2014/10/31

イメージ


 どうして、そう思うのか。「日本人ってハゲてる人が多いよね」とフランス人の友達によく言われる。ま、確かにそういう人も多いし、老化に伴うことだから致し方ないことだと思う。けど、私から言わせてもらえば、フランス人のほうがよっぽど後頭部の薄い人が多いと思う。「フランス人の若い人、けっこう後頭部きてる人がいるじゃない、例えばサッカー選手のジダンとか」その頃、まだ20代で活躍していたジダンも思いっきり、後頭部が薄くなっていた。「まぁ、ジダンも少しだけきてるけど、日本のサラリーマンのあの髪形の人たちに比べれば。。」あの頃、よく取り上げられていたサイドからサイドへ髪を持ってくる、バーコードのヘアスタイルのことだ。 「でも、あれをやっているのはおじさんが多いから、若い頃から薄くなるのはフランス人のほうが多いんじゃない」「いやー、日本人のほうが多いと思う」
 
 こんな会話は取り留めも無く、事実はわからないままのことが多いので何だけど、その国々に対しての、ちょっとしたイメージって少なからず持っているものだ。
 私はクロスが好きで、特にロザリオを見つけると、つい買ってしまう。フランスでもどこの国でも、クロスのネックレスはおしゃれの一部なので、身につけている人も多いはず。ところが、私が身につけていると、見も知らぬ人から「日本人なのに仏教徒じゃないの?」とか聞かれ、クロスのものを身につけていると不思議がられることも多々ある。思いっきり本物のロザリオだからなのか、でも、やっぱり日本人のイメージはこうなんだなとも思う。「いや〜、私は無宗教で」と答えると、これまた不思議そうだ。

2014/10/30

トイレで喧嘩


 寒くなってくると、温かいコーヒーばかり飲んでしまう。身体が冷えるうえにカフェインを摂るせいか、出かけるとトイレばかり行ってしまう。

 何度も言うけど、パリではトイレ探しが大変だ。日本のようにさっと入れるトイレが少ない。きれいなトイレに入ろうとすると、お金を支払って入るトイレが一番よい。最近では日本にもあるけれど、何でトイレに入るだけでお金を払わなきゃいけないのって思うのは、日本ではトイレ事情に恵まれているからだ。フランスではきれいなトイレ=お金を払う、という図式になる。そこで働く人がいて、お金を払うのも当然のことだ。
 
 息子が小さい頃、そういうトイレを使うことも多かった。なかなかトイレが見つからないし、きれいでないトイレに行かせることに躊躇していたのもある。
 モンマルトル近くの、そんなトイレに行った時のこと。入り口で料金を支払うのだけど、1ユーロを支払うとおつりがいくらかくる料金だった。返ってきたおつりが5セント少ない。5セントといえば、およそ7円くらい。とはいえ、おつりが違っちゃ、黙ってはいられない。「おつりが少ないよ」「ちゃんと渡したわよ」とフランス人のおばちゃん。「ないよ、ほら」「絶対、渡した」「私、手閉じてないの。ほら、ないでしょ」「私は知らない」と、言い合いになった。ばかばかしいけどやめられない。もう、いやんなる〜。

2014/10/29

Saucisson sec


 フランス人が好きなもの、Saucisson(ソシソン)。いわゆる、サラミ。一般的にSaucisson sec(ソシソン セック)『乾燥ソーセージ』と呼ばれている。加熱して食べるのではなく、そのまま、薄くスライスして食べる。フランス人はこのソシソンをよく、アペリティフの時に食べる。カッティングボードとナイフをテーブルの上に用意しておくと、みんなそれぞれ、好きな厚さで好きなだけ食べることができるのだ。マルシェやスーパーなどで簡単に買うことができ、種類もいろいろある。黒胡椒、青カビのチーズ、ナッツ類、乾燥イチジクなどを混ぜたものもあり、どれも美味だ。そのままでもいいし、バゲットと一緒に食べてもおいしい。

 さて、このソシソン、薄い紙で包まれているのだけど、脂が染み出て剥がれにくくなっているからか、そのまま食べちゃう人が多い。剥がそうとしても、きれいに剥がれないし、途中でぶつっと切れたり。きれいに取ろうとしてソシソンがえぐられてきれいにはがせなかったりして。。
 そんな悪戦苦闘の末、結局、ほとんどのフランス人がそのまま紙ごと食べてしまう。出される時、大体のフランス人に「剥いても剥かなくても、どっちでもいいよ」と言われる。ほんとにその通りだ。私も剥かずに食べちゃうけど、どちらでも味も食感も全く変わらない。さて、紙は消化されるのか。。おいしいから、まっ、いっか。

2014/10/28

Galeries Lafayette


 今日は久しぶりに百貨店に行った。百貨店の入り口を入ると、パリを思い出す。化粧品売り場からのにおいは、なぜだかパリを思い出させるのだ。なぜだろう。日本にも百貨店はあるし、小さな頃から何度も行っていたわけだから、初めてではないのに。。でもどこの百貨店へ行っても、パリの百貨店を思い出すのだ。
 
 初めてパリを訪れた時、泊まったホテルが ”Galeries Lafayette”(ギャラリー ラファイエット)にほど近い場所にあった。スーパーが入っていたので、小腹が空いたら立ち寄り、おみやげを買うために立ち寄り、暇つぶしに立ち寄ったここが私にとってのパリの百貨店。スーパーで買うおみやげより、同じスーパーでも、ギャラリー ラファイエットに入っていたスーパーのほうが格段、美味しいものが豊富だった。
 ギャラリー ラファイエットの外の通路には、決まって露店が出ていて、何だか怪しいものを売っていた。どこのブランドだかわからない財布とかスカーフとか。。そして、この近くでは手売りで偽物のベルトとか時計を売っていた。 そのまた近くでは、怪しげな賭け事をするおじさんたちが。。すぐ近くには煌びやかなオペラ座もあるのに、このアンバランスさもまた、パリ。好きだな、この感じ。
 
 

2014/10/27

辛いのが苦手


 フランスに暮らしていた頃、たまに、市販のルーで作るカレーが食べたくなった。フランスには同じようなカレーのルーがないから、日本から友達が来る時に持って来てもらったり、一時帰国のときに大量に買って帰ったりしていた。このカレーがとにかく、フランス人に大好評だった。友達 Ismaelは、今まで食べたカレーの中で一番おいしかったとまで言ってくれた。Marieの家でも必ず作っていて、大量に作らなければ、あっという間になくなってしまう、みんな、おかわりの嵐だから。

 日本人との食事に慣れた人であれば、カレーを食べる時、同じテーブルに並べるとサラダも同時に食べてくれる。でもそうでないと、サラダをまず食べ、その後カレーだけを食べることになる。日本でも外で食事を食べるとそういうこともよくある。でもちょっと辛めに作ったカレーには口直しというか、合間にサラダとかがあると、ほっとする。
 フランス人、辛いものが案外、苦手だ。ヒーヒーフーフー言いながら食べるはめになる。そして、水をガブガブ飲みながら汗をかきかき、カレーを食べる。
 こんなに辛い、辛いと言いながらカレーを食べるフランス人が、なぜだかわさびは意外と平気だ。お刺身にもたっぷりつけるし、そのままお箸でもパクリといっちゃう。辛さの種類が違う? そうそう、フランス人、なぜかガリ好きも多い。

2014/10/26

包丁とまな板


 フランス人の友達は料理上手が多い。そんなフランス人はみんな、日本の包丁に憧れを抱いている、ちょっと大げさだけど。

 フランス人は材料を切る時、果物ナイフみたいな、それくらい小さいナイフで切る。いや、ステーキを切ることのできるくらいの切れ味はあるか。。どちらにしろ、えっ、こんなので切っちゃうのって感じだ。ということで、まな板もそれに見合った大きさの木のカッティングボードを使っている人がほとんどだ。
 フランス人はどちらかというと料理を作る時、 豪快で 、手際よく、あっという間に料理を仕上げていく。こんなちっちゃな道具で、と思ってしまうけど、料理を作っているのを見ると納得だ。切れるものは宙で切る、手で千切る、はさみでちょっきん。そんな具合だから、大きい包丁は宙で切るにはジャマになる。まな板で切るものも少なくなるから、カッティングボードも小さくて済む。肉や魚は丸ごと調理することが多いし、 じゃ、いいんじゃないって感じだけど、でも、切りにくいものを切る時、日本の包丁ってすごいよねって話によくなる。
 さて、私も実はこんな調子で料理する。フランス人のがうつっちゃったのかどうなのかはわからないけど、いろんなものが宙で切れる。そして、調理も早い。ま、自慢できることじゃないけど。。

2014/10/25

長靴


 雨が一日中降り続くことの少ないパリでは、あまり見たことのない長靴。靴が少々濡れてもどうってことのないフランス人。雨が降っている日のお出かけには、もう捨ててもいいくらいの靴を履いて出かけるから平気だ。

 そんななか、おしゃれさんの友達 Laurenceのアパートの片隅に、かわいい長靴を見かけた。日本もここ数年でおしゃれな長靴?レインブーツが増えたけど、フランス人までもがそんなものを履くなんて。。あぁ、そう言えば日本でも人気のAIGLE(エーグル)はフランスのブランドだけど、ブーツを履いてる人はいても、エーグルの長靴を履いている人をあまり見たことがなかった。
 余談だけど、息子は保育園の芋掘りのためだけにエーグルの長靴を2足も買った。1足目、普段履きにもできるからと買い、子供には長靴は不便で危ないことに気付いたのに、かっこいい長靴がないから、つい2回も続けて買ってしまったのだ。。
 まっ、それはいいとして、フランス人が好んで長靴を履きたがるとは到底思えない。家のどこに置くのか、履いたあとの手入れはちゃんとできるのか、ほんとのほんとに心配だ。でも、雨の日だろうといつも元気に出かけるフランス人の友達。普段はあまり活躍することのない傘も、お気に入りの1本は修理を重ねて長く愛用する。要るものとそうでないものの線引きがすばらしい。さすがだな。   

2014/10/24

文具


 つい買ってしまうものに文具がある。ノートやらボールペンやら、今、必要なくてもつい 買ってしまい、そんなわけで使わない文具が引き出しにたくさん入っている。 きっとずっと使わないだろうけど、持っているだけで安心する。
 
 フランスには文具屋さんがたくさんある。しかも、そう、それこそ使うのがもったいないくらいの、きれいで値段のする文具。そんな文具屋さんが集まる通りまであって、雑誌のパリ特集にもよく載っている。何度か取材にも行ったし、ウィンドウの外から店内を覗いただけでもうっとりするくらい、色彩も陳列も美しい文具屋さんが、そこの通りには集まっているのだ。でも、フランスに暮らしている頃、特別な文具はあるけれど、日常使いのノートがなくてほんとに困った。かわいい、ううん、普通のノートがないのだ。シンプルで書きやすいノートでいいのに、見た目もあんまりで、しかも安くないノートしかない。
 そんな中でも、ノートというかメモパッドのRhodia(ロディア)は、使いやすくて程よい厚みでみんなに人気があった。今は日本でもどこでも見かけるフランスの文具のひとつだ。人気も上がり、あの頃は山吹色のものしかなかったのに、色も増え、形も様々なものが出てきた。ロディアなら、日本でも人気が出るのはわかる。でも、スーパーやBHVでよく見かける、そうでもないノートが、日本のちょっとお洒落なお店で売られているのを見るとびっくりしてしまう。あの頃、あんまりにもかわいくなくて、絶対買わなかったノートだ。そのノートが高い値段で売られているのを見ると不思議な気持ちになる。
 そんなに日本人はMade in Franceが好きなのかな。。好きなんだな。でも、やっぱり特別でない普通の文具は、Made in Japanが一番だ、ほんとに。

2014/10/23

フランス人の髪


 フランス人は、形にも見栄にもとらわれず、日々生きている。自分が気持ちよく、自然体でいられることを常に望む。お化粧もほとんどしないし、美容院にもあまり行かない。髪が細くてちょっとクセのあるフランス人の髪は、無造作にくしゃくしゃっと形づけるだけで様になる。自分の好きな長さ、好きな流れがあるから、ちょっと伸びたなと思うと、チョキンと自分で切ってしまったり。きれいには切り揃えてはないけれど、全体のバランスはうまくまとまっていて、なかなかのものだ。あごラインのボブを切るにしても、日本人とフランス人では同じように切っても同じにはならないし、ボブの概念が違うのでセットの仕方も微妙に違ってくる。髪の色も人それぞれだけど、みんな美しい色合いで、柔らかいのにコシのあるフランス人の髪はまとまりやすいし、生え方もよいのでショートカットも憎いほどかっこよくきまってしまう。

 さて、そんなフランス人、日本人が髪を染めることを不思議に思っているようだ。「日本人はきれいな黒髪なのに、何で染めちゃうの? もったいない」多くのフランス人にこう聞かれてきた。無いものねだりなのよ、と答えるしかないよね。ほんと、うらやましいフランス人の髪。

2014/10/22

Raclette


 寒くなってくると 、Fondue au fromage(フォンデュ オゥ フロマージュ)『 チーズフォンデュ』が食べたくなる。作り方は至って簡単。エメンタールチーズやグリュイエールチーズなどに白ワインを加え、一口大に切ったバゲット、茹でたブロッコリーなどの野菜、ソーセージを、熱して溶けたチーズに絡めて食べる。フランス人の多くも大好きなごちそうだ。

 チーズフォンデュと同じくらい好きなのが、Raclette(ラクレット)。料理名と同じラクレットというチーズを火にかざし、溶けてきたところをナイフで削ぎ落として茹でたじゃがいもなどにつけて食べる料理。粗挽き胡椒をかけるのも忘れずに。あったかくて、今日みたいな寒い日にぴったりだ。
 このラクレットを溶かす専用器具が売られていて、それ専用の鉄板でラクレットチーズを熱する。しばらくして、ラクレットが溶けてきたら、鉄板を傾けてヘラで削ぎ落とす。  友達のTai-kiuさん家で食べたラクレットは、一人ずつ、小さなフライパンのような鉄板にラクレットをのせて溶かして食べる形式のものだった。これはこれで、何だかおままごと気分で楽しかった。どんな風に食べてもチーズはやっぱりおいしいなぁ。あ〜、食べたくなってきた。。

2014/10/21

寝床


 フランス人の友達の家に泊まると、ゆったりと眠れるようにとベッドを作ってくれるのだけど、ベッドの数が足りない時は、床にお布団を敷いてくれる。けっこう、このパターンは多い。あまりきれいに掃除されていない床の上だから、お布団が汚れちゃうんじゃないかといつも心配になる。フランス人は土足で部屋を歩き回るから、自分のベッドにも平気で靴のまま乗ってしまう。だから、その感覚でみんなどんどん、お布団にも乗っかってくる。 たぶん、ベッドやソファと同じ感覚なのだ。そのうえ、何日か続けて泊まることが決まっている場合は、床に敷いたものをどうやって畳めばいいか困り、結局敷いたままになってしまい、いつの間にか子供たちの溜まり場になってしまう。

 まぁ、それはそれでいいんだけど、日中出かけて、ふと帰ってくると、子供たちの友達もいて布団の上を容赦なく通って行く。というわけで、フランスの子供のいる家に泊まる場合、まず、静かできれいな寝床は望めない。でも、これも合宿所みたいで楽しかったかも。
 でも、フランス人、どんどん汚してもシーツはマメに変えるのだ。外出して帰ってきて シーツを変えてくれてたりすると、うれしかったな。まさか、すごい汚したから、証拠隠滅?って、考えまい。。
 

2014/10/20

使い捨てカイロ


 もうすぐ寒い冬がやって来る。北海道とほぼ同じ緯度にあるパリの冬は、底冷えしてかなり厳しい寒さだ。フランスの歴史ある建築物はすきま風がすごいし、町の通りは石畳で足元はほんとに冷える。
 暮らしている頃、日本から持ってくるものの必需品のひとつに、使い捨てカイロがあった。ちょっとしたお出かけにも重宝する代物。いや、数に限りがあって、ほんともったいなくて、なかなか勇気を出して使えなかった貴重品だった。
 ある時の旅先の電車の中で、フランス人の小さな男の子と友達になった。たまたま持っていた使い捨てカイロを見せてあげると、まるでマジックを見ているみたいに不思議がってびっくりしていた。
 
 そう、フランスにないものだからそれ相応のフランス語もないわけで。。フランス人の友達に「日本からのおみやげ、何がいい?」と聞いたら、何だか曖昧な答えが返ってきた。「あったかくなって、身体に貼っておくと気持ちいいもの」うーん、温湿布だろうか?使い捨てカイロ? 「身体が疲れた時や痛い時に貼るもの?」この質問に答えが返ってくる前に私はフランスに旅立った。さて、私は両方買って持って行ったのだけど、どちらが欲しかったものなのか、聞くのを忘れていたな。。
 とにかく、使い捨てカイロはとっても喜ばれる物のひとつ。フランスには、今もないのかな、どうだろう。。

2014/10/19

分厚い財布


 よく思うのだけど、あっ、これも人それぞれだけど、日本人は立派な財布を持っているな、と。しかも、ブランドのいかにも高そうなもので、いかにもお金がいっぱい入ってそうな財布を。日本で見かけると、あらステキ、となるところだけど、パリで見かけると、早く隠して〜と思ってしまう。

  フランス人の友達も分厚い財布を持っていたりするけど、明らかに中身を整理していないだけでお金が入っていそうな雰囲気はない。だけど、そんなに分厚いとバッグに入れるしかないわけで、そうなると、バッグに気を配らなくてはいけなくなるので面倒だ。というわけで、私はフランスでは財布を持たない。袋やパスケースみたいなものにお金やカードを入れて、肌身離さずがやっぱり鉄則だ。
 そもそも、カード社会のフランスだから、フランス人はあまり現金を持たない。ポケットの奥にバッグの底に、小銭と紙幣が無造作に入ってるってこともしょっちゅう。なかなかの大雑把な感じに見えるけど、でも、自分で管理しているなと感じる。フランス人は、お金を持っていても、持っていない風に見せる天才かもしれない。

2014/10/18

Mousse au chocolat


 フランス人、わりとじゃなく、かなり甘いもの好きだ。一般的にアルコール好きは甘いものはあんまり好きじゃない、と言われる。いやいや、フランス人は飲めない人なんてほとんどいないから、 そんなこと言ってたら、山のように売られている甘いものは誰が食べるのだ。

 最近、ふと思い出した。暮らしている頃、よく食べていたデザートがあったな、と。思いっきりチョコレート、って感じのMousse au chocolat(ムース オゥ ショコラ)。いわゆる、チョコレートムースだけど、なんて言うのか、溶けたチョコレートを冷やしたって感じでムースとは名ばかり。
 まず、チョコレートのおいしいフランスなわけだから、おいしくないわけがない。ちょっと苦みがあって、思いっきり甘い。スーパーに売られているものでも十分おいしい。お腹いっぱい食べたあとだったら、小さいカップ一個でもちょっと苦しいくらい甘い。だけど、どろっとした食感も思いっきりのチョコレート感もまた食べたくなるおいしさ。こんなものも、ぺろっと食べてしまうフランス人だけど、あんこものを食べるとみんな口を揃えて、こう言う。「こんな甘いもの、食べれないよ」と。えーっ、あれは平気なのに。。

2014/10/17

トキソプラズマ


 「誰かに預かってもらうか、あげるか、とにかく飼っちゃダメよ」国が変わればいろいろな違いに驚かされることもたくさんあるものだ。そんなことは百も承知ではあるけれど、でもこれを聞いた時はほんとにびっくりした。パリに暮らしていた頃、子供ができたことがわかると、フランス人の友達にこう言われたのだ。
 
 フランスでは、妊娠中、トキソプラズマの検査が何度もあった。感染すると胎児に影響がある感染症で、猫やきちんと加熱されていない肉から移ることが多いのだ。病院からも何度も言われた。友達からは洗いが十分でない生野菜もダメだと言われた。だから、レストランではサラダは頼んじゃいけないとも言われた。その頃、愛猫ポチと暮らしていた私は友達に「ポチと一緒にいちゃダメよ、早くどうにかしないと。最悪、捨てた方がいい」と何度も言われつつ、結局、ポチとはずっと一緒にいたのだけど。。
 
 その頃、日本に帰ってきて驚いたのは、そんなことは全く言ってなかったことだ。あんなに散々フランスでは言われ続けたのに、日本ではトキソプラズマを知らない人がほとんどだった。
 でも最近では、日本でもトキソプラズマの検査が重要だと言われているらしい。日本でもフランス人のように「猫を飼っていたら捨てなさい」と言われちゃうのかな。

2014/10/16

離乳食


 まだ歯の生え始めていない赤ちゃんは少しずつ食事に慣れていく。果汁やスープなどの液体から、離乳食の初期はすりおろしたものやドロドロ状のものを食べる。歯が生えてきてからは噛み砕けるものを少しずつ、が基本だ。
 
 フランスでは、歯が生えていない頃はやっぱり日本同様、ピュレ状のものをあげる。瓶詰めで売られているものを利用している人も多い。食べることに慣れ始めてからは、びっくりするくらいの早さでいろんなものに挑戦していく。歯が少し見え始めた頃から、友達は野菜スティックを手に持たせていた。あとはよく食べさせるのが、日本でもスーパーによっては売られている『プチスイス』。見た目はヨーグルトみたいな、フレッシュチーズ。友達のIsabelleは、毎食後に娘 Kiraにこれをあげていた。
 そして、びっくりなのは割と大きく切ったバゲットをあげちゃうことだ。「固いし、噛めないし、大丈夫なの?」の問いかけに、Isabelleは余裕顔で「舐めて味に満足だし、歯固めにもなるし、ビタミンやカルシウムも取れていいのよ」 うーん、ちょっとこわいけど、なるほど。
 Elianeは、息子Eliaceが小さい頃「シリアルを早めにあげるといいのよ。ビタミン、ミネラルが豊富で栄養もあるし、咀嚼の練習にもなるから」とよくあげていた。食事にもおやつにもなる? 果物もたくさんあげてるし、気になるところはビタミンか。。もちろん、ビタミンたっぷりのチーズも赤ちゃんの頃から食べている。

2014/10/15

フィルター式コーヒー


 フランス人は家であまりコーヒーを飲まない、というのは以前も書いた。これはほんとのことだ。フランス人=コーヒーということにはならない。フランス人はどんなコーヒーを飲むのかというと、どの家庭にもコーヒーメーカーがある。ゆっくりできる朝はこれでコーヒーを沸かす。ポット式のエスプレッソマシンで沸かしていたのは、一昔前のこと。 あとは我が家でも活躍中のプレス式の もの。コーヒーの味がストレートに出て、濃いめのコーヒーが楽しめる。これを使っているフランス人の友達も少なくない。

 最近パリでは、フィルターで入れるコーヒーを出す、ちょっとおしゃれなCaféが増えているらしい。少し前のパリでは、考えられないことだ。よくあるCaféではマシンでいれるのが当たり前だし、家でフィルター式でコーヒーを入れている人を見たことがなかった。私がフィルターでコーヒーを入れているのを見たフランス人の友達が「コーヒーメーカーで入れるのと何が違うの?」と聞いてきたぐらい。そんなフランスでフィルター式のコーヒーが流行っているなんて。
 
 さて、そんなフランス人、コーヒーは家でなく、外でおいしいものを飲む、と思っているからなのか、コーヒー豆にはあまり気をつかわない。もちろん、大のコーヒー好きは別として、スーパーにはおいしくて安いコーヒーが売られているかららしい。そのかわり、とっておきの紅茶は専門店で買うことが多い。専門店で買う紅茶も普段飲みのものは、日本と比べようもないぐらい安い。日本でも安くておいしいコーヒーや紅茶があればいいのに。。お客様に出すことも多い我が家では、深く切望したい。 

2014/10/14

クールに見えて。。


 フランス人と言えば、クールで冷静沈着なイメージを持っている人も多いだろう。コミカルな映画でなければ、アンニュイさを漂わす、そんな登場人物が多い。パリのショップやスーパーの店員、みんな、何だか落ち着いているように見える。だけど、笑い上戸だし、人情深いのが これまたフランス人。それから、意外におっちょこちょいでもある。

 また、Marieが大慌てで家中を駆け回っている。「あ〜、学校に出す書類がない」「あ〜、靴下の片一方がない」「あ〜、買ったばかりの雑誌がない」ないない、と探していることがしょっちゅうで、探してあげるまでもなく、しばらくすると「あっ、あった」となることがほとんどだ。
 
 ある日、ちょっと焦った表情で、家中ひっくり返すぐらいの勢いで何かを探している。「どうしたの?」「Dianeの歯の矯正の器具がないの。いつもは、あそこにあるのに。。」どこを探してもないらしい。「あっ、間違って捨てちゃったのかも」とゴミ袋を何袋も持ってきて、ひっくり返した。さすがにそこまで真剣に探すのを見たことがない。「一緒に探そうか」「大丈夫よ」と時間をかけてじっくり探すこと、 1時間。見つけた時は、ほっとするやら、ちょっと涙ぐむやら、どっと疲れきっていた。
 そうそう、フランス人だって焦るときも慌てふためくときもあるのだ。クールに見えるけど、意外にこんな感じのフランス人、好きだわ〜。
 

2014/10/13

若者たち


 フランス人は歌を歌うのが好きだ。料理を作っている時、掃除をする時、 シャワーを浴びる時、よく鼻歌を歌っている。
 
 Marieたち一家と車で旅をする時、まだ小さかった子供たちが大合唱を始める。フランスのラジオでは、音楽をずっと流し続ける局がたくさんある。ジャズ、ロック、ポップス、懐メロ。子供たちはそれらに合わせて歌を歌う。子供たちは懐メロもお手のものだ。生まれるずいぶん前の歌もよく知っている。ボーイスカウトの活動の中で、そんな歌を小さい頃から歌うらしい。
 Marieのブルターニュの実家へ訪れた時、ボーイスカウトの友達が数人、ヴァカンスを過ごすためにやって来た。一週間ほどの滞在の最後の夜のことだった。泊めてくれたお礼にと、みんなで歌を歌い始めた。何かを買うとか、作るとかではなく、お金では買うことのできない歌というところにあたたかいものを感じ、感動すら覚えた。少しハニカミながらも、何曲もステキな歌声を聞かせてくれた。これも心に残る、フランスの思い出。若者たちよ、ありがとう。

2014/10/12

パソコン


 フランス人、パソコンを叩く手つきがなかなかのものだ。最近では、どこの国でも老若男女、当たり前のようにパソコンを使いこなす。仕事では必要不可欠なものだし、子供たちは授業で使ったりが当たり前の時代だ。超アナログ人間の私ですら、少しは使えるんだから、みんなのパソコンさばきは進化しているのだろう。

 ずいぶん小さい頃から、フランスの子供たちはパソコンに触れていて、ゲームやお絵描き、遊びの中でパソコンを覚えていく。Ericの娘 Lou(ルウ)も言葉がまだつたない頃から、パソコンを使いこなしていた。遊びの一環なのだ。
 そんななかで覚えていくのか、それとも学校の授業で学ぶのか、フランス人は文字を打つのがみんな早い。いわゆる、ブラインドタッチがお手のものなのだ。
 日本人も今は普通のことだろうし、学生たちもそれが当たり前なのだろうけど、まだ中学生になったばかりのAliceがものすごい早さで パソコンを叩く姿を見て、心底びっくりしたのだ。びっくりしすぎて、自信を失くした私も練習してみたけど、書く仕事も時々するのに、全然早くなれず。。まぁ、向き不向きもある。

2014/10/11

Vendre


 フランスの通りを歩いていると、よく目にする”Vendre”の張り紙。車のフロントガラスに貼られているこの紙は『売る』という意味。そう、よく見れば、いくらと値段も書いてある。意外に連絡がちゃんとくるらしく、業者に頼んで仲介手数料を取られることを考えるとかなりお得だ。
 最近はより便利になり、Facebookの掲示板を使ってみんなに呼びかける。そうすれば、友達、そのまた友達が見る可能性もあり、売れる確率も上がるのだろう。
 フランス人、ヴァカンスの前になると、いきなり増える『これ、買って〜』の書き込み。例えば、靴とか服とか、何でもかんでも。そして、書かれてある「ヴァカンスに行くのに少し足りないの。私を助けて〜」と。
 ここまではっきり書かれていると、何だか助けてあげたくなる。みんなの書き込みは、というと。。『サイズはいくつ?』『あ〜、ちょっと大きいかも』『いつから行くの?』『Bon voyage!』あら、買ってあげないの? そうこうしているうちに買い手が見つかり、いくつか売りさばき、ヴァカンスに旅立つフランス人の友達。
 そもそも、そんなにお金がないんだったら行かなきゃいいじゃんって、つっこみたくなるけど、そこはぐっとこらえて。。フランス人にとって、ヴァカンスは靴よりも服よりも大事なのだ。あしからず。

2014/10/10

笑い上戸


 ところで、フランス人は笑い上戸の人が多い。いや〜、日本人だって笑い上戸はいるけれど、フランス人が笑いのツボにはまると大変だ。

 ブルターニュのMarieの実家に遊びに行った時のこと。Marieの子供たちは出かけていて、お茶していたら、急にMarieが笑い始めた。何のことだか、さっぱりわからない。「さっき、Xavierが今日、Midoriたちは”M.F”(エム エフ)のとこに行くのって聞いてきたのよ」と笑いが止まらないMarieが言う。「うん?」「だから〜、”M.F”だって」もう、笑いすぎて言葉になっていない。「Marie-Franceのこと、”M.F”だって〜」Marie-FranceとはMarieの実家近くの Chambre d'hôte(シャンブル ドット)の女主人の名前だ。
 
 フランス人の名前は2つ、3つと連なることも多い。仲のよい友達 MarieはMarie-Christine(マリー クリスティン)で、呼び方は人によって様々だ。「マリー」だったり、「クリスティン」だったり、「マリー クリスティン」と続けて呼ぶ人もいる。
 若い男子の間では、よく頭文字で呼ぶこともあるのだ。Jean-paul(ジャン ポール)を”J.P”(ジー ペー)という具合に。
 でもあんまり、いいお年のマダムをこんな風に呼んだりはしないのだろう。Xavierが”M.F”と呼んだことが相当ツボにはまったらしく、Marieはいつまでも笑い続けてたな。でも、そんなに笑わなくても。。フランス人、ほんとにほんとの笑い上戸。

2014/10/09

武勇伝


 フランスでは、基本的に小学校を卒業するまでは、学校までの送り迎え、友達の家に遊びに行く時の送迎も親の義務だ。子供がひとりで歩くなんてことは禁止されている。働いている親も多いのでシッターさんがお迎えに行くことも。15歳未満の 子供たちだけでの留守番も違法となるので、シッターさんや誰かに頼まなければならない。
 
 Marieの家でも、子供たちが小さい頃は、シッターさんや面倒を見てくれる友達が常にいた。一番上のXavierが大きくなり、子供たちだけで留守を守ることが多くなってきた頃のことだ。Marieが笑いながら私に言った。「Aliceがいたら、何にもこわいものなしね」
 
 ある日、子供たちだけで留守番していた時のこと、呼び鈴が鳴ったそうだ。玄関を出て庭を抜けると、門がある。その頃まだ小さかったDianeが、門の方へ一目散に駆けて行ったらしい。そこまでは、いつもの光景だ。門を開けると、知らない男の人が立っていた。びっくりしたDianeの悲鳴を聞きつけた、若き乙女Aliceがすぐさま駆けつけて、庭に侵入していた見知らぬ男をグイグイ押して追い出し、門を閉めたのだ、と教えてくれた。笑いを堪えながらAliceの武勇伝を話すMarieにつられて、こちらまで笑ってしまったけど、ほんとにこわい話だ。何もなくて、ほんとによかった。
  実は繊細だけど、みんなの前では、逞しいAlice。かっこいい〜。

2014/10/08

Pétanque


 フランスではPétanque(ペタンク)をする光景がよく見られる。ゲートボールはゴルフのようにプラスチックの玉を打つのだけど、ペタンクは目標にする球を地面に描いたサークルに置き、別の金属製の玉を投げ、相手より近づけることで得点を競うスポーツ。スペースがあまりなくてもできるからか、お年寄りから子供まで楽しめるスポーツだ。
 単純なルールで、ちょっとしたスペースでもできるから、子供たちがやる姿もよく見かける。でも、小さな子供たちにとっては、何だか危なっかしいのだ。
 
 Bergerac(ベルジュラック)のIsabelleの実家に行った時、暇を持て余した子供たちが集まって、これで遊んでいた。投げる球は金属製で、子供の力では片手で投げるのは困難だ。自分の球を拾いあげてる時に、もう持ちきれなくなった次の子の手から、今にも投げ出されそうになる金属球。球の近くに投げるだけ、そんな単純なルールだから競い合って投げっこするけれど、見ているこちらはハラハラ、ドキドキ。「順番を待って、誰もいないところに投げてね」と言っても、順番を待ちきれず、楽しくて興奮しすぎて、言っても聞かない。子供の遊びの一環だから、大人がガミガミも言えないし。。楽しいけど、命がけの遊びだった。けがもなく、ふーっ。

2014/10/07

老舗ブランド


 常々、フランス人はおしゃれじゃないとか、そんなことをかき立てている私だけど、フランス人の美的感覚はすばらしいとも思っている。やっぱり、芸術やファッション、町並みもそうだけど、小さい頃からそういうものに触れているからだろう。

 フランス発信のブランドが多いことでも、それはわかる。古くから続くメゾンの手がけるものは芸術と言っても過言ではない。フランスではArtisan(アルティザン)『職人』があらゆる分野で活躍している。すばらしいものは残り、受け継がれている。古くても味のある、きちんとした技術の生かされた、そんなものを守っていくフランスらしい。
 L'avenue des Champs- Elysées(シャンゼリゼ大通り)には 誰もが知っている、老舗ブランドが煌びやかな店構えで軒を連ねている。日本のそういった店と同じく、いや、それ以上に強そうなガードマンが 入り口に待ち構え、入るのにちょっと勇気がいる。ちゃんとした店にはそれなりの身なりが必要だ。しかも、買うつもりがなければ、そこに立ち入ってはいけない。
 緊張気味に入店しても、お店の人はどこも親切で丁寧に接客してくれる。まぁ、お客様なわけだから当たり前だけど。でも、心の奥は見透かされているようだ。一時、日本人の大量買いが問題になっていたことがある。ほんとに気に入り、大切に使うのか、誰のためのものなのか、ほんとに欲しいと思っているのか、会話の中から感じとっているようだ。気持ちが感じられない人には、在庫があっても多くは見せない、出さないらしいことを聞いた。売り上げを伸ばすことよりも、自分たちの大切なものを大切に使ってくれることのほうが大事なのだ。フランス人、潔くてかっこいい。 

2014/10/06

カフェオレボウル


 我が家にも、お気に入りのカフェオレボウルがある。お客様にカフェオレを出す時に使ったり、麺類をこれで食べたり、ちょっとしたおかずを入れたり、いろんな用途で活躍しているカフェオレボウル。その用途によって、どのカフェオレボウルにするか決まっている。
 最近、フランスのアンティークのカフェオレボウルの値が、ますます上がっている。ものによってはウン万円もするのだ。安くても6, 7千円。どうしてそんなに値段が高いのか、フランス人には理解できないらしい。 蚤の市やアンティークショップで売られているものもけっこうな値段がついているので、そうなんだとわかってはいても、フランス人の友達の家や実家にはそんなカフェオレボウルがゴロゴロしているのだから、日本でそんな値段がついていると言われても。。といった感じだ。

 我が家の棚にも、そんなカフェオレボウルがいくつかあって、一度、どのメーカーの、どの年代のどの柄がいくらぐらいなのか、調べようと思ったけどキリがないのでやめた。他のアンティークやブロカント のものは、売っているところによっては、掘り出し物が見つかることもあるけど、カフェオレボウルはそれがない。パリに暮らしていた頃はけっこう安いものもあったのに、今はカフェオレボウル自体を見つけるのも大変だ。陶器はちょっとしたことでも割れてしまうかもしれないから、大切にもするし、そしてまた、欲しくもなるのかもしれない。でもやっぱり、ウチのカフェオレボウルがウン万円って言われたら、使うことも出来なくなっちゃうから、いくらか調べないでおこう。

2014/10/05

Marché des Enfants-Rouges


 北マレにある Marché des Enfants-Rouges(マルシェ デザンファン ルージュ)は、パリで最も古い歴史を持つマルシェ。ここは決して広くないマルシェだけど、イタリアンやクスクス料理などが食べれるお店や日本食が売られていたり、お昼時に行けば、何かしら美味しいものが 食べられるマルシェだ。数年前、取材のために訪れたここは、女主人のいるCafé。ちょうど、改装中で食事をいただくことはできなかったのだけど、センスのよいものがそこかしこに置かれ、ある意味、パリっぽくない雰囲気のお店だった。どちらかというと、日本のおしゃれなCaféといった感じ。でも、フランスでは新しいお店を開いても、見た目や流行りだけではやっていけない。やっぱり、こだわりや味にはうるさいのだ、フランス人は。そこのCaféでもビオのものや産地のこだわったものしか使っていないのだと言っていた。

 ここ、マルシェ デザンファン ルージュに来る楽しみは他にもある。すぐ近くにお気に入りの本屋さんがあるのだ。そこは、選りすぐりの写真集、雑誌、併設のギャラリー 、いつ行っても欲しいものが見つかる本屋さん”Ofr”。毎日立ち寄りたくなるような、おしゃれな本屋さんの先駆けだったのではないかな。”Ofr”視点のパリのガイドブックを出したり、 ちょっと発想力が違う。”Ofr”の支店が、東京にできたらしい。まだ行けてないけど、早く行かなきゃ。

2014/10/04

サラダ


 メロンに生ハムという組み合わせは、今でこそ、日本でも当たり前になったけど、初めて食べた時はほんとに衝撃を受けた。

 フランスの夏の食卓に頻繁に並ぶ、生ハムメロン。日本ではデザートで食べるメロンを、フランスでは前菜以外で食べることはまずない。生ハムがない時でもメロンが前菜に並ぶ。アボガドとメロン、アボガドを半分に切ってスプーンでくり抜いて食べたり、レタスやトマト、いんげんのサラダ。前菜はほとんどが野菜中心だ。
 たまにキュウリのサラダも出てくるけど、日本の食べ方とはちょっと違う。キュウリは日本のものより大ぶりで大味だ。必ず、皮を剥いてから輪切りにして、ドレッシングは生クリームベースで、人によってはヨーグルト、マヨネーズを混ぜ合わせる。酸味とまろやかさ、塩、胡椒がうまくマッチするおいしさだ。
 フランスの家でもトウモロコシの缶詰は常備してあり、サラダにもよく使われる。フランス全土で作られ、辺り一面、どこを見ても、たわわになるトウモロコシ。この広大な土地で作られるトウモロコシの缶詰が日本のものより、甘くておいしい。そのまま、ポリポリ食べてもいける。
 同じ食材でも、その国の味、味わい方が違って、それも楽しみのひとつ。

2014/10/03

サングラス


 今日は、夏のような日射しが降り注ぐ一日だった。夜になってもまだ、暑さが残っている。こんな日は、夏の名残を楽しみたい。カフェのテラスでのんびりするのは、ほんとに贅沢で貴重な時間だ。フランスでは、晴れた日のカフェのテラス席は争奪戦だ。陽の光が集まるテーブル、席へと人気が集まる。夏だけではない。冬、 寒い日でも晴れた日のテラスにはやっぱりフランス人の姿が。カフェはもちろん、庭付きの家に住む人たちはテーブルと椅子、ハンモックで家族団らん、友人たちと過ごす。

 湿度が低く、比較的過ごしやすいフランスの夏でも、紫外線はかなり強い。照りつけるような日射しは目も開けていられないほど。そんな時、やっぱり必要なのはサングラス。日本でもおしゃれ度の高い人はサングラスをかけるのが日常的ではあるけど、フランスでは老若男女、みんな、サングラスをかけるのが当たり前だ。海や町歩きだけではない。日射しの強い、晴れた日の家の庭やテラスで、みんながサングラスをかけて過ごす時間は、何かおもしろいような笑えるような。でも、高齢のマダムがサングラスをかけている姿は、ほんとにかっこよくて大好き。私も、歳をとってもサングラスを颯爽とかけて、テラス席でくつろいでいたいな。

2014/10/02

乳製品


 フランスに行くと必ず食べたくなるもの、Fromage blanc(フロマージュ ブラン)。訳すと白いチーズとなるのだけど、水分のあまりないヨーグルトといった感じだろうか。そのまま食べると味はないのだけど、濃厚でコクのある感じがやみつきになる。はちみつやジャムをかけて食べるとおいしくて、500グラム1パックをあっという間にペロリと食べてしまえるほどだ。日本でも輸入食品を取り扱っているスーパーで売られているけど、やっぱり手に入れにくく、フランス滞在中にどうしても食べたくなる。
 
 フランスのスーパーの乳製品売り場には、よく似た容器がたくさん並んでいる。ヨーグルトだったり、フロマージュブランだったり。味もメーカーもいろいろ選べて楽しいのだけど、生クリームの種類も豊富だ。日本で売られているような液体状の生クリームやクリーム状になったものもある。ホイップというよりも固めのクリーム状でそのままパンケーキ、Blinis(ブリニス)に塗ったり、Tarte Tatin(タルト タタン)に添えてもおいしい。
 私はQuiche(キッシュ)を作る時にたっぷりと使っていた。液体状の生クリームや牛乳でもおいしくできるけど、クリーム状のものを使うとふんわりと焼き上がる。卵とクリーム状の生クリームはちょっと混ざりにくいけど、やっぱり、乳製品のおいしいフランスで作ったキッシュのほうが断然おいしい。
 

2014/10/01

Adopter


 ある日本人アーティストが養子縁組したと公表した。いつか書こうと思いつつ、日本人には繊細な話で難しいと思っていたけど、この記事を見かけた2日前にも偶然、養子縁組の話をしたところだったから、フランスの養子縁組について少しだけ。

 日本人の間ではあまり知られていないけれど、フランスでは、Adopter(アドプテ)『養子にする』というのは、それほど特別なことではない。私が知っているだけでも、そういう人は何人かいる。日本の養子縁組の現状はあまり知られていないし、知られないようにしているのかもしれない。私のまわりや知っている人に養子縁組している人はいないから、日本では身近なことではないのだ。
 フランスではまわりのみんなも引き取られた子供もその事実を知って暮らしている。それを前提に親子の絆を築き、ほんとの親子になっていく。フランスでは、フランス人同士のカップルでもアフリカ系、アジア系の子供を養子にするのだから、はじめから隠そうなんて毛頭ないのだろう。
 子供が欲しい親と事情があって親のいない子供が縁あって親子になるなんて、ほんとにすてきなことだと思う。フランスのように、日本でも特別ではなく、当たり前になるといいなと思う。どの家族もほんとの家族になり、仲も良く、そう、大きな愛に溢れている。
 
 公表した日本人アーティストの人もきっと、フランス人家族のような、大きな愛に溢れた家族になるんだろうなと思う。