2014/10/07

老舗ブランド


 常々、フランス人はおしゃれじゃないとか、そんなことをかき立てている私だけど、フランス人の美的感覚はすばらしいとも思っている。やっぱり、芸術やファッション、町並みもそうだけど、小さい頃からそういうものに触れているからだろう。

 フランス発信のブランドが多いことでも、それはわかる。古くから続くメゾンの手がけるものは芸術と言っても過言ではない。フランスではArtisan(アルティザン)『職人』があらゆる分野で活躍している。すばらしいものは残り、受け継がれている。古くても味のある、きちんとした技術の生かされた、そんなものを守っていくフランスらしい。
 L'avenue des Champs- Elysées(シャンゼリゼ大通り)には 誰もが知っている、老舗ブランドが煌びやかな店構えで軒を連ねている。日本のそういった店と同じく、いや、それ以上に強そうなガードマンが 入り口に待ち構え、入るのにちょっと勇気がいる。ちゃんとした店にはそれなりの身なりが必要だ。しかも、買うつもりがなければ、そこに立ち入ってはいけない。
 緊張気味に入店しても、お店の人はどこも親切で丁寧に接客してくれる。まぁ、お客様なわけだから当たり前だけど。でも、心の奥は見透かされているようだ。一時、日本人の大量買いが問題になっていたことがある。ほんとに気に入り、大切に使うのか、誰のためのものなのか、ほんとに欲しいと思っているのか、会話の中から感じとっているようだ。気持ちが感じられない人には、在庫があっても多くは見せない、出さないらしいことを聞いた。売り上げを伸ばすことよりも、自分たちの大切なものを大切に使ってくれることのほうが大事なのだ。フランス人、潔くてかっこいい。 

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