2014/09/02

代々、受け継がれるもの


 蚤の市やアンティークのお店に置いてある、琺瑯のポットや鍋、ミルクパンなどは、フランスでも割といい値段がついているのだけど、日本で見かけるものはびっくりするくらいの値段がついていたりする。そんな人気の琺瑯製品は、フランスのどこの家にもひとつやふたつ、何かしらがあるけど、ずっと代々使われていたものをそのまま、受け継いでいる人も多い。

 おじいちゃんやおばあちゃん、両親から受け継いだ家を訪れるのは、まるでどこかのお店に立ち寄ったかのようでワクワクする。家の中そこらじゅう、欲しいものだらけだ。
 でも、暮らす人々は当たり前のようにそれらを使う、それが日常なのだ。それらを羨ましそうに眺める私を不思議そうにじっと見つめる。飾り棚、テーブルや椅子もそうだ。壊れたり剥がれたりしても、きちんと修理して捨てたりしない。
 日本に長く暮らしたDanielleもフランスへ戻るため、家具を処分した際「この棚もあのテーブルも高く売れるのに」と、嘆いていた。でも友達に安く分けてあげたり、使ってもらったりして、残念ながらそういうわけにはいかなかったけど。値段はどうであれ、100年以上も前のものたちが海を越えてやって来て、誰かに大切に使われているなんて、すごく不思議だなと思う。ウチにあるそんな大切なものたちは、この先どうなるのかな。息子に託すかな。

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