2015/04/20

黒リュック


 パリに暮らしている頃、6区のSt-Sulpice(サン シュルピス)教会のほど近いところにある、ナイロントートの店が大人気だった。パリへやって来たすべての日本人がそこを訪れ、そして大小様々なトートを何個も買い、街を歩く日本人はもれなく持っていた。大袈裟だけどそれくらい、流行っていた。

 かく言う私も何個も持っていて、色違いで欲しくなってしまい、次から次へと買ってしまっていた。まんまと罠にハマっている、そんな感じだった。でもこれが何でもポンポン入れられて、汚れても気にならず、大きさ以上にさらに入る優れもので、仕事道具を入れるのに打ってつけだった。
 最近ではそんなに見なくなったけれど、実は有名なトートよりもリュックがお気に入りで歴代何個も使っていた。今も我が家には、閉まりの悪くなった微妙な色合いの深緑のデイバックがぶら下がっている。最近では全然使っていないけれど、どうしても捨てられない。見つめながら、フランスのものって何でこんなに微妙な色がいいんだろう、と思ってしまう。
 そして、はずせないのは黒。黒のリュックを背負うと何だか落ち着く。ブランドは違うけどパリへ行き始めた頃、息子が肌身離さず持っていた黒のちびリュックを、今は私が使っている。リュック、大好き。

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