2015/10/31

Débutants


 パリでフランス語の学校に行ったことがある。パリに到着した後、きっとしばらくすれば、フランス語が耳に入ってきて喋れるようになると思っていた。しかし、そんなに甘いものではなく、全く耳に入ってこない。というわけで、耳慣れしようと学校へ行くことにしたのだ。

   初めて学校に行った日のことはよく覚えている。まず、クラス分けのために先生に幾つか質問された。ほとんどわからなかったのだけれど ”Non”(ノン)で答えるのは何か嫌でずっと”Oui”(ウイ)で答えた。もちろん、Débutants(デビュタン)『初心者』のクラスに入ったのは言うまでもない。。でも初心者クラスなのにヨーロッパ圏内から来てるクラスメートはなぜかペラペラ。かなりヘコんだなぁ。

   今、あの頃に戻れたら、あの時先生は何を話していたのかとか、知りたい。なかなか通じず話すのをあきらめたこととかあったなぁ。がんばれば何とかなるもんだなぁとつくづく。。

2015/10/30

フランス語教室?


 私はフランスが好きだ。言わなくてもそりゃそうなんだけど。。嫌なこともいっぱいあるけれど好きなことを挙げたらキリがない、そんなフランス。町も風土も食も大好き。それに心から信頼できる仲良しの友人もたくさんいるから落ち着くところ。

 小さい頃からフランスを何度も訪れている息子もそう思っているようだ。フランスはなくてはならないところ。だからもっとしゃべれるようにとまた習い始めた。友達のDanielleに教えてもらっていた小学生の頃より、意識の持ち方が全然違う。あの頃は何となくやっている感じだったけれど、今は欲が出てきたようだ。しかも、語学習得の要領がわかってきているから覚えもいい。若いから吸収も早く、小さい頃から聞いているからか発音も悪くない。あとは地道に単語を覚えて、実践で慣れていくのみだ。今まで聞いたことのある単語が「あ〜、こんな意味だったんだ〜」と少しずつわかっていくのがおもしろいようだ。しかも意味がわからなくても、発音の仕組みがだんだんわかるようになって読めるようになり、ますますおもしろくなってきているみたいだ。だから教え甲斐もある。そして教えていると、自分がフランス語を始めた頃のことを思い出す。はじめは取っ掛かりが掴めず、ひたすら覚えて使ってみる、を繰り返していたけれど、ひとりで始めるのは根気も要るし、なかなか大変だ。でも、しゃべれるようになるまでのもどかしさも楽しさも両方わかるから教えるのにも熱が入る。私がフランス語を始めたときに今の私みたいなのがいたらよかったのにな。

 よくいろんな人からフランス語やりたいけれど、どうしたらいいのか。。と相談されることも多く、教えてほしいと言われることも多々。と言うわけで、そんなことも始めようかなと思い始めた。どんなふうにしようかな。

2015/10/29

冬に薄着


 もうすぐ寒い冬がやってくる。朝晩はひんやりして、もうじき朝起き上がるのもつらくなってくる。今頃もう、パリも寒いのだろうか。ここ最近、フランスを訪れるときはいつも夏だったから、フランスの冬ってどうだったか。。

 暮らしているときは寒い日にはあまり外出しなかった。だって寒すぎて、トイレに行きたくなる回数が半端ない。どうやって防寒しても石畳を歩いていると芯から冷えるのだ。用事で出かけるときは、とにかく厚着してさっさと行って、さっさと帰って来ていた。
 寒い冬はやっぱり誰でも寒いはず。でも私たち日本人よりもフランス人は寒さを感じてなさそうに見える。パリの通りを歩く人たちも案外薄着だったりする。日本でも歩く外国人が寒空の中、半袖で歩いているのを見かけたことがあると思う。そんなフランス人がパリでもけっこういるのだ。もちろん、ほとんどの人は冬装備だけれど、半袖半パンの人は平気そうな顔で歩いている。

 薄着なうえに外でアイスを食べるフランス人もよく見かける。身体の構造はどうなっているのだろう。。

2015/10/28

ポチの名前


 パリに暮らしていた頃の銀行明細や電気料金の支払い明細、とにかく何でも取ってあって未だに大切に持っていて捨てられず、この際だからずっと大切にしようと思っているけれど、そんな中に愛猫ポチの病院での記録手帳や日本へ戻ってくる時の書類もたくさんある。。

 手続きの上で名前を聞かれることも多く、フランスではもちろん”Pochi”なんて名前はないから「日本語?どういう意味なの?」と聞かれることが多かった。フランス語の”Petit”(プティ)にもちょっと似ているから、それを日本語風に呼んでいるのかともよく言われた。その頃、もうすでに大きくなっていて、見るからに『プティ』ではないよね、と笑い話のようになっていた。日本で昔から犬に付けるベタで古典的な名前なんだ、と説明するとみんな興味津々だったな。ポチという名前はフランス人でも発音しやすいから「ポチ、ポチ」とみんな可愛がってくれた。

 時々、思った。アパートの中庭で拾ったポチにはそれ以前の名前があったはずだ。それはどんな名前だったのかなと。。今さら、ポチ以外の名前はしっくりこないけれど、ちょっと知りたい。。

 

2015/10/27


 フランス人は白黒はっきりしたがる。日本人のように「どっちでもいい」って答えはないから”Oui”か”Non”のどちらかだ。そして嘘も嫌いだ。とにかく、はっきりしないことがイヤなのだ。

 あるとき、高校生のXavierに彼女ができた。Marieがそれとなくどんな子か探ると渋々だけど、Xavierがちょっとずつ教えてくれたらしい。「バイトをやってるらしいのよね」「どんなバイト?」「赤十字のお手伝いをしてるって言ってたけど、モデルのバイトしてるらしいのよねぇ」「別にいいんじゃない?」「そうなのよ、別にいいのに隠すのよねぇ。。」きっと、Xavierは真面目な子とつき合ってるんだよ、と安心させたかったんだろうけど。。何だか、かわいい嘘だ。

 でもフランス人、曲がったことが嫌いだから嘘はつかない。それはどこの国でも誰でも同じか。。Xavierみたいなこんな嘘だったら微笑ましいけどな。

2015/10/26

団欒


 フランス人は暗いところが好きだ。どの部屋も薄明かりがついているだけだ。天井に照明のついている部屋はほとんどなく、どこも間接照明で明かりをとっている。その間接照明も明るいわけではなく、暗い照明が床やテーブルの上のところどころにあるだけだ。

 さて、フランス人はテレビを観るとき、部屋の明かりを消す人が多い。もともと暗い照明だけど、映画やドラマを観るときは真っ暗にして観るのが好きなようだ。確かに薄明かりがついているよりも真っ暗なほうがテレビの画面も見やすい。
 
 どちらかというとフランス人はテレビをあまり見ない。食事をするときにも見ないし、ヴァカンス中は特にテレビもつけない。我が家も食事する部屋にテレビはないし、テレビを見ながら食事するのはあまり好まない。
 あ〜、でも、そういえば食卓のそばにテレビのあるフランスの家ではテレビを見ながらごはんを食べてたなぁ。でも食事中のおしゃべりはやめないから、テレビはほとんど見ていないんだけど。。で、見ちゃってても、そのテレビの内容で話が盛り上がり、結局テレビはほとんど見てないから、テレビつけてなくていいんじゃないって感じ。やっぱり団欒が一番楽しいねってことだ。

 

 

2015/10/25

ちょっと怖い


 一軒家のワインカーヴは涼しい地下にある。ワインカーヴも地下室のこともフランス語では”Cave”『カーヴ』と言う。戸建てのカーヴは広い。ほとんどの家のカーヴには洗濯機、アイロン台が置かれていて、アイロン好きのフランス人が暑い夏の日でも作業できるようになっている。それに冷暗所に置いた方がよい缶詰やパスタ、飲料水がストックされている棚が置かれていて、どれも理にかなっている。

 広い家であればあるほどカーヴも広い。Marieたちの家はこれだけ、いろんな用途に利用されていてもまだスペースに余裕があって、使わない家具やスーツケースなど大きなものが無造作に置かれていた。
 ある日、それらがきれいに片付けられて、大きな本棚と傍らにはこれまた大きなテーブルが置かれていた。「Xavierが勉強をするためのスペースを作ったの」とMarieは言っていたけれど。。でもカーヴはちょっと薄暗いし、ひんやりしているし、私はカーヴに下りるのがおっかなかった。。でもXavierは男子だし、自分んちだから大丈夫だったと思うけど、やっぱりちょっと怖い。。

2015/10/24

ワインの温度


 フランス人は毎日、何かしら飲んでいる。ワインは水のように飲むし、ビールはジュースのようだし、シャンパンは飲んでいないかのようにグイグイ飲み干す。時間、気候など条件によって飲みもの、冷やし方を変える。

 日本では時々、あれっと思うことがある。このワイン、冷やし過ぎてない? ワインは季節によって赤か白かロゼを選ぶ。気温と同じくらいの温度で飲むのが美味しいとフランス人の友人がよく言っていた。
 赤ワインは室温で飲むのがおいしいとと言われているけれど、そもそも日本とフランスの気温は違う。目安としては18℃くらいがちょうどいいらしい。白ワインはもう少し冷やした方がいい。でもフランス人には日本で飲む白ワインはちょっと冷え過ぎていると感じるみたいだ。ロゼも白と同じくらいの温度がちょうどいい。
 
 フランスの友人の家にはワインカーヴがあり、温度管理がされているからいつでも飲み頃だ。でも出しっ放しにされているワインもキッチンにいっぱいあって、常温を好む友人も多い。私もどれも常温で飲みたい派。

2015/10/23

夜のパリ


 旅に出るとまず、何時頃に空港に到着するのか気になるところ。初めて行くところだったら、どうやって町まで行くのがいいのか、空港からどれくらいかかるのか、ちゃんと調べておかないと心配になってしまう。飛行機が少しでも遅れてバスもない、なんてことになったら、タクシーで行くしかない。それもまた、不安。
有り難いことにフランスを訪れるとき、毎回送り迎えを友人がしてくれるから困ることがない。早朝だろうと真夜中だろう迎えが来ているとほっとする。
 
 はじめてひとり旅をしたとき、夜もかなり更けてからの到着で言葉もしゃべれない、知り合いもいないシャルルドゴール空港で心細かった記憶がある。同じ便に日本人がいるのを見かけ、声をかけてちょっとほっとした。その後、バスでオペラまで行き、タクシーに乗って近くのホテルまで行った。今だったらきっと歩く、そんな距離。夜のパリは気をつけろ、とガイドブックに書いてあったからなぁ。
 そのとき飛行機で乗り合わせた日本人は、来る前に日本で憧れのモンマルトルにアパートを借りていて、でも着いてみたら電気もつかなかったと後で聞いた。それはそれで怖いな〜。迎えの車でみんなの待つ家に辿り着ける幸せ。いつもありがとう〜。

2015/10/22

野菜


 晩ごはんを作りながら考える。最近は日本でも世界中の野菜が手に入り、どんな料理もある程度できる。でもやっぱり、同じものを食べてもそこの国で食べる料理が一番おいしい。

 フランスは野菜や果物の種類が豊富だ。朝市へ行けば何でも手に入る。じゃがいもや玉ねぎ、にんじんとかは日本とほとんど同じだから、肉じゃがだって同じようには作れる。でもやっぱり、日本で作って食べるほうが何だかおいしい。醤油や出汁の違いもあるけれど。。
 フランスのきゅうりはびっくりするくらい大きい。フランスでは皮をむいて輪切りにしてマヨネーズベースのドレッシングで食べるのがポピュラーな食べ方だ。初めて食べた時はその大きさと大味にびっくりしたし、普段マヨネーズを食べないからちょっと苦手な感じだ。でも今でもあの大きなきゅうりがなつかしくて、日本の細いきゅうりの皮を切って食べたくなる。
 
 そうそう、フランスで食べるアフリカ料理のカレーにはバナナが入っていて、バナナだけどバナナではない。そんなのも作りたいけれど日本ではそれは難しいな。 

2015/10/21

花嫁の父


 興奮冷めやらぬ、昨日の出来事。Aliceの結婚はやっぱり小さな頃から知っているということもあり、感情は娘が嫁ぐといった感じに似ているのかもしれない。
Aliceはとにかく小さい子のお世話をするのが使命のように面倒見が良かった。5歳離れた息子と同い年の妹がいたし、ずっとボーイスカウトの活動をしていたからだろうと思う。とにかく、小さい子たちはAliceを慕う。息子もそうだった。
 
 Aliceの妹 Dianeと息子は大の仲良しで1年会ってなくても、つい昨日も会ってたかのようなそんな仲だった。そんな仲良しだったからその頃、Aliceが仲人で息子とDianeは二度も結婚式を挙げた。その光景は微笑ましく、みんな盛り上がり、当の二人は嬉し恥ずかしの初々しい雰囲気だった。そんな姿をDianeたちのパパ Patrickは冗談めいて笑っていたけれど「ほんとに結婚したらどうする〜?」と聞くと、ちょっと真顔になったのをよく覚えている。

 今はもういないPatrickがAliceの結婚をどう思って見てるかなぁ、とちょっと気になる。怪訝そうな顔で見てるのかなぁ、花嫁の父だから。でもきっと喜んでるに違いない。見てほしかったな。。

2015/10/20

Félicitations Alice!!!


 初めて会ったのは小学 2,3年生だったか、真っ赤なランドセルを背負った、まだあどけない少女だった。Patrickの仕事の都合で日本にやってきたAliceは1年間だけ、公立学校に通っていた。とにかく明るくて、よく食べる女の子だった。Aliceがいるところはいつもぱっと明るくなる。面倒見がよく、息子と一緒に遊んでくれたり、フランス滞在中、息子の姉のようでもあった。

 そんなAliceが結婚した。フランス人らしく、籍は入れず、でも結婚している人と同等の法的権利が与えられる ”le pacte civil de solidarité” いわゆる”PACS”(パックス)にサインしたのだ。この制度はもともと同性カップルのために作られたものだ。どちらかが先に亡くなった場合、残された相手への財産などの保護のためにできたそうだ。ただ今日では、籍を入れるよりもこの形式で一緒に暮らすことを選ぶカップルが多い。

 さて、Aliceが16歳になった頃、こんな相談をされた。それまで彼氏のいなかったAliceが「好きな人ができてつき合おうって言われたけど遠距離なの。どう思う?」と。その彼と結婚したAlice。純愛だなぁ。ステキすぎるよAlice。

2015/10/19

O'CD


 フランス人はどちらかといえば音楽に無頓着というか、あまり興味がないらしい。「フランス人アーティストで誰がおすすめ?」と聞いても「うーん、フランスの曲はあんまり聞かないな」の答え。そういえばフランスではショップでもCaféでも音楽は流れていないところが多い。

 パリに暮らしている頃はCDショップに行ってもなかなか新作が並ばず、しかも他国の流行っているCDはずいぶん経ってからでないと店頭に並ばないから、ロンドンまでよく買いに行っていた。恐ろしいほど音楽市場が遅れていたフランス。だから、頻繁に中古CD屋さんに行ってストレスを発散していた。その時のレートによっては日本で新品を買うより高くなってしまうから気をつけなければいけないけど、日本ともロンドンとも違う品揃えにテンションが上がった。
 私がよく行っていたのはMaubert-Mutualité(モベール ミュチュアリテ)駅から歩いて行ける”O'CD”(オーセーデー)。どんなジャンルの音楽も取り扱っていて、いつも何か見つかる。ここで買ったCDは今でも持っている。ある日、レゲエのCDを買ったらレジのお兄ちゃんにえらいびっくりされた。「日本人もレゲエ聞くの?」って。。

2015/10/18

その夏一番の暑い日


 アルザスを訪れたのは暑い夏の日だった。その夏一番の暑い日でしかも、フランスで一番暑かったのはアルザス地方。Strasbourg(ストラスブール)駅に着く頃には38℃になっていた。

 冷房設備の整っていないフランスでは猛暑になるとけっこうつらい。湿度の低いフランスでは少々の暑さならば陰に入れば涼を取ることができるけれど、それもできないほどの暑さ。逃げ場がなくつらい。
 レストランの中に入っても涼しいわけでもなく、それならばテラス席と思ってもそれはそれで暑い。ただ、日本の湿気のある暑さに慣れている私たちは日本に比べたらマシよね〜、と言い聞かせつつ過ごす。
 しかし、フランス人にとってみれば尋常じゃない暑さ。みんな、イライラしているのを感じる。アルザスの人は温和でのんびりした人たちが多いんじゃないかと勝手にイメージしていた私は、ちょっとショックを受ける。でも、もちろん、みんながみんなではないけれど。。
 なぜか、昼食をとるために入ったレストランで出てきた料理の温まり具合が物足りない。もしや、この暑さだから少し冷まして持ってきたとか? そんなことはないか。。おいしさ半減。でもそれも旅の思い出。

2015/10/17

1杯に1枚


 時々ふと食べたくなる”Galette Bretonne”(ガレット ブルトンヌ)。平たくて丸くて少し厚みのあるサブレのこと。サクサクとした、でもちょっとしっとり感もある生地でバターの風味と甘くてしょっぱい、その加減が絶妙で手が止まらないおいしさ。”Pâtisseries”(パティスリー)でも売られているけれど、スーパーで売られている箱入りのものも十分においしい。最近では日本のスーパーでも手頃な値段で売られているから、ついつい買いたくなる。

 フランス人も『ガレット ブルトンヌ』が大好き。スーパーで選ぶのはこれか、ちょっと固めの”Biscuit”(ビスキュイ)が定番だ。キッチンの上のほうの棚には封の開いたこれらがいつも入っている。
 さて、どんなときに食べるのか。おやつのときって言うより、お茶するときって言ったほうが合っているかも。コーヒーを入れながら、まだ途中のコーヒーにそれらを浸して食べる。夕食のあと、寝る前の”Tisane”(チザンヌ)『ハーブティー』と一緒に「1枚食べちゃおっと」と言いながら食べる。常にお茶のお供と言うわけだ。確かに何枚も要らない。1杯に1枚がちょうどいいのかも。

2015/10/16

名字


 便利さに慣れるとちょっと前のことをつい、忘れてしまいそうになるけれど、あ〜、これってあの頃なかったよねとか、ふと思い出される。

 パリに暮らしている頃、パソコンも持っていなかった。今となっては不思議だけれど、そういう時代だったのだ。でも日本人カップルの友達がそれぞれ1台ずつ、パソコンを持っていてパソコンを使ったことのない私にとっては未知との遭遇みたいな感じだった。そして、携帯電話もなかったからどうやって連絡を取っていたのか。。
 その頃、住所や家の電話番号などの連絡先を交換した友達とはその後、メールアドレスを交換し、今も交流できているけれど連絡の取れない友達もたくさんいる。しかも、フランス人や他の国の友達とは名前で呼び合うから、名字がわからない人も多い。下の名前だけだとさすがにたくさんいすぎて、こんなに便利になってSNSのツールもたくさんあるのに探し出せない。。しかも聞き慣れない名字はすぐに忘れてしまう。あの頃仲良くしてた韓国人の友達とか、元気だろうか。。そもそも、ハングル語だと全然わかんないけど。。
 
 また10年、20年経ったら、あの頃あれがあったらよかったのに〜、と思うものができてるんだろうな。

2015/10/15

トイレで読書


 フランス人はやたらと地べたに座る。歩き疲れて休憩する時、待ち合わせの時、本屋さんで本を読む時、とにかくぺたんと地べたに座る。ちょっとした段があってもやっぱり地べたにぺたんと座る。

 最近は日本でも椅子に座ってゆっくりと読める本屋さんが増えている。のんびりお茶でも飲みながら本が読めるところもあって一日いても飽きない。でも、わざわざ本を持って席まで何往復もするのはちょっと面倒だ。だからその場でぺたっと座って本が読めるのは便利だな〜、といつも思う。そこで書き物を始めちゃったり、かなりくつろいでいる。さすがに何か食べている人はいないけれど。。

 私のまわりのフランス人は読書好きが多い。友達の家の大きな本棚にびっしり本が並んでいて、いつもバッグの中には読みかけの本が入っている。フランスでは、日本のように電車やバスの中で本を読む習慣がないけれど、公園の芝生やベンチで本を読む姿をよく見かける。それから自宅のトイレ。ここが一番落ち着くらしく、常時、本や雑誌が山積みされている。狭い空間で読むと落ち着くのかな〜。

2015/10/14

MAILLE


 フランス人は“la moutarde”(ラ ムタルドゥ)『マスタード』が大好きだ。”Frites”(フリット)を食べるときも肉を食べるときも、煮込み料理にもふんだんに使う。色もおんなじだし、練り辛子の様だけど辛くないから食べやすい。冷蔵庫の中には必ず入っているし、スーパーのマスタード売り場はけっこう広い。私たち日本人が醤油を嫌いでないようにフランス人もまた、マスタードを嫌いな人はあまりいないと思う。

 マスタードといえば”MAILLE”(マイユ)のマスタードが有名だ。創業250年以上の老舗ブランドで日本でもあちこちで見かけるから、もしかすると日本のものだと思っている人も多いかもしれない。日本だと、もしかすると粒入りのほうがよく食べられているかもしれないけど、フランスではノーマルタイプのものがよく食べられる。
 他の食品、食材であれば、ふだん食べられるものも十分においしくて、とっておきのときにはちょっとお高いけれど、でもさらに美味しいものがあるのがふつう。でも”ムタルドゥ”はいろんな種類があるけれど、とっておきのときでもやっぱり”MAILLE”。安定の美味しさだ。我が家はおでんに”ムタルドゥ”。もう、そんな季節だな。

2015/10/13

chez Paul

 
  美味しいものを食べるって大事なことだ。やる気も元気も出るし、何たって幸せな気分になる。フランス人は美味しいものに目がない。それは子どもも大人もおんなじ。小さな頃から美味しいものを追い求めるフランス人。国中あげて美味しいもの合戦してるのだ。まず、素材がいい。そしてこだわりがある。これが一番だ。
  
 11区、バスティーユ駅からほど近いCharonne通りにある”chez Paul”はまさしく、美味しいものを追い求める人々が集まっているビストロ。いつも早い時間からいっぱいで、すんなり入れた試しがない。でも地元の人が集まる確かな味。フランスでは名前を店名につけている店が多いけれど、そんな店は信頼できる。まっ、私の偏見かも、だけど。。Paulさんはいっぱいいるけど、ね。

2015/10/12

サンラザール駅


 フランスに滞在するときの定宿は郊外にあるMarieの家。郊外線のSNCFに乗るから乗り換えの駅はサンラザール駅。サンラザール駅周辺には大した店も何もなかったけれど、何だか大きな駅にありがちなちょっと怪しげな感じが好きではなかった、嫌いではないけれど。。
地方への電車の出発駅の周辺にはいつもたくさんの人がいる。もちろん、旅に出る人、家路に着く人もいるけれど、そんな人たちを狙う人のほうがよっぽど多かった。明らかにそうなのにそうじゃないのよ的な感じで立っててちょっとおかしかったけど。。
 夜はやっぱりおっかないけど、あの雰囲気はパリっぽい。

2015/10/11

偽物


 パリにはたくさんの日本料理店がある。日本料理ブームだからではない。数は今より少なかったとはいえ、私が暮らしていた頃からたくさんあった。でもほとんどが偽物の店だったけれど。。

 よく見かけたのは寿司屋や焼き鳥の店。でもまず、店構えからしておかしい。だってこんな店名、絶対つけないでしょ、って看板が掛かっている。それに店先に書かれたおすすめメニューの意味が分からない。働いている人も日本人ではなく、日本人になりすました中国人とか?
 だから、絶対日本人が作っていると疑わないフランス人か、知らないで入ってしまった日本人観光客しか客はいないけれど、いつもそこそこ人は入っていた。で、食べた人に聞いてみると美味しくないだろうなってものがお味噌汁の中に入っていたり、お寿司の具材になっていた。でもまあ、ある意味、独創的なその発想からもしかしたらおいしいものが生まれるのかもしれないな、とも思ったり。。
 
 その後、本格的な和食のお店がたくさんできて、その味を知ってしまったフランス人はそれまであった店が偽物だったって気づいてしまった。でも最近できたお店は値段が。。ちょっとお高くてなかなか行けなさそう。

2015/10/10

溜まった汚れ


 フランス人は髪をあまり洗わないことは何度も書いたけれど、実は顔もあまり洗わない。硬水だから洗顔すると肌がバリバリになってしまうからだ。夜も拭き取り化粧水で拭き取るだけ、朝もそう。うんっ? ということはいつ顔を洗うの? そう、ほとんど洗わないのだ。まず、湿度も低いからべたべたしない。でもそれでも、私たちはやっぱりジャブジャブ顔を洗いたい。でもそれでも、ひたすら洗わない。

 フランス人と私たちのお風呂の感覚はずいぶん違う。湯船に浸かるとか毎日シャンプーするとか、そういったことも違うけれど、そんなことよりも入る時間帯だ。朝なら朝、夜だったら寝る前とか、私はとにかくお風呂に入ったら出かけたりしない。でもフランス人はいつでも時間の取れるときに入ってしまうから、それが昼間だったり夕方だったりもするのだ。朝すっきりするとか、一日の疲れや汚れを取るって概念ではなくて、しばらく入ってないから、じゃ今入ろっかなと思う感じなんだと思う。とにかく、ずいぶん溜まった汚れを落とす感じ?
 そして、誰かが洗わなければ、たぶんずーっとバスタオルは同じものを使い続けるだろうな。。

2015/10/09

ゴムのブレスレット


 つい行ってしまう店がある。よく行く写真専門店の近くだし、ピカソ美術館からもほど近い。行こうと思っていないんだけど、でもつい足が向いてしまう。色とりどりのアフリカンな雑貨が置いてある店だ。リサイクルで作ったものも多く、鏡の裏は広告の紙だったり、缶で作った額縁や椅子が売られている。
そこへいくといつも買ってしまうのがゴム素材で作られたブレスレット。色の種類がたくさんあって、何個もまとめて買ってジャラジャラつけちゃうのが楽しい。で、これ、たくさん買ってきたつもりなのに手元に残っているのはなぜか5,6本。。継ぎ目はたぶんボンドでくっつけてるだけなので簡単にぶちっと切れてしまうのだ。一回で切れてしまったり。。でも丈夫なものにあたれば、まったく切れない。さすがフランス、当たり外れが多い。

 そんなことがわかっているのについ行って、買ってしまう。安いからってこともあるけれど。。一見、店のスタッフも愛想がないし、入りづらい雰囲気なのだけれど、でも実はみんな恥ずかしがり屋なだけでとても親切。ある雑誌の取材を突然申し込んだときもあからさまにイヤな態度に出る店が多い中、ヴァカンス中のオーナーにわざわざ電話を入れてくれた。しかも電話を替わってくれたのだけど、とってもおおらかななオーナーでその後の取材もやり易かった。
 そんなこともあって、切れちゃうってわかっててもつい買ってしまうのだ。最近は切れないように慎重に扱っている。貴重な5,6本。次に行ったら大量に買ってしまおう。

2015/10/08

パック


 いくら考えてもわからない。あんなに頓着ないフランス人なのに、なぜフランスではあんなに美に関するものが生み出されるのか。あら、ちょっといいものが出たな、と思うとフランス製。あら、よさそうなものが多いな、と思うとパリに店があるなんてこともしょっちゅうだ。どうしてなんだろう。。
髪を洗うのも面倒くさい、シャワーを浴びてもあっという間に出てくる、そんなフランス人のどこから美を追求する発想が生まれるのか。。たぶん、たぶんだけどそんなステキなことを生み出せるのはごくごく一部の人だから、そういう風な人にはめったに会えないのだ、きっと。

 フランスへ訪れる際に経由した、ソウルの空港でローションたっぷりのパックをおみやげに買った。日本人は韓国が好きだし、よく知っているからパックをあげると大抵の人が喜んでくれる。その感覚でいろんな種類のをたくさん買って行ったら、まあまあ喜んではくれた。でもパッケージのイラストを見てギョッとする。「えっ、まさかこれって。。」フランス人は得体の知れないものが嫌いだ。「Merci」と笑顔で受け取ったけれど、棚の奥にポンと投げ入れたのを私は見逃さなかったわよ。。

2015/10/07

車内


 当たり前だけど、フランスで見かける車はヨーロッパ車が多い。フランスのメーカーが多く、その他はドイツ車だったりで、日本で言うところの高級車だ。以前にも書いたし、最近ではよく知られていることだけれど、フランスでは縦列駐車の際に前後の車にぶつけながら無理矢理スペースを作り、隙間なく駐車する。そんな高級車でも、だ。信じられないけれど、真実だ。

 だからなのかどうなのか、車をきれいに乗っている人は少ない。洗車はしないし、車内もいつも汚い。几帳面な人の車の中はまだマシだけど、そうでない人の車はびっくりするものがたまに出てくる。それこそ、食べかけのパンとか飲みかけのジュースとか。。脱いだまま忘れた洋服や帽子、ストールが残されているなんてことは日常茶飯時だ。友人Marieの昔乗っていた車は冗談抜きで足の踏み場がなかった。でも、案外どこに何があるかは把握していて、助手席の下の方から地図を出してきたり、後ろの座席の埋もれたところからセーターを出してきたり。。ちょっとコントみたいで笑えた。
 で、私の知る限りでは車に無頓着な人ほど運転は上手い。
 

2015/10/06

フランスのにおい


 フランス人は匂いにこだわりがある。ちょっと昔は体臭を隠すために香水をつけたりしていたけど、今は純粋に香りを楽しむ人が増えてきている。キャンドルやルームスプレーのブランドもたくさんあり、パリへ行くとそんなお店を回るのも楽しみだ。日本でも売られているけれど、値段があまりにも違い過ぎるから買うのが躊躇われて、買ったはいいけどもったいなさすぎて飾るだけになってしまいそうだ。で、やっぱり高いものは香りが持続するなぁ、とか感動してしまう。やっぱり高いものには理由があるのだ。

 さて、フランスのにおいと言えばこれ、というものがある。でもにおいって言葉で説明するのがむずかしい。道を歩いていると、お店に入ると、ふとそのにおいが香ってきてなつかしくて立ち止まってしまうこともある。
 パン屋さんの焼きたてパンのにおいもフランスのにおい。アフリカンな香辛料のにおいも私にとってはフランスのにおい。古着屋さんの洗っても取れないにおいもフランスのにおい。でももっとフランスを感じるにおいがあるのに言い表わせないなぁ。。

2015/10/05

おいしさのセンス


 昨日、東京タワーへ久しぶりに行ってみた。行ったことはあったっけ?と言うくらい記憶にないほど訪れていない。東京は高い建物が多すぎて、どこからでも東京タワーが見えるわけでなく、でも近くに行くと近すぎて見えにくい。残念だなぁ、と思う。スカイツリーができたからなのか、やっぱり人は少なかった。でも、エッフェル塔には叶わないけれど東京タワーもやっぱりいい。

 さて、場所柄だろうか、東京タワーの帰り道には”Brasserie”『ブラッスリー』と呼ばれるような店が建ち並んでいる。どこもおいしそうだし、フランスっぽさが感じられる。そのうちの一軒に入ってみる。席につくとギャルソンの出で立ちの男性が注文を取りに来てくれたけれど、なぜか「どれもおいしいですよ。一生懸命作りますから」と言われた。何だかフランスっぽさから現実に引き戻されたけれど、とりあえず、鶏肉を焼いてソースを添えたものを頼んでみる。注文したものを厨房に頼むのもフランス語だし、期待大〜と思っていたのに。。何だか、ウスターソースみたいなのがかかっていて、せっかくおいしいパンがきてもソースにつけることができず、一体何のソースだったのかわからずじまいだった。結局、ソースをなるだけよけて塩をふって食べたのだけど、ここがフランスならばこんなソースをかけるぐらいなら塩胡椒で焼くな、きっと。フランスはやっぱり、おいしさのセンスが違うと思う。

2015/10/04

フォトジェニック


 パリコレの季節になると、パリの町に何か違う空気が漂う。以前はわりと簡単に出入りできていたけれど、最近は厳重なチェックもあり、簡単にはいかないようだ。ただ初めてコレクションをやるデザイナーの会場は人の集まりも少なく、意外と簡単に入れることもある。とにかくあちこちに人が溢れる時期。
そんな華やかさとはうってかわって、パリに暮らす人々はパリコレ時期の人の多さに辟易している。レストランやビストロも混雑するし、町の中心には人が溢れるからだ。写真を撮る人たちもずいぶん増える。
 
 最近では携帯電話で簡単に写真が撮れるようになって便利になったけれど、フランスでは特に気をつけたほうがいい。自分が写り込むのを嫌う人も多い、特に子どもの写真は。。だから、勝手に撮るのもダメだし、なるだけ同じところをじっくり撮る行為は避けたほうがいい。確かにフランス人はFBなどのSNSに幼い子どもの写真はあまり載せない。むやみやたらに撮る行為は街角スナップを撮っているだけでも嫌がられる。

 でも、基本的には写真は嫌いでないフランス人。きちんとお願いすれば快く撮らせてもらえるし、いろんなポーズを取ってくれて、かなりのフォトジェニックだ。

2015/10/03

喫煙率


 フランス人の友人はみな煙草を吸っていた。フランスのCaféに座っている人を見ても女子の喫煙率は高かったし、歩きタバコをしているのも女子。きっとフランスでは水を飲むことと同じくらいの感じなのかも、って思うくらいだ。

 もちろん、小さい頃は吸ってないわけで、でも両親も遊びにやって来る友達もみんなみんな、喫煙者ばかり。友達の娘は小さい頃、大のタバコ嫌いで、灰皿に置いてある吸いかけを見つけては手当たり次第に消していたし、吸えないようにとタバコの箱を隠したりしていた。時々、タバコがどれぐらい有害か大人相手に説教までもしていたぐらいだ。その嫌がり方は尋常ではなかった。
 だから、きっと彼女は大きくなってもタバコを吸うことは絶対にないんだろうな、と思っていた。確信に近い感じだったのに。。しばらくすると、その子がタバコを吸っている姿をFBで見かけた。かなりショックだったけれど、でもそうなのよね〜。大袈裟でなく、吸わないフランス人女子を見たことがない。ただ、身体に悪いし、長生きしたいからとスパッと止める人も多い。なので、若いうちに吸ってて、だんだんと止めていく人が多いのよね〜。堅実だ。

2015/10/02

フランスの魅力


 最近、ニュースになっている難民問題の記事を読んでそりゃそうだ、と思ってしまった。ヨーロッパ諸国のいろんな国が受け入れを決め、望む人も多いなか、フランスを希望する人があまりいないというのだ。言葉の問題も大きいけれど、役所関係の手続きが進まず、それを望まない人も多いのだそうだ。

 そう、ほんとにあんな調子で暮らしていてよく発狂しないな、と思う。どこへ行ってもまともな対応をしてもらえず、イライラして待たなければならない。もともと時間にルーズなうえにそんな調子だから一日が24時間なんて絶対に足りない。スーパーでも郵便局でも洋服を買いに行っても従業員同士がくっちゃべって、待っている私たちはすんなりとは帰れない。待つことが当たり前なのだ。
 それに超高級店でない限りは包装もやや雑で日本の店で洋服を買うと、あまりにも丁寧に包んでくれるからこちらが恐縮してしまうぐらいだ。ただ、あまりにも何重にも包装されていると捨てるものも多くて、それはそれで困る。。
 とにかく、フランスのサービスと日本のサービスを足して二で割るとちょうどいいと思うのは私だけではないはず。
 でも、超高級店は天と地ほど違い、これが同じ国で同じフランス人なのか? とみまがうくらいだ。この何かわからないけれど、理解不能なこんな感じが、これまたフランスの魅力なのかも。

2015/10/01

HLM


 フランスには ”HLM(アッシュ エル エム)「Habitation à Loyer Modéré」と呼ばれる集合住宅が至るところにある。直訳すると『控えめな家賃の住居』。いわゆる『低家賃集合住宅』と言われているところだ。

 パリの郊外のこの住宅に暮らしている友人がいて、行くたびに訪れる。メトロの駅はないけれど、郊外線”RER”(エールウーエール)の駅から徒歩10分、ヴァンセンヌの森からも近く、住みやすい地域だ。その友人は今は大学生になった息子が生まれた直後、ここに移り住んだ。それから数年間はほとんど仕事はせず、子育てしていた。
 フランスでは子育て支援が進んでいて、しばらく働かなくても生活するには困らない。だから今、息子も大きくなって手狭になってきたけれど、近くに友達も多く、慣れ親しんでいるからなかなか引っ越せないと言っていた。そうこうしているうちに、パリもその近辺の郊外も家賃が高くなるし、引っ越す度に家賃も上がるからなかなか引っ越せなくなってきている。しかも、アパートの空きも出ないから引っ越すのが困難になってきているらしい。
 それに友人の息子は引っ越したくないらしく、そこにずっといたいみたいだ。しかも20年近く家賃は上がっておらず、それだったら引っ越す理由が見つからないよね〜。私も思い出の多いアパートだから、引っ越してほしくないなぁ。