2014/04/22

Nantesでサッカー観戦


 我が家は大のサッカー好きだ。パリに住んでいる頃から、サッカースタジアムに足繁く通ったし、『France football』も毎週買っていた。私は当時、オセールのやんちゃな監督、Guy Roux(ギー ルー)を観るのが好きだったし、まだフランスリーグにいた頃の、一番好きなサッカー選手、Zidane(ジダン)も観ることができた。
 しかし、息子は毎年行っていたにもかかわらず、大好きなヨーロッパサッカーを観ることができていない。小学校に上がってからは、いつも夏休みを利用してフランスに滞在していたので、プロのサッカーリーグはオフシーズンに入っているのだ。何ともまぁ、残念の一言に尽きる。
 
 ある夏、Nantes(ナント)のClaudeの家でヴァカンスを過ごした。ClaudeはMarieの一番上のお姉さんで、ナントでひとり静かに暮らしている。「遊びにおいで」と誘いを受け、家族3人で押しかけた。何日か経ったある日「ここに行ってみる?」とClaudeが新聞の切り抜きを持って来た。それは、ナントの地域リーグ、3部とか4部とかのチームの、サッカーの試合のスケジュールが書かれたものだった。というわけで、息子は一度だけフランスでサッカー観戦をした。プロの試合とは雲泥の差があったが、未来のジダンがいるかもしれないとワクワクしながら観た。
 わたしたちは試合終了後、大満足。でも隣に座っていたClaudeが疲れきった顔をして、何やらおかしい。聞くと、Claudeはサッカーがあまり好きではなかったらしい。というか、嫌いで観たことすらなかったみたいだ。えーっ、まじで? 「でも意外に楽しかったわ。今日来なければ、二度と観ることはなかったかもね。ありがとう」いやいや、こちらこそ。また、フランス人の友達のさりげないやさしさに触れることとなった。「Merci, Claude」

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