2015/04/07

収集癖


 友達のLaurenceの部屋は無駄のない、すっきりとしたシンプルな部屋だ。好きなものしか置いていないというのが、一目でわかる。自由気ままな女子の一人暮らしなのだけど、寝室とサロン、キッチンもきちんと分かれているからか、余計にすっきりしている。
 一緒に買い物に出かけると、その理由はよくわかる。いいな、これと言っていても、すぐに買ったりしないし、吟味して絶対ほしいと思った時にしか買わない。とにかく要らないものは買わないのだ。
 
 フランス人はどちらかというと、家の中に物が溢れている人が多い。やっぱり、そんな友達は買い物に行くと割とすぐに買っていて、同じ物が2個とか3個とか転がっているのだ。これはフランスに限らず、だけど。。
 日本に長く暮らしていたDanielleは、それはそれは多くの物に囲まれて暮らしていた。長く生きているのを差し引いても、びっくりするくらいの物の量だった。Danielleはやっぱり、蚤の市が好きで、あれこれコレクションしていた。ピアスを集め始めるとそれに凝り、陶器も集めていたし、首から上の像もいっぱい持ってたなぁ。とにかく、集めるのが好きだった。フランス人、コレクションも大好き。収集癖のある人は少なくない。

 そう考えると、Laurenceの部屋がますます、すっきりと見えてくる。何か、集めてるものってあったかな。今度、聞いてみよう。
 

2015/04/06

習い事


 フランスではあまり塾通いはしないけれど、習い事をしている子供たちは多い。友達の家では楽器を習っている子供が多かった。ギターやピアノ、フルート、アルトサックス、クラリネット、様々な楽器を習っていて、よく家で練習する姿を見かけた。みんな、なかなかの腕前で、練習しているのを聴くのも楽しかった。

 友達 Elianeの息子のEliaceはなぜか、日本語を週一回、習いに行っていた。読み書きを中心に勉強していていたけれど、話す授業はほとんどなかったらしく、滞在中は日本語で話しかけたりしたけれど、恥ずかしがって、全然日本語で返してくれなかった。
 日本に暮らしたことのあるAliceは剣道を習っていた。日本で使っていた竹刀や防具を大切に持ち帰り、フランスでもしばらくは続けていた。あの頃はめちゃくちゃ真剣にやってたなぁ。フランスでも、武道を習っている子どもたちは、ほんとに多い。
 でも、私の周りでは、意外とその他のスポーツを習っている子供たちは少なかった。だから、息子がサッカーが忙しくてほとんど休みがないんだ、と言ってもあまりわかってもらえない。一生懸命やっているのはわかるけれど、ヴァカンスは取らないの?と不思議がられる。ほんと、休みくらいしっかり取ってもいいんじゃないかな、と思うけど、ここにも日本人の真面目さが出てしまうんだろうな。でも、旅行したいから、休みがもっとあってもいいよね。。

2015/04/05

扇子


 フランスのAlsace(アルザス)地方を訪れたのは、真夏の暑い日だった。暑いというか、うだるような猛暑だった。せっかく、フランスで涼しい夏を満喫しようと思っていたのに、38℃を越える暑さになろうとは。。

 ただ、日本の夏よりも湿度は低く、若干過ごしやすいとはいえ、照りつける太陽の日射しは日本よりも強い気がする。湿度が低いこともあってか、想像以上に喉が渇く。500mlのペットボトルなんて3人で分けるとあっという間に飲み干してしまう。というわけで、2ℓサイズの水から始まり、炭酸水、ちょっと甘みのある炭酸ジュース、次から次へと空になっていく。大袈裟でなく、飲み続けても飲み続けても、一旦は喉の渇きを潤せても、満足できない。よく考えてみれば、そんな暑い中、朝から晩まで歩きっぱなしで、そりゃ、喉も渇くし、ヘトヘトになるのは当たり前だ。
 
 フランスのホテルは、ちょっと高級なホテルでなければエアコンなんてついていない。陰に入れば涼しいから、少々は我慢できる暑さだけれど、日中の気温があまりにも高かった日には、それほど気温も下がらず、夜も寝苦しい。猛暑が続いたある年の夏は倒れてしまう人も多く、もっと暑くてもエアコンのある日本のほうが、よっぽどマシかもしれない。時々、そんなことに見舞われてしまうフランスだから、わりと扇子を持っている人も多い。そんな暑い夏の日にSophieにもらった扇子は旅先の、確かタイで買ったというピンクのにおい付き扇子。扇子と言えば、の固定概念のある日本人にとってみれば、ちょっと驚きの代物。装飾でいっぱい穴が空いているから、仰いでもあんまり効率はよくないけれど見た目はかわいくてお気に入り。
 

2015/04/04

フランスの乗り物


 息子は小さい頃、バスの一番前の運転手さんと反対側の席に乗るのが大好きだった。そこが空いていないとほんとに悔しがった。しかも降りるためのピンポーンは他の人に押されないように必死で、それがまた笑えた。今、息子にこの話をしても、ふんって感じだけど、ほんとに無邪気でかわいかったんだからね。

 まっ、それはいいとして、どこの国でも子供たちは乗り物が大好きだ。比較的新しいメトロの一番前の車両はフロントガラスが大きくて、前がすっかり見渡せる。地下を走るメトロのライトに照らされた眼前はけっこう、スリリングで見晴らしがいい。大人だって何だか楽しめる。
 さて、子どもの楽しみは他にもある。メトロのドアを開けるための丸いボタンを押すことや、子どもにとってはやや難しいハンドル式のものも必死で開けて、得意気な顔で乗り降りする姿は何とも言えずかわいい。切符を通すのも楽しいし、それを失くさないで持っている緊張感も楽しいし、とにかく、子どもにとってフランスの乗り物は日本以上に楽しいらしい。特別なものがなくても子どもは旅を楽しめる。

2015/04/03

列車の旅


 フランスの列車の旅は時間を忘れてしまうくらい、のんびりと過ごせて楽しい。日本の田舎もそんな感じだけど、フランスの列車の旅はちょっとドキドキハラハラする。

 フランスの田舎の在来線はちょっと古びていて、車両も少ない。そして、速度もゆっくりだ。乗っているだけでも気持ちがほのぼのする。
 さて、この列車がよく遅れたり、止まったりする。というか、時間通りに来ることの方が稀なんじゃないかなと思う。待っていても、定刻通りに着かないことのほうが多いから焦ってしまう。TGV(テジェヴェ)は時間通りでも、乗り換える電車が遅れるのだ。初めて、こんなことに遭遇した時は焦ってしまった。でも周りのフランス人はもう慣れっこで、全然平気なのだ。

 ある時、やっぱり田舎の列車が遅れていた。やっと乗り込んで出発を待っているけれどなかなか出発しない。フランスでは日本のように親切にアナウンスが流れたり、お知らせを表示してくれることも滅多にない。いつ、出発するのかも、はたまた、ほんとに出発するのかもわからない。そんな中、乗客も自由に何か買いに駅のホームに戻ったり、外で写真を撮ったり。。
 ほんとに乗り遅れそうになっている人もいたけれど、大丈夫。田舎の小さな列車はのんびり走っているので何とかなる。やっぱり、のんびり田舎の列車の旅はいいな。

2015/04/02

MDR


 先日、長くロンドンに暮らしている方が来てくれた。日本語も若者言葉ってあるけど、英語もあるらしい。フランス語もしゃべり言葉もそうだし、SNSなんかでは、略語が使われていてちょっと解読できないものもある。まっ、便利は便利だけど、通じないのもなんだな、と思ったり。。フランスの子どもたちのFacebookなんかのやりとりを見ていると、全然わからないものもあったりして。。それを紐解いていくのもちょっと楽しかったりもするけど。

 さて、今日はトークショーに行った帰り、友人たちとごはんを食べに行った。おいしく食事もいただき、さて、デザートを頼もうということになった。蒸しパンって書いてあったから、それも頼んでみようってことになったのだけど、グラスの中に小さく切り分けられた食パンらしきものが入っている。どう見ても、におっても、そして食べてみてもそれは食パン。蒸しパンって言われると、日本で言うところ、あの蒸しパンを誰もが思い出すだろう。どう考えても、それは食パンで、みんなして目が点になった。「すみませ〜ん、これって蒸しパンですか?」「はい、蒸しパンです」と言われても、それは食パンにしか見えず、思わず吹き出してしまい、そこからはみんなツボに入ってしまって、笑いが止まらない。
 そんな時、フランス語では”MDR”なのだ。これって、若者がひっきりなしに使う言葉。”MORT DE RIRE”(モール ドゥ リール)、死ぬほど笑う、死ぬほどおもしろいっていう意味なのだ。
 さて、今夜はそんな蒸しパン騒ぎで”MDR”だった。今思い出しても”MDR”。こんな使い方でいいの? 食パンを蒸して出すから、蒸しパンってことに落ち着いた。。

2015/04/01

またEGOÏSTE


 先日、ある本屋さんに行ったら、何と”EGOÏSTE”(エゴイスト)が発売されていた。このブログにも書いたことのある不定期出版の刊行物だ。と言っても、普通の雑誌ではなく、30×40センチの巨大な写真集みたいなもの。何年に一度、と決まっているわけではなく、突然発売されるのだ。

 何と4年ぶりの刊行。なかなか、ハイペースと言っても過言ではない。いやー、欲しい。いつもの如く、2冊組で見応え十分だ。しかし、12000円もする。写真集と考えれば、決して高くはない。でも、でもフランスでは三分の一ほどの値段なのだ。今すぐ、買いにフランスに行けるわけでもなく、行けたとしても重いしなぁ。だから妥当な値段だってわかってはいるのに。。前回のようにフォトグラファーの友達、Danielに頼んでみるかな。でも前回は、あっという間に予約で売り切れたらしい。今回もそうなるだろうな。。あ〜、悩む。。まっ、日本だったらすぐに売り切れることはないだろうな、と思いつつ、その売り場を行ったり来たり。。何度も中身を眺め、う〜ん、と悩む。何度もじっくり中を眺めたおかげで、その日は満足して帰路についた。やっぱり、Danielにメールしてみようかな、と思っている今日この頃。。悩ましい。。