2015/05/22

食器棚


 フランスのアパートは築年数が経っていて、建物によっては豪奢だけど、そうでないと階段や入り口も狭い。引っ越しは大変だけど、家具付きのアパートも多いので身の回りのものと衣服ぐらいですぐに生活が始められる。
狭いアパートで、どう考えても部屋にそぐわない大きなアンティーク調のベッドが置かれていたりすることもあるけれど、どう考えても階段やエレベーターでは運べそうにない大きさだ。フランスの引っ越しはクレーンで持ち上げて窓から入れたりするけれど、でもそれでも入りそうにもない家具なんかもある。部屋の中で製作されたんじゃないかと思うくらいだ。
 そういった家具もそうだけど、食器類や鍋も揃っていて、まさしくその日からすぐに生活できるアパートもある。当面はこれらで暮らし、徐々に自分の気に入ったものをゆっくりと探していけばよい。とにかく、フランスでは物を持たなくても生活できる身軽さがよい。そうして、また引っ越す時に要らなくなった物をそこに置いていけば、次の人が使ってくれるのだ。なんてエコ。
 
 私たちがフランスから戻り、東京で生活を始めた時、初めは部屋の中に布団とポチのトイレくらいしかなかった。そしてなぜか前の住人が置いていった食器棚があった。気に入ったわけでは全然なかったけれど、何か捨てれず、ただ見える場所には置きたくなかったから収納スペースに置いて洋服収納として使っていた。でも、なぜ処分もせず、なぜ服置き場にしていたか覚えていないけれど、今考えると、ちょっとフランス的だなと。。まぁ、ごくごく普通の食器棚だったけど。。

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