2015/03/28

古い鍵


 さて、前回書いたMarie-FranceのChambre d'hôteのことをもうちょっと。とにかく、非の打ち所のないステキな家。家具やリネン、置いてある小さな物ひとつひとつ、どれをとっても欲しくなる、そんなものばかりだ。Marie-Franceのセンスの良さとモノ選びのこだわり、そしてそれを引き寄せる力とでもいうのか。。ちょっとした才能だと思う。とにかく、こんなところに住めたら、毎日楽しいだろうなぁ、と羨ましく思う。ここの良さはそんな物たちに囲まれて過ごせるのが心地よいってこともあるけれど、表から見た建物の様と宿泊客の出入りする扉あたり、テラスのある庭からの姿が全く違うのが、何とも言えず、好きだ。

 ふと考えてみると、フランスの一軒家って角度によって全然違う顔を見せる。日本の家ってどこから見ても同じように造っている気がする。バランスがとれて美しいとも言えるけれど、私はフランスの家のこんな意外性が好きだ。これってたぶん、フランス人の感覚なのかなと思う。ここから見た時は後ろに緑が見える、でもこちらから見ると彼方に海が見える。だったら、こんな感じがいいよね、じゃぁ、ここはこうしようと感性で家を作り上げたような、そんな心意気を感じる。
 
 さて、Marie-Franceの家の宿泊客の出入りする扉の横には、大きな紫陽花が咲いている。扉と紫陽花がお互い好き合ってる、そんな感じがしてほのぼのとする。あっ、思い出した。古くて味のある扉だけど、ご多分にもれず、鍵がうまく開かない。鍵穴に古い鍵がうまく回ってくれないのだ。夜中に帰って、静かに入りたいのに結局、Marie-Franceを起こしてしまうことも。。まっ、そんなところも愛すべきところなのだ。
 

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