2015/05/31

温かいコーヒー


 今日みたいな気持ちのよい初夏は過ごしやすいけれど、とにかく喉が渇く。こんな時、日本は便利だなと思う。三歩行けば自動販売機、そしてあちらにはコンビニ。飲み物を買うのに困らない。

 フランス人はとにかく水をたくさん飲む。飲む量が半端ない。ペットボトルの水はいつも大量に買われていて、いつでもどこでも飲めるようにしている。夜眠る時にも枕元には必ずペットボトルの水。もちろん忘れずに私たちにも渡してくれる。 

 私たちが夏によく飲むアイスコーヒーは何度も言うけど、フランス人にとってこの世の飲み物ではないらしい。コーヒーと言えば温かい、それが本物のコーヒーなのだ、フランス人にとって。
 さてさて、フランスに数年前にやっとできたコーヒーショップのチェーン店はどうなのだろう。温かい飲み物もたくさんあるけれど、日本だと今の時期はもう冷たい飲み物を頼む人のほうが多いはず。フランス人はきっと、温かいコーヒーを頼むんだろうな。あっ、でもアイスコーヒーはコーヒーじゃないけど、違った飲み物として飲めば案外イケてるよね〜、とフランス人の友達が言っていた。まぁ、言いたいことはわかる。素直に”C'est bon”と言ってくれ〜。

2015/05/30

気合いだ〜。


 そうだった、フランスを初めて訪れた時、暮らしていたらいつの間にかしゃべれるようになると本気で思っていた。だから、フランス語の勉強も全然して行かなかったのだけど、そんなに甘いものではなかったことにすぐに気づいた。そう考えると、生まれてちょっとずつ言葉を覚えていく赤ちゃんはほんとにすごいと思う。ただ、やっぱり書くことは学校で学んでいくわけだから、おんなじことか。。やっぱり、語学は勉強しなければ会得できないのだ。やばい、と思った私はとりあえず、3ヶ月ほど学校へ行き、その後は夜な夜な勉強した記憶が。。何にもしないでしゃべれるようになるなんて、そんな図々しいことを思っていたなんて。。

 フランス以外でフランス語を公用語としている国はけっこうある。フランスの中でも地方ごとに訛りがあるし、他の国は、例えばカナダのケベックは単語自体が違ったりする。アフリカ諸国のフランス語はちょっと巻き舌っぽいしと、それぞれ特徴があるのだ。でもパリではいろんな人種、いろんな国の人たちが暮らしているからどんなフランス語にも慣れているし、対応できる。言葉がしゃべれるようになるには、堂々としゃべったほうがいい。声が小さかったり、自信なげにしゃべるとフランス人は聞く耳を持たないことがある。しゃべれるようになるには、もちろんがんばって勉強して、そして気合いだ〜、気合いだ〜。

 

2015/05/29

フランス国立図書館


 今日は原宿でやっているRichard Prince『リチャード プリンス』の個展に行ってきた。4月からやっていたのは知っていたのだけど、なかなか行けず、気づくと明日までに迫っていた。

 4年前にフランスを訪れた時、運よく”Bibliothèque Nationale de France”(ビブリオテーク ナショナル ドゥ フランス)『フランス国立図書館』で『リチャード プリンス』の個展が開催されていた。早速、雑誌のフォトエディターのLaurenceに電話する。「リチャードプリンスの個展、もう行った?」「行ってないから一緒に行こ、行こ」というわけで写真のプロで写真好きのLaurenceと観に行くのを楽しみにしていた。個展を観た後でモンマルトルのLaurenceのアパート近くの紅茶の専門店にも行きたかったのだ。なのに急に個展に行けなくなったと電話が入った。残念だけど、仕方なくひとりで個展を観に行った。フランス国立図書館のあるBercy(ベルシー)地区の再開発が進み、かなり変わっていて、びっくりしすぎた。
 私の知っているベルシー地区は倉庫しかない、夜にはとてもじゃないけど静かすぎてひとりでは怖くて歩けない所だった。それがモダンな地域に変わっていた。そして図書館は私の大好きな場所。そんなところで『リチャード プリンス』の個展が観れたなんて、運がいい。その後、モンマルトルの紅茶も買えたからよかった、よかった。

2015/05/28

Dianeとの出会い


 息子が初めてフランスへ行ったのは3歳だった。その時が初めての海外で、初めての飛行機だった。「あの時、こうだったよね〜」って息子に話しても全く覚えていないらしいから、何とも悲しすぎる。。でも仕方ないのだ、と納得するしかない。フランスのことだけでなく、小さい頃の思い出はほとんど憶えてないらしい。

 仲良しの友達 Dianeとの出会いは実は、日本だった。同じ通りに暮らしていて、保育園では同じクラスだったのだ。最初の出会いは2歳くらいだろうか。もちろんふたりとも記憶にはなく。。クラスも一緒、お互いの家を頻繁に行き来して、これはもう、れっきとした幼馴染みと言えるのではないだろうか。お互いを認識していなくて、お互い何語をしゃべっているかもわからないまま、一緒に遊び、一緒にごはんを食べ、一緒に散歩した。そして日本での最後の日は、私たちが以前暮らしていたアパートに泊まり、Dianeたちを送り出した。ふたりはさみしいとか、悲しいとかもわからないままお別れしたんだなぁ、あの頃。。
 実は当初、保育園での送り迎えの時間帯が違っていたから、Dianeが同じクラスにいることはしばらく知らなかった。途中で気づき、知り合って仲良くなってからは中身の濃いつきあいだったけれど、でも時間で言うと数ヶ月のつきあいだけだったのだ。あの出会いから十数年。。離れている時間が長くなっているけれど、お互い忘れたことはない。なぜだか、ふと書きたくなった。。

2015/05/27

16区


 まさに今、”Stade Roland Garros”(スタッド ローラン ギャロス)で全仏オープンが開催されている。昼頃のパリ郊外、めちゃくちゃ暑そうだ。そうそう、今、一番いい季節なのだ。日もだんだん伸びてきて、暑くはなってくるけれど、夏へのカウントダウンという感じで気持ちがよい。

 ローランギャロスはパリ16区から郊外に広がる”Bois de Boulogne”(ボワ ドゥ ブローニュ)『ブローニュの森』の中にある。広大な森林公園の総称でどこからどこまでなのかわからないくらい、広い。園内には博物館、遊園地、バラ園などの庭園がたくさん、有名なロンシャン競馬場、そしてスタッド ローラン ギャロスがある。
 
 16区といえば高級住宅街。建ち並ぶアパートも家も立派だし、歩く人々も見た目がセレブな人が多い。大きなサングラスに犬を抱っこして歩く、いかにもなマダムたちに遭遇する。
 パリに暮らしている頃、仕事のために時々訪れた16区。あの頃は何となく馴染めず、ちょっと緊張感を持たなければ歩けない界隈だった。でも、その後フランスを毎年訪れるようになってからは、パリからいつも滞在する郊外のMarieの家へと続く、通り道になった。車で通ることがほとんどだったから、車窓から見ることがほとんどだけれど、エッフェル塔もすぐそこだし、有名なお店やレストランも集まっていてきらびやかな場所だ。あー、歩くよりも車の中から見る16区が好きかも。

2015/05/26

エアコン


 暑い、暑すぎる。。まだ5月だというのに、うだるような暑さだ。明日はもっと暑くなるらしい。こんな調子でほんとの夏になったら、どんなことになるのだろう。。

 今日のような天気は、Strasbourg(ストラスブール)の旅を思い出す。暑いけれど湿度が低いから陰に入れば涼める。でも直射日光の当たる場所ではどうしたって暑い、そんな暑さ。その時の気温は38℃。湿度が低いから体感温度は今日よりちょっと暑いかな、という感じだ。
 フランスには基本的に冷房器具がない。普通の家庭にはエアコンがない。フランスのアパートや家にはエアコンを付けるのは構造的に難しいし、美観的にも無理がある。
 パリに暮らしている頃、暑くて眠れなかった記憶はないけど、いくら暑い日でも階数が高くても窓を開けて寝るのは怖いし。。でも日本の田舎とおんなじで昼間は暑くても、朝晩は過ごしやすかったと思う。布団を掛けていないと、ちょっと肌寒い明け方もあった。そう考えると、やっぱり東京の真夏の夜は暑すぎる。
 
 フランスの友達家族が日本にやって来て我が家に泊まった時のこと。熱帯夜が続いていて、その日も暑かった。エアコンをタイマー設定して「もし暑かったらもう一度ここを押してね」とリモコンを渡した。さて、朝、部屋を覗くと、うだるような蒸し蒸しとした暑さ。。何でこんなに暑いの? リモコンを見てみると暖房になっている。えーっ、いつからこれで寝てたの? いくらエアコンに慣れていないとはいえ。。

2015/05/25

フランス人と運動


 明日は息子の体育祭だ。前にも書いたけれど、フランスは体育祭、運動会というものがない。体操服を着て「前習え」なんてこともしない。放課後に部活動をすることもない。はて、フランス人の運動能力はいつ身に付くのか。。そういえば、友達の息子は中学生の時までスポーツと言われるものを一度もやったことがなく、なのでボールを蹴るのもどうやったらいいのかわからない、と言っていたのを思い出した。部活動もないから、興味があってもなかなか始めるに至らないのかもしれない。

 でも、いろんな人種の集まるフランス、特に黒人の人たちは身体能力が優れている。ぱっと思い浮かべるだけでもスポーツ選手の名前が次々と出てくる。サッカー選手も黒人の選手が多い。体型からして、もうすでに差があるように感じる。みんながみんな、とは思わないけれど、きっと割合的には運動のできる人が多いように思う。
 でも、その他のフランス人はどちらかというと運動が苦手なイメージがあるのは私だけ?私の知っているフランス人の友達と運動は全く結びつかない。でも身体を動かすのは大好きなフランス人。自転車に乗ったり、泳ぐのは誰もが好きそうだ。あっ、これもスポーツか。何かヴァカンスで楽しめることが好きな感じが。。これは私の勝手なイメージだけど。。

2015/05/24

Bac


 フランスと日本の教育システムはかなり違う。フランスでは大学へ入学するために ”Baccalauréat”(バカロレア)『バック』の試験を受ける。この試験というのは、専門的な科目と選択科目、そしてどの分野も必修の4時間かけて答える哲学の問題。哲学が必修とはいかにもフランスらしい。
 バックを受ければ誰でも大学に入学することができる。それより難易度の高い”Grandes écoles”(グランゼコール)へ行くには、さらにそこへ行く準備をするための学校へ行った後、試験により入学の可否が決まる。誰にでも公平に大学入学の道は開けているけれど、より難しいところへ行くには努力しなければならないのは、日本と同じだ。ちなみに一般的な大学はお金がほとんどかからない。

 フランスでは塾というのは存在しない。学校の授業時間も長く、しっかり学べているということか。。とにかく、日本では小学生が受験するために塾に行っている話をするとフランス人は皆、びっくりする。
 日本もフランスのように入るのは比較的簡単に、後は努力次第ってことになればよいのにと思う。

 

2015/05/23

怖いもの無し


 今日はフランスの友達が遊びに来た。まだ言葉のつたない、ほんの小さな頃から知っているのぶくん。家族ぐるみの付き合いでもちろん、ママともパパとも仲が良い。もうすっかり大人になって、東京へは仕事のために来ているのだ。

 のぶくんは生まれも育ちもフランスで、だからフランス人だ。パパは中国人と日本人のハーフ、ママは香港人。で、家族間の会話はフランス語。フランス語はもちろん、英語と日本語は堪能だし、北京語も多少はわかる。どこの国へ行っても生活できるぐらいの語学力だ。
 思い起こせば数年前までは日本語は片言だった。小さい頃から時々日本にやってきては日本語を覚えたと思うと、またフランスに戻って忘れ、それを繰り返していたのに、今ではすっかり日本語もペラペラだ。大学での1年の留学を含め、3年ほどでこんなに上達するなんて。勉強もそうだけど、やっぱり遊びの中で覚えていくのが一番の語学の上達術のようだ。

 3歳までによく聞いた言語はしばらく使っていなかったとしても、少しの努力で話せるようになるらしい。発音もネイティブに近くなるようで、と言うことはそこに暮らしていなくても映画とかをいつも見ていれば同じことなのだろうか。。でもほんと、何カ国語もしゃべれたら怖いもの無しだな。
 

2015/05/22

食器棚


 フランスのアパートは築年数が経っていて、建物によっては豪奢だけど、そうでないと階段や入り口も狭い。引っ越しは大変だけど、家具付きのアパートも多いので身の回りのものと衣服ぐらいですぐに生活が始められる。
狭いアパートで、どう考えても部屋にそぐわない大きなアンティーク調のベッドが置かれていたりすることもあるけれど、どう考えても階段やエレベーターでは運べそうにない大きさだ。フランスの引っ越しはクレーンで持ち上げて窓から入れたりするけれど、でもそれでも入りそうにもない家具なんかもある。部屋の中で製作されたんじゃないかと思うくらいだ。
 そういった家具もそうだけど、食器類や鍋も揃っていて、まさしくその日からすぐに生活できるアパートもある。当面はこれらで暮らし、徐々に自分の気に入ったものをゆっくりと探していけばよい。とにかく、フランスでは物を持たなくても生活できる身軽さがよい。そうして、また引っ越す時に要らなくなった物をそこに置いていけば、次の人が使ってくれるのだ。なんてエコ。
 
 私たちがフランスから戻り、東京で生活を始めた時、初めは部屋の中に布団とポチのトイレくらいしかなかった。そしてなぜか前の住人が置いていった食器棚があった。気に入ったわけでは全然なかったけれど、何か捨てれず、ただ見える場所には置きたくなかったから収納スペースに置いて洋服収納として使っていた。でも、なぜ処分もせず、なぜ服置き場にしていたか覚えていないけれど、今考えると、ちょっとフランス的だなと。。まぁ、ごくごく普通の食器棚だったけど。。

2015/05/21

歯医者さん


 フランスの子供たち、よく見ると歯の矯正をしている子が多い。フランスでは16歳までは歯の矯正でも保険が適用されるのだ。大人になってからだと、日本のようにけっこうな費用がかかるのだ。保険が適用されるなんて、なんて羨ましい。あまり、気にしたことがなかったけれど、そういえばフランス人、けっこう歯並びがいい。

 フランス人はあまり頻繁にお風呂に入らない。シャンプーも何日かに一回だし、顔もあまり洗わない。だけど、どんなに眠くても歯磨きだけは必ずする。当然だとは思うけれど、他はそんなにおろそかなのに歯だけは。。なので、虫歯の人が少ないらしい。あ〜、思い起こせば銀歯を詰めている人を見たことがない。矯正もそうだし、小さい頃からきれいな歯を保つことを心がけているのだ。
 そういえば、よい歯医者さんがいないから、フランスでは歯の治療はしない方がいいと誰かが言っていた。うわさだけど、何てことのない小さな虫歯だったのにいきなり歯を抜かれた、なんて話も聞いたことがある。。ほんとだったら、こわいな。
 だから、小さい頃から予防するのか、だからいい歯医者さんがいないのか。。

2015/05/20

Pompier


 昨日の郵便屋さんにしろ、仕事はきちんとしているのだろうけど、パリでは何かのびのびと自由な感じのする職業がある。警察官はローラーブレードで巡回していたり、子供に手を振ってくれたり、写真撮影もOKだ。日本では写真はもちろんダメだし、気軽に話しかけられない雰囲気がある。

 フランスで一番人気がある、といえば、Pompier(ポンピエ)『消防士』だ。小さな男の子のなりたい花形の職業だし、女の子にもモテる。もちろん大変な仕事だし、体力勝負だからなのだろうけど、みんな筋肉ムキムキだ。もうこれが半端ない。パリでマッチョといえば、ゲイの人か消防士ってくらいだ。
 
 年に一度、7月14日の革命記念日でのパレードでも消防士の列は拍手大喝采だし、何よりその前夜の消防署主催のダンスパーティーは人で溢れかえる。
 そして、一番有名なのが消防士が訓練や消防車と一緒にポーズを決める、年に一度売り出される、セクシーカレンダーだ。
 このムキムキな消防士のセクシーカレンダー、殉職された消防士の家族や子供たちに寄付するためらしい。何ていい話。ますます、人気が出るのも納得だ。
 でもカレンダーを見ると、見せたいんじゃな〜い? と思ってしまうほど、ノリノリだ。

2015/05/19

郵便ポスト


 国によってそれぞれ、物の色やイメージが決まっている。例えば郵便ポストは日本は赤だけど、フランスでは黄色だ。

 私たち親子が一時期ハマった、郵便グッズ集め。黄色に青い文字で書かれたシャーペンやノート、ファイルなどの文房具、それに息子が一番喜んだのはミニカー。トミカのミニカーのように本物の縮小版でかわいいのだ。いろんなシリーズが出ていて、その頃出ているものはすべて持っている。
 
 さて、そんな郵便グッズがたくさん売られているのが、モンパルナスにある”Le Musée de la Poste”(ル ミュゼ ドゥ ラ ポスト )『郵便博物館』。歴代の郵便ポストや切手、時代や地方ごとの郵便屋さんの制服など、郵便に関する様々なものが展示してある博物館だ。パリで小さな子供と一緒に行ける博物館はたくさんはないけれど、ここは広くもなく、最後に郵便グッズを選ぶ楽しみもあって、喜ぶこと間違いなし。
 ちなみに昔、ポストは緑や青だったけれど、悪天候でもはっきり見えて親しみのある色に、ということで自動車メーカーの”Citroën”『シトロエン』に作ってもらった特注カラーだそうだ。なるほど〜。

2015/05/18

毛ジラミ


 そうそう、昨日のブログにもちょこっと書いたけれど、フランスでは年に何度か毛ジラミが流行る。今のこの世の中で毛ジラミなんて。。と思ったけれど、日本でもたまに流行っている、信じられないけれど。。
 息子が小学生の頃は2年に一度くらい、学校にひとりふたり、どこかで毛ジラミを移されてくる。市営のプールだったり、公共のお風呂だったり。。幸い息子は毛ジラミが移ったことはないけれど。。

 フランス人の友達家族が日本に暮らしていた頃、よくこんなことを言っていた。「日本人はやっぱり、きれい好きだからかな。毛ジラミが全然いないよね」「でも時々は流行ってるよ」「フランスは3ヶ月に一度くらいは流行ってるから、ほぼ1年中よ。フランス人の子供たちは誰でも一度はやったことあるわよ」
 でも友達曰く、薬局によく効くローションがあって頭に振りかけて、シャンプーを何度かすれば毛ジラミはいなくなるらしい。ただ、髪の毛が細くて絡まりやすい女の子がなってしまうとうんざりしてしまう、と言っていた。
 しかも、頻繁に髪を洗わない頭皮はそれでなくても痒く、そのせいなのか毛ジラミなのかわからず、気づいた時には。。あ〜、こわい。。

2015/05/17



 またまた、ポチの話。ポチはのんびりとした、ほんとにおとなしいネコだった。ふたつ目のアパートに越した頃、もうすでに太ってはいたけれど、若かったからか動きは案外、機敏だった。天井近くのロフトに架かったはしごは、2mほどもあったけど、毎日、器用に何往復もしていた。ポチは高い所は苦手だったけど、ベッドだけは大丈夫だったのだ。

 その頃、パリではネコの蚤が流行っていた。外にも出ていなかったし、いや、ウチはまさかね、と思った矢先、蚤が。。お腹にも背中にも、首下とか、ほんとにすごかった。私のその頃の日課は蚤を潰すこと。結局はイタチごっこで、潰しても潰しても蚤は減りゃしない。その後、病院で薬やらシャンプーを買ってきて、しばらくしてやっと落ち着いた。それから一度も蚤は出なかったけど。

 関係ないけど、フランスでは毎年のように子供たちの間で毛ジラミも流行る。蚤とシラミ、何か関係ある?あっ、でも毛ジラミは日本でも時々あるか。。

2015/05/16

おとなしい


 フランスで出会うネコはなぜだか、みんなおとなしい。通りにいるネコもお店にいる番犬ならぬ、番ネコも。

 以前にも書いた、暮らしている頃、ポチが通っていた動物病院のカウンターにいつもいる一匹の番ネコ。ずっと同じ姿勢で微動だにせず、鳴くこともなく、ひたすらじっとしているのだ。動物病院なわけだから、ネコも犬もその他の動物もやってくる。なのに、どんな時でもじっとしていて、ある時、ほんとは置物だったりして、と思って受付の人に聞いてみたぐらいだ。でも、やっぱりホンモノで、どうしてそんなにじっとしてるのか、していられるのか理由はわからなかったけど。。
 犬もそう。あくせく動き回る犬はいない。カフェやお店にいる飼い犬もじっとして動かない。老犬かな、と思って見てみると案外、若かったりする。とにかくおとなしい犬やネコが多いことに気づく。

 そういえば子供もそうだ。泣く子は見かけても、すぐに泣き止み、手がつけられないほど泣き叫ぶ子をあまり見たことがない。子供と動物はもちろん違うけど。。うーん、何か秘密があるのか。。

 

 

2015/05/15

中庭


 フランスのアパートには、中庭があることが多い。門扉から見えることもあれば、ドアを開けて廊下を抜けて、またドアを開けると中庭が現れることもある。暮らしている頃は当たり前すぎたけど、今となっては羨ましすぎる。一階に住んでないとそこでくつろぐこともそうないけれど、自分の部屋に戻る時に通る、それだけで気持ちがいいし、窓を開け放って眺めるのも気持ちいい。

 書きながらふと思い出した。パリで初めて暮らしたアパートには大きな門があり、その向こうには結構広めの中庭があったっけ。その中庭を囲むようにアパートが建っていた。なので、向かい側にも棟があり、窓を開けると中庭の向こうの窓が見える構造になっていた。割と距離もあったので近すぎず、でも遠くない位置に隣人の部屋はあった。

 窓を開け放つと気持ちがよくて、天気のよい日には中庭に面した窓を全開にしていた。その日もずっと窓の外を見ていたわけではなかった。なのにいきなり「ジロジロ見るな」と叫ぶ、向かいのフランス人のおじさん。よく見ると、パンツ姿で歩いていた。
 時々、気づいてはいた、おじさんがパンツ一丁でいることを。。いやいや、イケメンでもないし、そんな趣味はない。何を思ったか、おじさんは怒っている。こっちだよ、怒りたかったのは。。

2015/05/14

物件



 アーティストの友達のアトリエを訪れるのが好きだ。一軒家の一階部分をアトリエにしたり、創作活動のためにガレージを改装したり、さまざまな形態がある。私も仕事場と家が一緒だから、よい面とそうでない面があるのはよくわかる。とにかく、一日中創作に没頭できるのはよいことのひとつだと思う。

 アトリエでないけれど、ちょっと風変わりな部屋に住む知り合いもいる。もともとアクセサリーのお店だったようで、通りに面していて大きなガラス張りになっているNathalieの部屋。以前は倉庫として使っていた地下もあり、ちょっと落ち着かないかなと思ったりもするけど、普通のアパートにはないおもしろさがある。
 そういうところに好んで暮らす人はやっぱり、センスのよい人である、と思う。雑誌のフリー編集をやっているNathalieはそう、フランス人の中でも数少ない、ほんとにおしゃれな人である。あっ、これは私の感じているおしゃれなフランス人っていう意味だけど。。部屋もファッションも佇まいも、ほんとに隙のない完璧な感じだったな。
 あ〜、日本にもこんな物件があればいいのに〜。。と切に思う。

2015/05/13

いとこ


 フランス人はヴァカンスを中心に毎日の暮らしが回っている、と言っても過言ではない。長期の夏休みを取るために働いているようなものだ、とよく言うけれど、あながち間違いではない。ヴァカンス間近になってくるとそわそわ、ワクワクしてくるのだ。

 最近では不景気になり、他国や長期の旅行に出かけられなくなった人も多くなってきたようだけど、それでも実家や友達の田舎に行ったり、ずっとパリで過ごしている友達は誰もいない。公園も多く、あんなに緑が多いパリでも、人も多く、あくせく働く忙しさからストレスが溜まるらしい。だから、ヴァカンスが待ち遠しいのだ。
 長い休みだから、例えば1週間は旅へ、残りは実家へ帰るって人もけっこういる。普段は散らばってる家族も集まりやすく、そのせいか親戚付き合いもけっこうある。頻繁に会えるからか、いとこ同士も仲が良い。フランス人の友達んちのほとんどがそうだ。そのまた子供たちも仲がよい。
 日本だってそんな家もあるだろうけど、中学に上がった頃から子供たちも忙しくなり、そんなこんなで疎遠になっていくものだ。だから、小さい頃にヴァカンスを仲良く過ごしていると友達のようになり、大人になってもその関係は続くものだ。

 普段はもちろん名前を呼び合ういとこ同士だけど、SNSなどのメッセージでは “Mon cousin”(モン クザン) ”Ma cousine”(マ クズィンヌ)へ、みたいな書き出しで始まることが多い。私はこの表現が好きだ。友達みたいだけど家族なんだ、って確認してるみたいだ。

2015/05/12

Tomate farcie


 フランスの家庭の味、Tomate farcie(トマトファルシ)。いわゆるトマトの肉詰め。Farcieとは『詰め物をした』という意味で、トマトをくり抜いて挽肉を詰めてオーブンで焼いた料理のことだ。フランス人の作る料理のなかではどちらかというと手の込んだ料理。
 
 フランスのトマトは種類が豊富で、何百種類もあると言われている。色や形、味もそれぞれ違っていて、サラダなどで冷たく食すもの、煮込んだり温めて食べるもの、いろんな種類がある。Marchéで並ぶ色とりどりのトマトを見るのも楽しいし、買うのも楽しい。

 日本の八百屋やスーパーに並ぶ野菜を見ると、揃っていてきれいだなと思う。高級スーパーの野菜なんて、それこそ作り物みたいに見える時がある。
 フランスのMarchéやスーパーに並ぶ野菜を見ると、形もいびつで大きさもいろいろで、これが何だか、かわいくて好きだ。きれいには見えなくても、さっき畑で採れたのをそのまま持って来たよ、って雰囲気が好きなのだ。形はどうであれ、実際、味は変わらないし。。
 そんなトマトで作ったファルシは大きさも様々だけど、手作り感に溢れていてほんとにおいしい。

 

2015/05/11

文具好き


 パリに暮らしている頃、気に入った文具を見つけられなくて困った。ボールペンは買ったはいいけどインクが出なかったり、消しゴムは消しても黒く残ったり、そもそもノートは種類も少なく、どれもかわいくない。そんなフランスの文具が日本でもてはやされているのを見て違和感を覚えるのは、私だけではないはずだ。。

 でも、老舗文具店の文具は使い勝手もよく、美しい。何より品があってそのうえ、かわいい。ちょっといい値段はするけれど、手元に置いておく価値のあるものだと思う。
 そんな老舗文具店が並ぶ通りの店先は文具店というより、おしゃれなブティックといった感じだ。フランスにもこんなステキな文具があるけれど、普段使いにするにはちょっと高い。文具が好きでつい買ってしまうけど、使うのに躊躇してしまうぐらい繊細できれいなノートには、何を書けばいいのかわからなくなる。でも、もったいなくて使えないままのノートを開いてみたら、黄色く変色していた。ショック。。やっぱり、物は使ってはじめてよさが出る。あー、そう言えば取材で訪れた文具店のオーナーが臆することなく、どんどん使って欲しい的なことを言ってたなぁ。
 
 旅先やどこでもつい買ってしまう文具好きは息子にも受け継がれている。 

2015/05/10

ムチ


 今日は la fête des mères(ラ フェット デ メール) 『母の日』だった。フランスでは5月の最終日曜日。あげるプレゼントもこれと決まっているわけでなく、様々だ。そういえば、日本もカーネーションが定番だったけれど、今はそういうわけでもない。でもやっぱり、花を贈る子供たちが多いのかな。

 母の日に限らず、誕生日や例えば友達の家にお呼ばれした時とか、花を持って行くと喜ばれる。ある年、Marieの旦那Patrickの誕生日のお祝いに迷いに迷い、花束をプレゼントするとすごく喜んでくれて、男の人でもうれしいんだなと意外な気がした。この時、Marieたちは家族で選んだという、アジアチックなパーティションをプレゼントしていた。部屋の区切りにするのか、何かをかけるためなのか、どういう理由かはわからなかったけれど、もらった Patrickもとても喜んでいた。しかも欲しかったものだったらしく、蚤の市でよく希望通りのものがあったなと感心した。
 
 フランス人の友達と蚤の市へ行くと、意外な物を手に取って見ていることがある。日本人だろうとフランス人だろうと人それぞれ、趣味や好みがあるから不思議ではないけれど。。
 Marieと近所のMarchéへ出かけた時のこと。いつの間にか、一角でブロカントを売るおじさんと話し込んでいる、手にムチを持って。。「それ買うの?」「ちょっと迷っているのよねぇ」何に使うのか??「それ、使う?」「きっと何かの役に立つ日が来ると思う」そう言うと何か閃いたようで、店のおじさんからまけてもらうことなく、ムチを購入。何に使うかは不明だけど、案外これがおしゃれなムチでいい買い物だったと納得した。今現在、これを持っているかどうかは不明。。 

2015/05/09

大きな平カゴ


 何度も書いた気がするけれど、パリには虫がブンブン飛んだりしていない。だから、開けっ放しのお菓子の袋やら、バゲットがテーブルの上に転がっててもあんまり気にならない。フランスの友達の家では、大きなカゴにてんこ盛りに果物が載っている。週末にMarchéで大量に買って来たいろんな種類の果物だ。しかも気候的に腐りにくいときている。あの無造作な盛られ方が好きで、私も大きな平カゴをパリで買ってきた。でもなかなか同じように盛れない。そのまま置いておくと、夜中に何かが出てきそうで怖いのだ。しかも、季節によっては外に置いておくことができない。それに日本では果物が高い、高すぎる。だから、てんこ盛りに載せることができない。なかなか、うまくいかない。。

 フランスのMarchéやスーパーでは野菜や果物をグラムで買うことが出来る。1袋いくらって買い方でないから、好きな物を好きなだけ買うことができ、そのうえ、日本よりも安い。野菜は大味のものも多いけど、果物はどれもおいしい。あっ、例外もあるけど。。とにかく、安くておいしい。

 話は逸れたけど、我が家の大きな平カゴは果物は入れられてなくて、何も載せられず棚の上のほうに置かれている。。何を入れようかな。

2015/05/08

クセっ毛


 これからどんどん暑くなり、夏になる。その前に雨の季節だ。日本は四季の美しい国だと思うけれど、梅雨だけはうんざりする。雨は嫌いじゃないけど、毎日降られると気も滅入ってしまう。しかも仕事柄、髪や肌の調子が気になる。湿度の高い日本では、クセのある人は髪が広がってどうしようもなくなる。だから、梅雨前に軽くストレートパーマをかけたり、トリートメントで髪の状態を整えるとよい。
そんなクセのある人たちがフランスへ行くと髪の調子がよいのだ、とよく言っていた。機内でウネっていた髪も、フランスの空港に降り立つとピーンと真っすぐなるらしい。大袈裟すぎるけれど、それぐらい湿度が違う。
 
 フランス人はほとんどの人がクセ毛だ。フランス人の髪を切った後、きれいに真っすぐブローすると、必ず鏡の前でくしゃくしゃっとクセっ毛に戻す。髪はふんわり、自然にくしゃくしゃが好みのフランス人。日本で暮らすとちょうどいいかもしれない。

2015/05/07

La nappe


 フランスではLa nappe(ラ ナップ)『テーブルクロス』を使っている家が多い。家の中でもテラスや庭のテーブルにも掛けている。古い木製のテーブルだからとか、外のテーブルは汚れているから、という理由もあるだろうけど、パンを食べるのにも都合がよい。日本のレストランでは食べかけのパンをお皿やかごに置くようになっていることも多い。でもフランスでは直接テーブルの上に置くから、テーブルクロスや紙製のランチョンマットは片付けも楽でよいのだ。

 地方によって象徴的な色や柄があり、そこかしこにテーブルクロスが売られている。田舎の家にお呼ばれするとそのテーブルセッティングを見るのも楽しい。
 そんな中、よくビストロでで見られる赤チェックのテーブルクロス。これを見るだけで、何かおいしいものが出てきそうな気がする。
 テーブルクロスなら、普段選ばないような色や柄のものも案外楽しめる。売られているものも大きな花柄だったり、果物の写真がぎっしりプリントされているものだったり、派手だったりするけれど、でもけっこうフランスの家に馴染んでいる。
 派手なものがちょっと欲しいなぁと思ったりもするけど、なかなか勇気が出ず、買うに至っていない。。せめて赤チェック柄でも。

 

2015/05/06

チケット


 今日はGWの最終日。仕事やら何やらでなかなか時間が取れず、でもちょっと時間が取れそうだったからサッカーの試合を観に行こうってことになった。なのに息子の都合が悪くなり、息子はどうしても観に行けなくなった。その上、私たちも時間の余裕がなくなり、ハーフタイムで出なければいけなくなり、結局ゆっくり観ることもできず、不完全燃焼だ。
我が家は次の日の予定もわからなかったりするので、温泉旅行に出かける時ですら、前日にチケットを取ることがほとんど。なのに今回はたぶん大丈夫と思い、2日前にチケットを取ってしまい、こんなことになってしまった。。

 そういえば、フランスへのチケットもいつもギリギリに取っていた。と言っても海外だし、ある程度、時間に余裕を持って取っていたつもりだったけど、3人分のチケットが取れなくて、探して、焦ることもしばしばだった。
 ある時はチケットを取ったはいいけれど3人並びの席が取れず、バラバラに座ったことも。。息子が小学校低学年の頃だったかと思う。前後の席しか取れず、息子は平気だって言ってたけど、私はさみしかったな。早めに取った方がいいのか、ギリギリのほうがいいのか、悩ましい。。

2015/05/05

石の家


 フランスではちょっと驚くような家に暮らしている人がいる。Château (シャトー)『城』に住んでいる人もほんとにいるんだから、信じられない。それでなくても築100年以上のアパートも多く、実はそれだけでもすごいことなんだけど。。

 友達 Isabelleの実家、Bergeracにはいろんな国の人たちが集まって来ている。スペインにもほど近く、夏になるとヴァカンスにやって来る人もいて、それがきっかけで移り住んでくる人も多いらしい。Isabelleの家もそうだったみたいだ。だからなのか、ちょっとお金に余裕のある人が多く、Isabelleの実家同様、大きな家にプール付きってこともけっこうある。
 
 ある時、Isabelleが連れて行ってくれた石でできた知り合いの家。中は改装して住みやすくしているけれど、もうすでに何百年も経っているというそこは、古さを通り越して、かなり年季が入っている。日本にはない、こんな家にちょっと憧れすら感じる。でも、家の中で転んだり、足をぶつけたらかなり痛いんだろうなぁとちょっと心配になる。掃除も大変そう。。

2015/05/04

古いもの


 古いものが好きだから、フランスへ行くとそんなものばかりに目が行く。だから蚤の市やBrocanteには必ず行くし、そんな時はちょっと目の色が変わっているらしい。

 行けば必ず、何かが見つかるわけではない。見つかる時は次から次へと出てくるのだけど、見つけられない時はとことん見つからず、何だか焦ってくる。だって、蚤の市は毎日あるわけじゃないし、と焦って妥協してはいけない。持って帰れるものには限りがある。
 
 さて、人それぞれ好みの違いはあるけれど、Marie-FranceのChambre d'hôte(シャンブル ドット)に置いてあるもの、使われているもの、どれもこれも欲しいものばかりだ。センスがよいというだけでなく、ちゃんと愛情を持って使っているなぁと感じる。もちろん、使う頻度の少ないものもあるけれど、どれも惜しみなく使われていて、しかも味がある。
 やっぱり、物は使ってあげなければ良さが出ないのだ。ただし、使っていない時の置き方にもセンスを感じる。使うものだからと言って、おざなりにはしないのだ。前から見ても横から見ても、どこから見ても素敵だ。
 あ〜、Marie-Franceの家、丸ごと欲しい〜。

 

2015/05/03

どこでもドア


 連休中、実家へ帰る友達を見るとちょっぴり、羨ましく思う。日帰りできるくらい近ければいいんだけど、ちょっとそれはムリだ。もしがんばって1泊で帰ったとしても、往復料金が高くてもったいな過ぎる。

 こんな時、「どこでもドア、欲しいよね〜」って話になる。今、行くならどこに一番行きたいかな。夏間近だから久しぶりに南仏とかもいいな、とか想像が膨らむ。思えばリゾート地に行ったことがない我が家。息子が小学生の頃、夏休みにリゾート地に行く友達を横目で見つつ「いつか、ハワイとかに行ってみたいなぁ」とぼそっと言ったりしていたのを思い出した。
 さて、今もそんな気持ちがあるのかどうかはわからないけど、それよりもやっぱりフランスに行きたいらしい。行ったら会いたい人、食べたいもの、やりたいこと、いっぱいあるようだ。もちろん、私もおんなじだけど。。
 それにいつも写真は任せっきりで全く撮らないけれど、いっぱい写真も撮りたいなぁ。あ〜、どこでもドア、ほんとにあればいいのに〜。

2015/05/02

渋滞


 今日から連休が始まった。この時期のニュースではひっきりなしに渋滞情報が流れる。確かにみんな同じように休みで、せっかくの休みだからどこかへ行きたいと思う気持ちは同じで仕方ないのだろうけど、どうにかならないものだろうか。これじゃあ、楽しさも半減してしまう。

 フランスでも渋滞は起きるけれど、大渋滞に巻き込まれた記憶はあまりない。高速道路の乗り降りの際には渋滞も起こっていたけれど、まったく動かないっていう渋滞は経験がない。ただ、パリの町は時間帯やちょっとした工事現場の横を通る時、たちまち渋滞になってしまう。みんな、運転が荒く、しかも運転技術があったりするもんだから、すいすいと割り込んで、ますます渋滞してしまう。

 ある年、 Fondation Cartier pour l'art contemporain『カルティエ現代美術財団』で、あるアーティストの個展があるからとMarieから誘われた。その日本人のアーティストはその頃、すでに世界的にも有名で、フランスでも人気が出始めた頃だった。取り立てて私はそんなに好きでもなかったけれど、ちょっと興味があり、じゃあ行こうということになった。
 いつもならば、郊外のMarieの家から電車で行くのだけど、なぜかその時は車で行くことになった。でもそんな時に限ってどこを通っても渋滞に巻き込まれる。どんなに迂回しても渋滞ばっかりで辿り着かない。普通なら30分もあれば余裕で着くのに、その日は2時間もかかってしまった挙げ句、その日は初日のレセプションで入ることができなかった。言うまでもなく、みんなすっかり疲れ果てていた。渋滞はどこで起きてもやっぱりイヤだな。

2015/05/01

早口


 最近、フランス映画を何本か観た。やっぱり、フランス人は早口だ。ニュースのキャスターは、はっきりとした口調でゆっくりとしゃべっているし、ラジオから流れる音楽も曲によるけれど、アップテンポでも案外ゆっくりしている。でも、普段の暮らしの中のフランス語は早口なのだ。

 映画の中の若者は息つく暇もない。まるで口から生まれてきたような、と言う表現はフランス人のためのものじゃないかと思うぐらい、ペラペラとしゃべる。性格的におとなしい人はゆっくりしゃべるかと言えば、そうでもない。私の友達もほとんどそうだ。まるで相手にしゃべらせないように意地悪してるんじゃないかと思うぐらいの勢いでしゃべる。でも、そんなフランス語のリズムが妙に心地よい。
 もし、フランス語を学びたい時、最新の映画であればあるほど、使える言葉を覚えることができる。参考書ではちょっと古すぎて、これは今使わないよねってものもあったりする。もちろん、通じるし、使ってもよいけれど。。
 
 息子が小さい頃、フランスを訪れる度にアニメのDVDを買って帰った。よく、大人でもアニメを見て語学を会得するなんて聞くけれど、これが案外難しい。赤ちゃん言葉みたいなのは聞き取りづらいし、子供独特の謎の言葉や言い回しなんかも出てくるからだ。
 フランスでも『クレヨンしんちゃん』が人気だけど、しんちゃんの声や言い回しは日本のものと似せて作られているから、子供は喜ぶけれど、どちらにしても変なフランス語になっちゃうな。