2015/03/24

記憶


 私がパリに暮らしている頃、まだ幼稚園に通っていた姪っ子。小学校に上がった頃、姉が心配そうにこう言った。「なんか、あの子、パリに行ったとか、時々言うのよね」。。どうやら、パリの私の部屋に行ったと思い込んでいたらしい。東京の私の部屋とちょっと混同していたのか、それからもしばらくそんなことを口にしていた。それを聞いて、ほんとに来ればよかったのにね、とよく話した。姪っ子は私のパリの部屋の雰囲気を言い当てて、はじめはほんとにびっくりしたけど。。私が送ったパリの部屋の写真を見ては「ここ、ここ知ってる」と言い続けていた。何かちょっとした "déjà-vu”(デジャ ヴュ)な感じだった。”déjà”は「すでに」”vu”は「見た」という意味。

 息子も覚えてるんだか、そうでないのかわからないけれど、フランスでのことをよく口にする。3歳からフランスに行き始めて、小さかったからか、それが毎年のことだからなのか、いつの出来事なのかわからなくなっている。写真や私たちとの会話での記憶なのか、自分自身の記憶なのかすら曖昧だ。でも変なことは、はっきりと憶えているのよね。お腹がすごく空いていたのに、入ったお店で頼んだものに少しのハムしか載っていなくてイヤだったとか、フランスの救急車やパトカーの音が日本とは違って好きだった、とかそんな記憶がぽろぽろ出てくる。目で見たことよりも耳や口からの記憶のほうが子どもは憶えているのかもしれないな。

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