2014/09/22

Vétérinaire


 我が家の猫、ポチはフランスから日本にやって来た。パリのアパートの中庭で拾ったのだけど、しばらくして病気が見つかった。腎臓と尿道に石が見つかったのだ。生まれて初めて猫を飼った私は、トイレでしゃがみながら鳴くポチを見ても、病気だとは思わなかった。春だったし、発情しているのかと。。
 ある日、この世のものとは思えないほどの声で鳴くポチに、やっと異常を感じて病院へ駆け込んだ。Vétérinaire(ヴェテリネール)『動物病院』へ行くと、受付のフランス人にこっぴどく叱られた。「何でこうなるまで放っておいたの」今でも忘れられない、すごい剣幕だった。
 はじめ怖かった受付の人も診てくれた先生もやさしく、入院を2度ほど繰り返したポチはその後、家に戻ることができた。でも、一度病気をするとこちらも敏感になり、ちょっとしたことでビクビクしてしまう。
 ある日、ポチが涙を流していた。えっ、猫って泣くんだっけ? 悲しそうにも見えるし、つらそうにも見える。すぐに病院へ連れて行ったら、涙はすでに止まっている。先生に説明して診てもらったけど、これと言って悪いところはないらしい。「何か変わったことはなかった?」普段と変わらなかった。「ごはんを作ってたら、急にポチが涙ぐんでて。。玉ねぎを切ってたんですけど、まさか。。」「あっ、それだ」
 猫に玉ねぎを食べさせるのはよくないとは聞いてたけど、人間と同じように玉ねぎで涙が出ちゃうなんて。。
 
 ちなみに日本では、ここ最近できた動物用の保険がフランスではすでにあった。何度も勧められたけど、拾った時、もうすでに4歳ぐらいと言われていて、保険代もけっこうな金額だったのでやめた。こちらに帰ってからも何度か病院へ連れて行ったけど、それ以降、晩年は病院にかかることもなく、元気に過ごしてくれた。それもこれも、あの時、こっぴどく叱ってくれた受付の人のおかげだなとも思う。C'est gentil!

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