2014/07/01

お洒落


 時々わからなくなる、フランス人はお洒落なのかそうでないのか。
 雑誌の中の、パリコレ特集やセレクトショップのスタッフが出てくるページは、みんなが思い描くようなパリジャン、パリジェンヌなのだと思う。確かにモデル張りのスタイルに、奇抜なファッションでかっこいい。でも、果たしてそんな人ばかりが街角を歩いているのか。もちろん、おしゃれでステキな人もいるけど、ちょっとびっくりするような恰好の人も多い。よく言えば個性的なのだ。
 フランスでは、学生は学生らしく、若くて何を着てもそれなりに決まる人はそれなりに、お金持ちのマダムはそれらしく、とにかく分相応をわきまえている。フランスの若者の足元を見ればすぐにわかる。みんな、ボロボロのスニーカーを履いているのだ。バッグだって、ブランド品を持っている子なんてほとんどいない。自分で稼げるようになってからも、お金のかけ方は日本とフランスでは違っていると思う。
 
 某ファッション誌のフォトエディターのLaurenceは、同世代のおしゃれな友達だ。妥協を許さない、買い物に出かけても時間をかけて、じっくりと選ぶ派だ。
 数年前、ひとりでパリを訪れた際、我が家の男子ふたりにスニーカーを頼まれた。日本では売られていない、ヨーロッパ仕様のものだ。もともと、パリは東京ほどものが溢れているわけではない。Lanrenceとめぼしい店をまわったけど、ことごとく置いてなかった。さんざん歩いたけど見つからず、メトロで移動し、また歩き回ってそれでも見つからない。。ふたりとも疲れ果て、でも気持ちがわかるから、なんでもいいじゃんとも言ってこない。。これはdéjà-vu(デジャヴュ)だ。Laurenceの日本での買い物につき合ったときにもあった。マダムにはまだ遠い私たち、これでいいのよね、Laurence。

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