ってみても郵便受けに名前もなく、どこが誰んちなのかわかりづらい。部屋の入り口にも表札を出していない人がほとんどだから、初めて行くと困惑する。パリに暮らしている頃、アパートで仕事することも多かったから、ウチとすぐわかるようにポチの写真を貼り付けて目印にしていた。

 多くの友達は一軒家に暮らしているから、家自体が目印になって覚えやすい。でも郊外のアパートに住む Elianeのところに行くとき、その年の一度目はちょっと自信がない。道順は大丈夫。もう、そこに20年以上暮らしていて数えきれないぐらい訪れているから、道は目をつむってでも行けそうなくらい完璧だ。建物だって忘れるわけがない。じゃ、何が自信がないかというと。。何階だったかを憶えていないのだ。実は今こうやって書いていても何階かはっきりとはわからない。一階でないことだけは確かだ。うーん、二階か三階。。でも、大丈夫。行けば表札がなくても、たぶんここよね、と勘でわかるから。。

2015/08/14

Pain perdu


 久しぶりにバゲットが余ったので ”Pain perdu”(パン ペルデュ)『フレンチ トースト』を作った。普段はバゲットが余ることなんてない。それこそ、わざわざ多めに買ってきて冷凍しておくくらいなのに。。昨日、冷凍庫が満杯になり、バゲットが追いやられたのだ。でもこんなことがないかぎり、こんな贅沢なことはできない。なんたって日本ではバゲットは高級品なのだ。あ〜、つくづくそう思う。。

 パンペルデュってどんな風に作ってもたぶん誰が作ってもおいしい。甘さ云々とかそれぞれ好みはあるだろうけど、少々甘さが足りなくても逆に甘過ぎてもどちらもアリだな。もともと残って固くなったバゲットをどうにかしなきゃ、ってことで始まった料理だから、それに使う材料だって家に普通にあるものでなければ意味がない。卵と牛乳だったらどこの家にもありそうだ。ほんとの余りものでできる、でもほんとにおいしい、もしかしたらすごい料理なんじゃないかな、と今日、めちゃくちゃ固くなったバケットを切りながら思った。案の定、久々だったのもあるけれど、晩ご飯の後でもみんな、すごい勢いで食べきった。ちょっと、ハマりそうだ。

 

 

2015/08/13

高齢者


 今、Marieはブルターニュに帰っている。何度も「一緒に来ない?」と誘われたけれど、今年はちょっと無理だなぁ。なかなか思い通りにはいかない。今週は世間ではお盆休みの人が多い。今週来てくれたお客様は休み初日に髪をさっぱりして、翌日旅に出る人が多かった。フランス、イタリア、沖縄、実家。。あ〜、羨ましい。

 この時期、フランスでも帰省する人は多い。両親、もしくはひとりで暮らす親の元へ帰るのだ。日本と同じく、高齢者がひとり暮らしをしている場合も多い。パリでも問題になっているけれど、地方でもそれは同じだ。Marieではないけれど、もう60歳を越える友達のお父さんもブルターニュでひとり暮らししている。歳の頃はたぶん、90歳を越えているはずだ。お母さんはずいぶん前に亡くなっているから、長い間ひとりで暮らしているそうだ。友達は最近、ごく近くに引っ越したのにお父さんと一緒には暮らしていないし、暮らす気もないようだ。「一緒に暮らさないの?」「ゆっくりだけど歩けるし、ほぼ毎日ヘルパーさんが来てくれているのに何で一緒に住むの?」フランス人、そこのところはけっこうはっきりしている。ちゃんとした福祉の制度が整っていてケアはきちんと行き届いている。家族のやるべきところはそこじゃない、と言うのだ。だから何だと言うわけじゃないけれど。。友達とお父さんは仲良しだし、いつも気にかけている。

2015/08/12

黒い


 今、テレビを見ていたら、黒人の人が日焼けサロンで焼いているというのをやっていた。日サロはわからないけど、黒人の友達は「最近、白くなってきたんだよね〜、焼かなきゃ」とよく言っていた。これ冗談抜きでほんとの話だ。実際、夏の始めと夏の終わりでは焼け具合が違っていた。当たり前だけどきれいにまんべんなく焼けていて、羨ましかった。

 息子は生まれたときから、こんがり焼いたような肌色だった。サッカーを始めてからは一年中ほぼ真っ黒で下着の跡ですら、ほとんどついていない。その上、フランスで毎年1ヶ月過ごすとかなりの焼け具合で自他ともに認める黒さ。日本人には見えない黒さで、実際フランスでも「どこの国から来たの?」と幾度となく聞かれていたほどだ。だから写真を撮るとき、たまに黒すぎて顔がわからないことが。。これも冗談抜きでほんとの話だ。
 だからなのか、日本でもフランスでも外国人とすぐに仲良くなる。いろんな人種の友達がいるから、小さな頃から慣れているっていうのもあるのかもしれないけど。。初めて会った人でも知らない間に仲良くなって、いつの間にか抱っこや肩車されてた、なんてことも一度や二度ではない。そうそう、フランスでも何かもらったり、おまけしてもらったり、得してることもけっこうあるな。
 あれ、これは色が黒いってことはあんまり関係ないのかも。。

2015/08/11

Bois de Vancennes


 パリにはいくつも公園がある。いくつあるのかわからないけれど、大小合わせるとかなりの数だ。特徴のある公園も多く、公園巡りもなかなか楽しい。というほど、すべての公園を網羅できてないのがちょっと悔しいけど。。暮らしている頃は近くにある公園ばかり行ってたから。。

 パリの東西にそれぞれ大きな公園がある。”Bois de Boulogne”(ボワ ドゥ ブローニュ)『ブローニュの森』と”Bois de Vancennes”(ボワ ドゥ ヴァンセンヌ)『ヴァンセンヌの森』。公園というよりその名の通り、森だ。広大すぎて、どこからどこまでがなのかわからないくらいの広さでほんの一部しか行ったことがないのだけど、『ヴァンセンヌの森』は友達 Elianeのアパートからほど近かったから時々訪れた。未だにどの辺りに行っていたのか、わからないからちょっと調べてみると、広さは9.947㎢、森の北側には城があり、競馬場や自転車競技場、そうそう動物園もある。そして4つも湖があるらしい。なんとまぁ、そんなに盛りだくさんだったなんて。。
 そういえば、そのうちのひとつの湖に何度か訪れたことがある。そこは、Elianeと息子のEliaceとの散歩コースだ。夏祭りや週末に催される蚤の市へ行ったり、思い出がたくさんある。
 次、訪れたとき、どの辺りを歩いているのかちゃんと知ろう。動物園も行きたいな。

2015/08/10

パリプラージュがほしい〜


 今頃、パリのセーヌ川沿いでは水着でくつろぐ人たちで溢れかえっているはずだ。今年は7月20日から8月16日まで開催予定の ”Paris Plages”『パリ プラージュ』。海のないパリでビーチ気分が味わえるとあって毎年、人気のイベントだ。ここの何がいいって、パリのど真ん中にあって入場は無料だから、気楽に行けるのがよいのだと思う。これでパリの郊外だったり、入場するのに料金がかかるようだときっと、ここまで続かなかったんじゃないかな。私も行く度に必ず立ち寄る。
この『パリ プラージュ』およそ5000トンもの良質な砂を環境に配慮して、175キロ離れたところから2日間かけて船で運んでくるらしい。1ヶ月のイベントのためだけに毎年やってるんだから。。もし日本にここができたら。。

 でもきっと、日本にできても、行く人が限られてくるんだろうなとも思う。たぶん、若者たちと子ども連れの家族が集まり、その他の世代は寄りつけなくなってしまいそう。。フランスでは若者や子どもたちはもちろん、老夫婦もやって来る。みんなが集まってくるからこそ、きっと楽しいし、ずっと続いている理由なんだと思う。海と違って帰り支度も楽だし、何も水着にならなくてもいい。気軽で楽しい『パリプラージュ』の東京版ができてほしい〜。

2015/08/09

夏も終わり


 こんなに暑いのにお盆を過ぎるともう海には入れない。なぜならクラゲが出るからだ。先々週の海でも、すでにクラゲはいた。暑すぎたからだろうか。そして、これからが台風の季節。もう夏も終わってしまう。。

 フランスには ”Typhon”(ティフォン)『台風』は来ない。地理的なことや気圧的なことだろうけど、でも嵐はやってくる。そのせいで毎年、フランスのどこかで洪水が起こったりする。日本同様、自然災害は起こり、深刻な問題なのだ。
 フランス人は世界で起こったことに関心を常に持っている。たぶん、無関心な人のほうが少ないくらいだ。多くの人が新聞を読み、ニュースをチェックしている。だから、日本で何か起こると、すかさずメールをくれる。そしてただ単にかわいそうとか、大変だよねというだけでなく、どんなときでも自分なりの意見や見解を持っていることが素晴らしいなといつも思う。何だか具体的じゃなくてわかりづらいかもしれないけど、とにかく自分を持っているってことが大事なことだと気づかされる。

 とにかく、フランス人は無関心で冷たそうに見えて、そうではないってことを伝えたかったのに。。とりあえず、もう少し夏を満喫しよっと。
 

2015/08/08

Rond Point


 フランスで車に乗るとき、日本とはいろいろ違うことがあり、それはそれで楽しい。初めて車で遠出したとき、右側走行に戸惑った。頭ではわかっていても、なかなか慣れないものだ。

 それから ”Rond Point”(ロン ポワン)『ロータリー交差点』にもびっくりした。ロータリーは円形になっていて、一方通行になっている。右側通行のフランスの場合は反時計回りに通行するのだけど、中央の円島を中心に行き先によって何本にも道が分かれている。反時計回りということは一番右側を走行している車が優先となる。行き先が決まっていない車は中央に入ってぐるぐる回りながら考えればいい。これがけっこう便利でいいなと思うけれど日本では見たことがない。信号待ちしなくていいし、とにかく行きたい方向がわかっていないとき、標識をたしかめつつ、ぐるぐる回っていればいいのだからほんとに便利なんだけどな。

 あとはスピードを出し過ぎないよう、時々、道路に細工していることがフランスでも日本でもある。ちょっと盛り上がっていたり、音がしたりするのだけれど、フランスではそれがものすごい細工だったりする。道路の盛り上がり方が半端なく、スピードが出ていたら車は思いっきり宙に飛び上がるほど。。さすが、フランス。。

2015/08/07

高速道路

 
 今日、高速道路を走っているときに思った。日本の高速道路とフランスの高速道路って何か違うな、と。まず、フランスでは制限速度は表示がない場合、130km/h だから、みんな飛ばす、飛ばす。ものすごいスピードで走り抜ける車を横目で見ながら、ここはF1会場かしら?と思ってしまう。まぁ、それは大袈裟かもしれないけれど、それくらいのスピードなのだ。
   そして、何よりサービスエリアの充実ぶりは到底比べものにはならない。日本のサービスエリアはちょっとしたショッピングモールだ。そのうち、電化製品やジュエリーとかまで売られるんじゃないの、というくらいの勢いだ。きっとフランス人が日本のサービスエリアを見たらびっくりするだろう。

   いちばんの違いと言えば。。日本の高速道路はとにかく明るい。今日、改めてそう思った。日本の高速道路では暗いなと感じるところはごく稀だ。フランスでは明るいと感じることがほとんどない。ほとんどの場所での暗さにちょっとストレスを感じてしまう。だから、あまりにも普通の道路みたいでふと、高速ということを忘れてしまいそうだ。暗いとスピードも落ちてのんびりと走っていると余計にそう思ってしまう。でも、ふと来た車の速さに、あっ、高速道路だ、ここはやっぱり、と思い知らされる。だから、運転に自信のない人はフランスの高速道路での運転はおすすめできない。でも速度はみな速くても、途中休憩はみんなのんびり。なかなかのマッタリ感でこちらは、かなりおすすめだ。

2015/08/06

キャンピングカー

 
 今日は山に囲まれた、湖からほど近い場所に滞在している。湖は何だかいいな。大きな波が立つこともなく、いつも静かで穏やかだ。週末には花火大会があるらしく、たくさんの人で賑わっている。

 フランス人は実は、ヴァカンスに訪れるのは海よりも湖のほうが多いかもしれない。フランスは日本よりも広大で南北の気温差も大きく、北は海水が冷たいし、南西は波が荒い。穏やかで温かいのは南の海くらいだろうか。

 フランスにも日本同様、湖がたくさんある。そこにはキャンプ場があり、キャンピングカーがたくさん止められていて家族連れ、友人同士が自然の中でのヴァカンスを楽しんでいる。キャンピングカー率は日本よりも断然高い。フランス人は興味のないことにはまるで無関心だけど、好きなことにはハマる性質だ。それはお金がどんなにかかろうとも、だ。キャンプ場にずらりと並ぶ、キャンピングカー。あれっていくらぐらいなのだろう。高そう。。

2015/08/05

フォアグラ



 フランスの田舎へ行くと、今でこそ増えたけれど日本人はやっぱりめずらしく、だからどこへ行っても声をかけられる。モノめずらしいのもあるだろうけど、私は割と好意的に受け取っている。家族と一緒だから変な意味もないだろうし。。

  Isabelleの実家、Bergerac(ベルジュラック)のある年の夏祭りでも同じように声をかけられた。そのおじさんは「昔、日本に行ったことがあるよ、仕事で」と言っていた。そして山を持っていてトリュフを取るのが仕事だと言って「一緒に取りに行く? 家にも遊びにおいでよ」と。家よりもトリュフのほうに断然興味がわき、連絡先を交換したような。。結局は二度会うこともなく、もちろんトリュフを取って食することはなかった。残念。。

  世界三大珍味のトリュフやキャビアはそのままでも、もちろん料理にだって使われる。だから”la truffe”『トリュフ』”le caviar”『キャビア』は料理名に添えられて使われるから、メニューにも度々出てくる。
 ”le foie gras”『フォアグラ』は食べるといえば、パテが基本。だから ”le pâte de foie gras”(ル パテ ドゥ フォアグラ)と言わなくても”le foie gras”だけでパテのことって通じるし、こう言うのが通例らしい。もちろん、フランス料理にもソテーされたりして出てくるし、一番料理にも使われるフォアグラ。パテでも食べられるフォアグラが一番庶民的なのかも。

2015/08/04

スリッパ


 最近、暑くて身軽なものしか着れない。タンクトップにスカート、サンダルが定番になってしまった。もちろん、サンダルに裸足。人の家に行ってもどこへ行っても裸足だ。通っている歯医者に行っても最近はスリッパも履かず、裸足で治療を受けている。

 そういえばフランスにスリッパってあったかな。どこへいっても土足で大丈夫だから、来訪者にスリッパを出すこともなく、だから日本でよく見かけるようなスリッパってなかったような、あったような。。でもよく、北アフリカで履かれるバブーシュは友人の家にもあった。パリで一時期は安価で売られていたバブーシュも最近ではあまり見かけなくなってしまった。もしかすると今では、日本のほうが安く買えたりするんじゃないかなと。。
 ますます思い出せない、パリにスリッパがあったかどうか。。家はともかく、ホテルとか。。あ〜、私が泊まるようなレベルのホテルにはスリッパはなく、仕方がないのでシャワーから出たあと、つま先立ちで歩かなければならなかった。いくら裸足が好きでも、みんなが土足で歩き回った部屋を何も履かずに歩くのはちょっと勇気がいる。とにかく、フランスでは個人の家でなければ靴を脱いで入ることもなければ、スリッパを出してくれることもない。フランス人はホテルに泊まっても裸足で歩くか、靴をがっつり履いている。これ、ほんと。

2015/08/03

ピザ


 フランスの田舎も日本と同じく、歩けるところにお店なんか全然なくて、生活するのがちょっと不便だ。国土の広さから言えば、日本以上かもしれない。しかも、コンビニなんてないし。。だから、買い出しのときには思いっきりいろんなものを買い、ストックできるものはストックし、冷蔵庫も大きく、冷凍庫の中も常にいっぱいだ。そして、日々食べるパン類は小さなトラックで売りに来てくれたりする。そうやって日々、生活している。

 友達のIsabelleの実家もまさしく、そう。店どころか隣の家さえ、遥か遠くなのだ。スーパーへの買い出し、ちょっと離れた町の朝市へ行くことは欠かせない。家に大量の食料が常備されていても、やっぱりたまには外食だってしたい。でも、遠くてなかなか行くことはできないし、町にあった唯一のCaféは閉店してしまっている。

 ある年のこと、たまにやって来る移動式のピザ屋さんをみんな心待ちにしていた。その頃まだあった、町唯一のCaféのテーブルを借りて食べるピザの味はまた格別だった。そしてこれまた、割といろんな種類もあり、味もけっこう美味しかった。フランスで食べたピザの中で一番だったかも。フランスはイタリア料理のレベルが低いからとも言えるけど。。 

2015/08/02

夏の定番料理


 つい数日前、フランス人の友人がFBにおいしそうなパエリアの写真をアップしていた。大きなパエリアパンにゆうに10人前はありそうなパエリアが載っていた。夏になると特に南のほうで食べられるお馴染みの味。フランス料理ではないけれど、暑い夏を乗り切るための定番料理だ。

 最近、何かで見たフランス人の好きな料理のランキング。1位は鴨だった。そして2位はムール貝に大盛りのFrite (フリット)。暑い夏を乗り切るために欠かせない、大盛りのフリット『フライドポテト』はなぜだか元気になる。汗をかくから塩気を欲するのだろうか。とにかく食欲がモリモリ出る。でも、日本のこの暑さでは食べたいと思う気持ちは皆無だ。ウチの近所にあるいつも行列のできるフライドポテト専門店も最近はけっこう静かだ。やっぱり暑いからだろうな。さて3位はあ〜、何だったけ。忘れてしまった。。
 とにかく、フランス人の好きなものはそんなに高級でもない、わりとどこでも食べられるものなのだ。ちなみに私もどちらも好きな料理。友達んちでもお祭りでも気楽に食べられる、一般的な味。もちろんパエリアも好きだし、いいよね〜、食欲が出るものって。でも日本の暑さを乗り切るものはこれらじゃないな。やっぱり、フランスで食べたい。。

2015/08/01


 昨日、一年ぶりに海へ行った。時間が経つにつれ、どんどん海水客は増えていって、いつの間にか浜辺はいっぱいになり、遊泳や日焼けを楽しむ人で溢れていた。フランスでも海水浴場には人が溢れ、アイスやジュースを売りにくる人がいたり、ライフセーバーの人も常にいて、そんな光景はフランスも日本も大差ない。

 フランスでは黒人の血が入っているわけでもなければ、そんなに焼けやすくもないよう
に思う。そしてどちらかと言えば、男子よりも女子のほうが焼けている気がする。そういえば、浜辺でじっと寝転んでいるのは女たちだし、長い間浜辺にいるのもそうだ。きれいに日焼けすることに興味があるのは大多数、女なのだ。

 そう見てみると昨日だって女はひたすら焼き、男子は海に入っているか遊んでいる。そんなふうに人間ウオッチングするとなんかおもしろい。砂遊びをしているのは子どもか男子。熱くなった砂の上をサンダルなしでおどけて歩くのも男子。何か食べているのは女子が多く、海水浴場での風景はフランスでも日本でも同じだと思った。フランスでは目の保護のために老若男女、サングラスをかけているけれど、日本ではかけている人は半分くらいだろうか。水着に敏感なのは断然、日本人だ。フランス人は毎年のように水着を見に行ったり、買ったりもしない。フランス人の友人は「誰のかわからないけど、あったからこれ着よっと」と言って、さほどさほど好きでもない色の水着を着てたなぁ。でもやっぱり、こんがりときれいに焼きたいのは日本でもフランスでも、マダムたちだ。